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論破できる人が羨ましい……

「仕事を辞めたい」「転職したい」という気持ちが加速する出来事があり、新年早々、精神的に参ってしまっていた。

 普段、穏やかな鼓動がドクドクドクッ、と運動した後のように心臓が激しく鼓動し、体が小刻みに震え、悲しくもないのに涙腺が緩みそうになる。

 もっとうまく人に指示を出せたのではなかろうか。

 あのとき対応していれば、相手の怒りを買うこともなかったのかな。

 目くじら立てて、顔を赤く高揚させて、感情的に捲し立てている同僚の言葉を聞きながら、いろんな仮説が脳内を巡る。


 相手が激高している理由は、他部署からの応援人員を予定にあった場所で業務をさせず、本来の受け持ち部署に戻ってもらったから。
 そのために人員が減り、自分が請け負う業務量が増えて、自分が忙しくなったのが気にくわない!

 ……なのだそう。

 繁盛期で他部署から応援を頼んだものの、予測に反して、本来の人員で事足りたため、自分の部署に戻ってもらったのはいけないことなのか。

 手伝ってもらっている立場の側なのに、繁盛期を乗り越え、落ち着きを取り戻してきたのに、本来の業務は差し置いて、こちらの仕事を手伝えっておかしな話でしょ。

 頭のなかで言葉を選びつつ、疑問や憶測を考えていると、相手の怒りのボルテージはどんどん加速していく。

わたしが反論せずに、無言でいることが気に入らないのか「わたしが納得できる明確な返答がなければ仕事を辞める」と、上から目線でのたうち回っている。何度この押し問答をくり返したことか。同僚の間では「辞める辞める詐欺」なんて揶揄されているほど、なにか気に入らないことがあれば「辞める」「辞めてやる」と常套句のように出てくる人だ。

 仕事を辞めたいなら、辞めればいいではないか。人員が減るのは痛手だし、自己中な人ではあるが、長年苦楽を共にして、仲良くしていて寂しく思う気持ちも少なからずある。しかし、こちらが引き留める権利はない。嫌々働かれて、大なり小なり不満をまわりにぶつけられても、一緒に働く人が精神的ダメージを受けていくだけだ。

 怒りの矛先を相手にぶん投げて、スッキリしているのは本人だけ。

 同僚の言動に注視し、不平不満を浴びせられて、ビクビクしながら働くことに疲れた。なんでわたしは、精神をすり減らしながら、相手の一挙手一投足に注意を払い、気持ちよく働いてもらおうと、同僚同士の間を取り持っていたのだろうか。考えていて、だんだん悲しくなってくる。 

 なにも言い返せなかった自分にも落ち込むし、タイミング悪く居合わせた同僚たちに、余計な心配をさせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱい。

 年明け早々、嫌な出だしだな。

 

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