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うたは時空を超えて

先日、娘が所属する合唱団の定期演奏会があった。
終演後、保護者スタッフとして受付でお見送りをしていたときのこと。

一人の男性が、封筒を手に私に話しかけてこられた。

「50年前の卒団生なんです。これ、活動資金にしてください。
感動しました。」

驚いて顔を見上げると、目には涙が。


そのあと一人のおばあちゃんが、杖をつきながら私に近づいてきた。

「こんな小さい新聞広告で見つけてね、失礼かと思ったけど(合唱団の)先生に電話したのよ。とても感動したわ。私74歳なんだけど、女学校のときにコーラスをやっていてね。一瞬で女学校のときに戻ったみたいだった。」

おばあちゃんの思いは溢れて止まらず、話は続く。
端島(かつて炭鉱で栄えた長崎県にある島)で育ってそれから大阪に50年くらいいて2年前に帰ってきたとのこと。

少しの大阪弁とマスクからのぞく潤んだ目が、徳島生まれの今は亡き祖母と重なる。

祖母は音楽の先生だった。
今思えばあのおばあちゃんは祖母だったのかもしれない。

うたはいいなあ。
時を超えて、魂を震わす。

娘の心のポッケにもたくさんのうたを。
時空を超えて、いつかあなたの心をあたためてくれますように。

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