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目標がない社長が4割もいる日本で、女性がリーダーになる秘訣は?

「ガラスの天井」とか、「ジェンダーギャップ指数がG7で最低(しかも世界156位中で120位)」とか。

とにかく日本において、男女におけるキャリアアップの差はよく聞く。


日経新聞で行われる「社長100人アンケート」でも、今回こんなアンケートがありました。

女性管理職についての5年後の目標は?



いやー、まさに女性管理職の私としては、すっごく気になるアンケートなんです。


以前、政府が目標を立てたんですよ。

「2020年までに女性管理職30%」って。
一企業の目標じゃなくて、政府の目標ですよ!?
旧:安倍政権の看板政策の一つだった。


でも、全然達成できる見込みがなくて。
だから政府は目標を軌道修正したの。

「2020年代早期に30%」って。

早期って何やねん。
10年以上営業職をしていた私から見れば、「早期」なんて漠然とした目標はあり得ない。全然具体的じゃない。具体的じゃない目標って、もはや目標じゃない。達成する気あるのかな。

ちなみに、現時点での女性管理職比率は8.8%なの。人間ってほぼ半々の割合で男女がいるはずなんだけど。それでも、現時点で8.8%ってことは、目標の30%まで、まだ遠いよね。

でもね、私が一番驚いたのはここ。

「(女性管理職の割合について)5年後の目標があると答えた社長は6割」


・・・!?
残りの4割の社長は、目標もないんかーい!!!

目標を設定していないのに、どうやって達成するんだろう。
ねぇ、偉い人教えて!

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ちなみに、目標がある6割の社長も、女性管理職の平均値は14.4%・・・

あれ?政府目標は30%ですけどね!?
5年後の目標が14.4%ってことは、2026年の目標が14.4%ということ。
2026年って政府目標である「2020年代早期」の期限がきてると思うんですけど!?そして政府目標は「2020年代早期」に「30%」なんだけどなぁ。

ちなみに、なんで5年後の目標かって?
政府が「女性活躍推進法」を施行したのが、2016年4月。女性活躍のための行動計画を企業に義務付けたの。そして試行期間は10年。そう、今は5年経ったところで、ちょうど折り返し時点なんです。



この社長100人アンケートの面白いところは、ただアンケートをとるだけじゃなくて、社長のコメントもあるんですよ。

社長のコメントの何が面白いかって?

その社長がアンケートに対して、どう思っているかが分かるじゃん!
そしたら、その企業がどういう方向を向いているか分かるじゃん!

私が興味深いなと思ったコメントは、丸紅の柿木真澄社長のこのコメント。

「向き合っている社会の男女比は1対1。社会課題の解決に現状の社内の男女比で応えていけるか」

あと、コニカミノルタの山名昌衛社長のこのコメントにも、考えさせられた。

「欧米では当たり前の『家庭を持ちながらトップを目指す人財』というローモデルが不足している」

電機大手社長のこのコメントも紹介したい。

「女性活躍は『女性優遇』ではなく、女性がマイノリティーとなっている現状を打破する戦略的な取り組みだ。」



そうそう、社長100人アンケートじゃないけれど、私のリーダー論で、イケアジャパンの代表取締役社長のヘレン・フォン・ライスさんが言ってた。

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Q.女性が働きやすい環境づくりや、女性リーダーの育成をどう考えていますか。

A.女性の職場環境について、まず管理職の評価システムに明確なKPI(成果指標)を設けることが大切です。例えば組織のリーダーが10人いるなら、半分を女性が占めるようにします。女性マネージャーは1人だと唯一の存在です。2人だと同志ができ、3人になればさらに声をあげやすくなります。これが働きやすい職場づくりにつながるのです。どの組織でも実践できますが、時間もかかるし、新しいやり方なのでリスクもあります。


そうそう!目標達成に必要なのは、明確なKPIですよ。もちろんプロセスも細切なのですが、KPIがないと、今どの位置にいるかが把握できないですよね。どこかへ行く時も、まずは目的地があって、そこへどうやって行くかを調べる。途中で道に外れていないかを検証する。これの繰り返しによって、目的地へ行けるようになるのです。


ちなみに、もう1つ、イケアジャパンの代表取締役社長のヘレン・フォン・ライスさんの言葉を紹介したい。

Q.日本でリーダーになる女性にアドバイスは。

A.まずは正しいパートナー選びです。パートナーが家事などを半分やり、家庭を支えてくれることが重要です。パートナー選びにはしっかりと時間をかけて。そして、もっと女性に自信を持ってほしいと思います。教育水準で男女差はないですし、感情的な部分を生かしたり、上手にコミュニケーションをとったりできる人材、という観点で考えると、女性に優位性があるのではないかと思います。他の女性管理職と積極機に話し、支え合うことが大切ですが、ぜひ男性管理職とも積極的にコミュニケーションを取り、性別に関係なくすてきなリーダーになってほしいですね。


ママ歴2年3ヶ月、ワーキングママ歴2年の私が答えよう。

『仕事と育児家事が両立できるかはパートナー次第』
これ真理。


会社の制度とか、会社の周りの人の理解とか、その他お金面とか色々あるけれど、一番のポイントは「パートナー」だ。間違いない。


目標がない社長が4割もいる日本で、
ジェンダーギャップ指数がG7で最低な日本で、
女性がリーダーになる秘訣は、

パートナー選び。


マイクロソフトのCEOであるビルゲイツさんも、週2回幼稚園の送迎を担当していたそうです。幼稚園は、自宅から車で30分と結構遠い場所。専業主婦である配偶者が『運転に多くの時間を取られてしまう』とボヤいたら、ビル・ゲイツさんが『じゃあ、週に2回は僕が送迎するね』と。すると、数週間後には送迎をする父親が増えたそうです。


ジェンダーギャップの課題は、すぐに答えが出る簡単なものではありません。でも、個人のレベルでできることはまだまだあると思っています。希望の光は、意外と身近なところから見つけるのが、目標達成への秘訣かも。


(2,440字)


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