普通が恋しいの
なんでもない日常が、遠く、遠く、昔に感じる。
一ヶ月前の日記を読み返したら、まだ友人と飲みに出かけることができていた。『当たり前を失ってから、有り難みに気づく』とはありふれた言葉だけど、こんな生活が待っているとは思いもよらなかった。
一ヶ月前。写真フォルダを辿って、朧げな記憶を引っ張りだす。まだ桜は咲きかけで。春のやわらかな陽気と、楽しそうな人たち。
今や、よく利用するスーパーも、好きなお店も、休業や営業時間の短縮を続々と決めている。
今日の帰り道、この飲食店もかな?と思って、ふと貼り紙を見たら、『閉店』のお知らせだった。
え。
ほんとうに、なくなっちゃうんだ……。
こんなに早く?
背筋がゾクッとした。
推しがいるうちに全力で推そう。出来ることは限られているなと心ぐるしい。せめて、今週末は、大好きなあのお店でテイクアウトしたい。
あの味で日常を思い出させて。
わたしも、普通が恋しいの。
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