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高野豆腐を求めて三千里

我が家の食卓は時に離乳食に振り回され、時に潤される。

渡米して1週間後に十倍がゆから離乳食開始。日本式で現在二回食まで進めてきた。最初のうちは大人たちがこちらの生活に慣れておらず、ホテル暮らしだったこともあり、日本から持ってきたフリーズドライ製品にお世話になっていた。
今の住まいに越してきてからは基本的に手作り。ほぼ毎日何かしらの野菜や果物などを離乳食用に調理してフリージングする日々が続いている。

離乳食はアレルギーの有無を確認しながら少しずつ食べられる食材を増やしていく。日本式で進めているので、当然ローカルのスーパーでは揃わない食材も多い。大根や小松菜、キャベツ(ローカルにもキャベツは売っているが丸くて硬いタイプなので、平べったいキャベツを探す)、サトイモや白身魚等を求めてアジアンマーケットを週末に巡ることが多い。

大人たちの献立はもちろん離乳食の食材ベース。大根を離乳食用に調理した日には大根が並び、かぼちゃならかぼちゃ。ローカルもアジアンマーケットも日本のスーパーのようにちまちま切り売りをしないため、大根もかぼちゃもキャベツも白菜も毎回まるまる1個を買うことになる。久しぶりに大根を食べられる幸せを噛み締めたり、レシピサイトを見ながら何を作ろうかとウキウキするのは初日だけで、残りの何日かはレシピを使いまわしたりと大変だ。早々にカットされ、冷凍庫行きになるケースも多い。

アメリカに越してきて2か月強。近隣、といっても車で30分位の距離のアジアンマーケット3店舗を毎週末のように回り、だいたいの食材や類似食材が手に入ることが分かった。

しかし、例外もある。
しらすはどこにも見当たらず、Amazonもヒット無し。この時はたまたま知人に「息子の離乳食のためにしらすを探しているんです。」と世間話程度に話したら、ご家族で日系スーパー(我が家から車で1時間半位の所なので、我々はまだ行ったことが無い)に立ち寄った際に偶然見つけて買ってきて下さった。神。

そして先週末、我が家に2度目の試練が訪れた。
土曜日はショッピングモール、アジアンマーケットP、ファーマーズマーケット、トレーダージョーズ。日曜日はアジアンマーケットH、トレーダージョーズ、アジアンマーケットK。

どこを探しても売っていない。
高野豆腐が。

少し前にいずれかのアジアンマーケットで目にした記憶があるのだが、ああ悔しい。乾燥物で日持ちもするので、見つけた時に買ってしまえば良かったと後悔した。
泣く泣く家に帰宅して、Amazonでポチった。高野豆腐ひとつに15ドル也。高価な高野豆腐は保存が効くので、大人はおこぼれにあずかれずパントリーに眠っている。

今日は成人女性の力こぶほどのナスを南蛮漬けにして食卓に並べた。ただでさえナスの食感が嫌いなのに、大きいが故にその食感が助長されたナスを目の前に、夫は渋い顔をしていた。明日は穂先のないブロッコリーが彼の弁当に入る予定だ。

サトイモは私が苦手なのでこれまで我が家の食卓に並ぶことは無かったが、ついに初登場。遅過ぎる鏡開きで、夫の大好物のお雑煮へ大変身。

そんな感じで我が家の食卓は離乳食に一喜一憂。まぁ色んな食材が食べられるし、何より息子が順調に育っているのでオールオッケーだ。



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