実録!モラハラサバイバー14

もうお前を無視する

 私の仕事机はリビングの一角にある。仕事用のPCは家族共有で、筆記用具やスマホの充電器もそこにある。充電器は私のだけど、場所が場所だけに、家族の誰が使っても、特に気にしていなかった。
 が、こどもの充電器はこどもの机。夫の充電器は夫の枕元にあるため、私は机でしか充電できない。いつもいつも、その机の充電器に夫のスマホが刺さっている事が実はプチストレスではあった。
なんで自分のスマホを充電しようと思った時に、充電器に刺さっているスマホの充電具合を確かめて、引っこ抜く作業からしなきゃなんないんだろう。100%なのに充電され続けている時も、逆に充電が少なくて抜くのが躊躇われる時も。

 その日も私は出掛けるまでの少しの間でも充電したく、夫のスマホを抜き、自分のスマホを充電器に刺した。
私がご飯を作る間、PCで漫画を読むために仕事机に座った夫の「はっ?なんなんだよもう!いつもいつも!!」という大声は聞こえていた。
でも、充電はしなきゃなんないし、ご飯も作らなきゃなんない。かまってもいられないので、放っておいた。
諸々の合間、受信したメールを確認する為に充電器からスマホを外し、メールを読んでいたら、多分このタイミングを待っていた夫が怒鳴り出した。
「人のスマホ充電から抜いたなら、戻せよ!」
確かに一理ある。でも、自分のスマホを自分の充電器に取り付ける度に、夫のスマホを外すことに少し苛ついていた私は
「自分の充電器で充電してくれない?」
と言ってしまった。
「違うだろ!人のスマホを外して充電したんだから終わったら戻せよ!」
正論なのは解っているが、それならもう、人の充電器を使わないでほしかった。
「あなたの充電器はベッドにあるんだよね?そっちで充電してくれない?そっちは私使えないから」
「はっ?頭おかしいんじゃないの?人が充電してるの抜いて充電してるんだから刺せよ!」
頭がおかしいかどうかは解らないが、もうどうしても充電器を貸したくない気分だった。そうしたら、夫は充電器をコンセントから引っこ抜いて投げつけてきた。
「だったら、こんな家の真ん中に置いとくなよ!」
なんだかもう、あほらしくなってしまって
「これを抜いても意味ないよね。自分の充電器もこのコンセントに刺せば?」
とコンセントに刺し直した時に言われたのが
「もういい!おれ、もうお前を無視する!」だった。

 今どき小学生の喧嘩でも聞かない台詞と、
横で聞いていた次男が後から大笑いしていたが、私も人生で初めて言われたよ。
頼むから自分の言葉に責任を持って、以後私を無視してくださいと心から思った。



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