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「和みの会」ドルチェ邦楽合奏団の演奏会を聴いて

 昨日、ドルチェ邦楽合奏団の演奏会を聴く機会を得た。
演奏された曲目は、坂田誠山先生、石井由希子先生作曲のオリジナル曲を中心として、ラテンメドレー、平和の祈りなどだった。
オリジナル曲は、いずれも邦楽の伝統的な音色と現代的な感覚を融合させた、魅力的な作品だった。特に、坂田先生作曲の「息吹」は、尺八の繊細な音色が、風のさざ波のように美しく響き渡った。
ラテンメドレーは、ラテン音楽の軽快なリズムと、邦楽の音色が融合した、新鮮な響きだった。特に、イパネマの娘、ラクンパルシータは、情感豊かな演奏で、聴き手を魅了した。
そして、平和の祈りは、アメイジンググレイス、イマジン、ウィ・アー・ザ・ワールドなど、世界に平和を願うメッセージが込められた曲を、邦楽の音色で奏でた。お馴染みのスタンダード曲を邦楽で聴くのは、新鮮でもあり、また、新たな感動を覚えた。
特に、アメイジンググレイスは、力強くも優しい尺八の音色が、聴く者の心に深く響いた。
全体を通して、坂田先生の尺八は、まさに別次元の存在だった。その繊細で表現豊かな音色は、聴く者の心を捉えて離さなかった。
また、団員の皆さんの息の合った演奏も、見事だった。邦楽の伝統を守りながら、新しい可能性を追求する姿勢にも、感銘を受けた。
ドルチェ邦楽合奏団は、世界に通用する邦楽合奏団だと確信した。
今後の活躍に、期待したい。

2023年11月25日
第70回 三鷹市市民文化祭 和みの会
ドルチェ邦楽合奏団演奏会

ドルチェ邦楽合奏団

邦楽の魅力と継承


 ドルチェ邦楽合奏団は、「邦楽って楽しいの。もちろん」をモットーに、魅力ある曲を増やし、魅力ある演奏を提供しようと活動している。
代表で指揮者の坂田誠山先生は、尺八奏者として世界的に活躍している。
坂田先生は、ヨーヨーマと共演した際に、「楽器の中で尺八は1番表現がある」と言われたことがある。これは、坂田先生の巧みな演奏法だからこそ言われた言葉だろう。また、バーンスタインも、琵琶と尺八の演奏を聞き、「表現力豊かな尺八は奇跡の楽器だ」と絶賛したという。
そして、武満徹の代表作である「ノベンバー・ステップス」は、尺八とオーケストラのために作曲された。
 このように、邦楽は、世界中の音楽家から高い評価を受けている。その魅力は、なんといっても、その独特の音色と表現力にある。邦楽の楽器は、西洋の楽器とは異なる音階や奏法を用いており、その音色は、どこか懐かしく、また、神秘的なものを感じさせる。また、邦楽の演奏は、歌や舞踊、言葉など、さまざまな要素が融合されており、豊かな表現力に満ちている。
邦楽は、日本の伝統文化として、古くから人々の心を癒し、高めてきた。しかし、近年では、邦楽を聴く機会が減りつつある。そこで、ドルチェ邦楽合唱団は、邦楽の魅力を多くの人に伝えようと、積極的に演奏活動を行っている。
 団員の多くは、ご高齢だが、皆元気に活動している。邦楽は、スローエイジングにも良いとされており、楽譜を見て演奏することで、脳の活性化にもつながると言われている。

 なかなか邦楽を聞く機会はないかもしれないが、ぜひ、一度、生の邦楽に触れてみてほしい。日本の伝統文化に触れ、日本の心を蘇らせる、そんな体験ができるはずだ。後継者が少ないので今後の存続が心配です。


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