魚族と学ぶ誘発効果①
魔法カード《白の水鏡》発動!墓地の《鰤っ子姫》を特殊召喚するわ
いいカードだ
そしてデッキから別の《鰤っ子姫》を手札に加えるわ
強力な効果だ
そして《鰤っ子姫》が特殊召喚に成功したので除外して効果発動!デッキから「鰤っ子姫」以外のレベル4以下の魚族モンスター1体を特殊召喚するわ
いやそれはできない
えっ
できない
でも特殊召喚に成功してるわよ。
できない
そうなの?
できない
-時の任意効果-
これの何が問題なのよ
まず、《白の水鏡》は対象のモンスターを特殊召喚するんだ。
そうね
その後、君はデッキからもう一枚の《鰤っ子姫》を手札に加えたんだな
そうね
そして《鰤っ子姫》にはこのカードが召喚・特殊召喚に成功した時、このカードを除外して発動できる。と書いているだろ
そうね
だから発動できない
?
そういう効果だからだ
?
テキストに「~時、発動できる」と書いているのは、効果処理の最後に行われていないと発動できないんだ。
最後というのは?
この場合だと「特殊召喚したモンスターと元々のカード名が同じモンスター1体をデッキから手札に加える事ができる。」という部分だ
じゃあ《強烈なはたき落とし》は発動できるってことかしら?
そうだ
なるほどね。ちなみに、《白の水鏡》はモンスターをデッキから手札に加える事ができる。って書いてるけど、加えなかったら《鰤っ子姫》の効果を発動できるの?
できるぞ。理解してきたな。
うふふ
-誘発効果-
《白の水鏡》で《白鱓》を対象にとって発動した場合は、手札に加える効果を使用しても②の効果を発動できるんだ
どうして……??
《白鱓の②の効果は「特殊召喚に成功した場合に発動できる」と書いてあるからだ
「時」と「場合」だから違うってこと?
そうだ。ちなみに《剣闘獣ムルミロ》のように、「~時、発動する」と書いていた場合、「時」と書いてあってもその後の処理があっても発動するぜ
なんだか読みづらいわね
昔のカードだからな。
「~時、〇〇できる」「~場合、〇〇できる」「~時、〇〇する」までは分かったわ。ちなみに「~場合、〇〇する」という効果はないのかしら?
あるぞ。《レフトハンド・シャーク》の②の効果とかだな
あるのね。でも結局「発動する」効果なんだから時でも場合でも強制発動なんでしょう?
そうだな。効果処理も効果の発動も全く同じだ。だから最近のカードはすべて「~場合、発動する」に統一されているぞ
だんだんと分かりやすくなってきているのね
そうだな。タイミングを指定して効果を発動するモンスター効果のことをまとめて誘発効果と呼ぶんだ。これは公式用語だから積極的に使っていこう。誘発効果の中で「〇〇する」と書いてある効果を強制効果、「〇〇できる」と書いてある効果を任意効果とよく呼ばれている。非公式用語だけど、言いやすいから使っていくぜ。「~時、〇〇できる」を時の任意効果と言っていくぜ。ちなみに誘発効果はスペルスピード1だ
だいたい分かったわ。「時の任意効果」を使おうとするときは効果処理の最後に行われているかどうかを考えて打つべきってことね
そういうことだ。逆に相手の強力な時の任意効果を突破することもできるかもな
さっきから「最後の処理」と言っているけれど、他にはあったりするの?
主に3パターンあるな。まずは《白の水鏡》のように「その後」と書かれている場合だな
2つ目はチェーン2以上での効果の処理で条件を満たしても、発動はできないんだ
例えば自分が《海》を発動し、それにチェーンして《鰤っ子姫》を対象に《リビングデッドの呼び声》を発動したとすると、
この場合、最後の処理は「《海》の発動」となるので、《鰤っ子姫》の効果は発動できないんだ
3つ目はアドバンス召喚(生け贄召喚}や効果の発動、規定の特殊召喚のためにリリースされる場合や、シンクロ・リンク召喚の素材になって墓地へ送られた場合だ
言われてみればそうだったわね。これで時の任意効果については分かったわ。意外と発動できないパターンがあるのね
ああ。
-発動できない誘発効果-
ちなみに場合の任意効果や強制効果であっても発動できない状況もあるんだ
??????????
あ!分かった。例えば《貪食魚グリーディス》で《鰤っ子姫》を特殊召喚しても発動できないわね
確かにそれも発動できないな。でもそれは効果でつけられる制約なのであげるとキリがないな
それもそうね。じゃあそれ以外にあるのかしら?
そうだ。「効果の発動前に、発動する場所に存在しなくなったカード」の効果は発動できないんだ
…………?
あんまり分からないわ。何か例でもくれないかしら
そうだな。《ロック・スケイル》を使おう
このカードの①の効果が「特殊召喚に成功した場合に発動する任意効果」なんだ
それは分かったわ
伏せカードを対象にとって《サイクロン》を発動したとしよう
伏せカードは《リビングデッドの呼び声》だったので、《サイクロン》の発動にチェーンして墓地の《ロック・スケイル》を対象に《リビングデッドの呼び声》を発動すると、
まず《リビングデッドの呼び声》の効果で《ロック・スケイル》が墓地から特殊召喚される
その次に《サイクロン》の効果で《リビングデッドの呼び声》が破壊されるんだ。そうすると《リビングデッドの呼び声》の効果で《ロック・スケイル》が破壊され、墓地へ送られる
この場合は強制効果である《ロック・スケイル》の①の効果を発動できないんだ
どうして?
効果処理が終わったタイミングでフィールド上にいないからだ
さっき「効果の発動前に、発動する場所に存在しなくなったカード」の効果は発動できないって言っていたけれど、特殊召喚に成功した場合の発動は、フィールド上でしか発動できないということかしら?
そうだ。同じ理由で「墓地へ送られた」条件のカードは効果処理が終わったタイミングで墓地にいなければ発動できない。除外された場合やフィールドから離れた場合なども同じだ。
なるほどね。これで効果の発動に関してかなり詳しくなった気がするわ。
-同時に複数のカードが発動した場合-
そうか。じゃあここでクイズだ。
君のフィールドには《インフェルノクインサーモン》と《オイスターマイスター》がいたとする。
ここで俺が《ブラック・ホール》を発動し、フィールドのモンスターをすべて破壊した時、
《インフェルノクインサーモン》と《オイスターマイスター》が同時に墓地へ送られる。つまり効果が同時に発動するんだ
この時、チェーンの順番はどうなるかな?
別にどっちでもよくないかしら?
いや、これには決まりがあるんだ。もちろんどちらも発動可能なんだけど、チェーンの組み方はこの場合は一定なんだ
う~ん……
まず、強制効果が発動しちゃうから、その次に誘発効果になる気がする。だから《オイスターマイスター》がチェーン①、《インフェルノクインサーモン》がチェーン②!
おっ、正解だ。やるじゃないか
うふふ
同時に複数枚のカードが発動した場合、チェーンの組み方は決まっているんだ。
ターンプレイヤーの強制効果の誘発効果
非ターンプレイヤーの強制効果の誘発効果
ターンプレイヤーの任意効果の誘発効果
非ターンプレイヤーの任意効果の誘発効果
の順でチェーンが組まれるぞ。
ちょっと待って。そもそも誘発効果はスペルスピード1なのにチェーンなんて組めるのかしら?確かスペルスピード1にはスペルスピード2以上の効果しかチェーンできないのではなくって?
確かにスペルスピード1にはスペルスピード2以上の効果しかチェーンできないい。ただ、この場合は問題なくチェーンを組めるんだ。
なんでよ
そういうルールだからだ。ただ誘発効果のチェーンがある時に手札から《白の水鏡》を発動できたりはしないぞ
なるほどね。でも《大要塞クジラ》と《インフェルノクインサーモン》が私のフィールドにいて、相手の《ブラック・ホール》で破壊されちゃった場合、チェーンはどっちもターンプレイヤーの任意効果になっちゃうわ。この場合はどうするのかしら?
この場合は好きな順番でチェーンを組んでいいぞ。基本的にはチェーン1に止められたくない効果にするのがオススメだな。この場合はデッキから手札に加える効果を含む《大要塞クジラ》をチェーン①にするか、モンスターを特殊召喚する効果を含む《インフェルノクインサーモン》をチェーン①にするかは、一長一短と言えるな
他にも《EMシール・イール》は「この効果の発動に対して、お互いは魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。」という効果があるから是非ともチェーンの最後に持っていきたい効果だ
たしかにそうね。なんだか遊戯王が強くなった気がするわ。ちなみに、他に誘発効果に関する知識はあるのかしら?
そうだな。誘発効果のメジャーなものはこれくらいだな
-豆知識1-
あまり知られていないことといえば、誘発効果はモンスター効果の分類だということかな。実は前にしれっと言ってるけど
というと?
《白の救済》の②の効果は、誘発効果ではないんだ
どうして???「墓地へ送られた場合に発動できる」と書いてあるじゃない。
そうだな。
誘発効果ではないというの?
そうだ。
?????
公式Q&Aにはこう書いてあるぞ。
確かに誘発効果とは書いてないわね。
モンスターの《インフェルノクインサーモン》のQ&Aにはこう書かれているな
あれ?さっき同時に複数枚のカードが発動した場合、ターンプレイヤーの強制効果の誘発効果とか言ってたじゃない。《オイスターマイスター》、《インフェルノクインサーモン》と《白の救済》が同時に破壊された場合、どうやってチェーンを組めばいいのよ
その場合は《オイスターマイスター》がチェーン①、チェーン②は好きに組んでいいぞ。
どうしてよ
これは俺が悪いな。さっきのは簡略化しすぎていて、実は
ターンプレイヤーのコントロールしているカードの必ず発動する、チェーンブロックを作る効果の発動
非ターンプレイヤーのコントロールしているカードの必ず発動する、チェーンブロックを作る効果の発動
ターンプレイヤーのコントロールしているカードの、カードによって発動する/しないが選べる、チェーンブロックを作る効果の発動
非ターンプレイヤーのコントロールしているカードの、カードによって発動する/しないが選べる、チェーンブロックを作る効果の発動
こんな感じになっているんだ。
一気にややこしくなったわね。でも要するにモンスター効果でなくても誘発効果のように扱えるということでいいのね?
そうだぜ
なんで統一しないのよ
まあいろいろあるんだ。ここら辺をまとめて誘発効果としてしまうと、それはそれでややこしくなるからだ
-豆知識2-
誘発効果のスペルスピードは1だ
そうね。
《白の救済》の②の効果のスペルスピードは1だ
それは分かるわ
《やぶ蛇》のスペルスピードは2だ
まあ罠カードですものね。
あれ?ってことは《やぶ蛇》と《白の救済》が同時に破壊された場合、《白の救済》をチェーン①にしないといけないということかしら?
いやそういう訳でもない
そうしたらチェーン①にスペルスピード2の効果、チェーン②にスペルスピード1の効果がならんでしまうわ。本当にそれでいいのかしら?
いい
どうしてよ
そういうルールだからだ
そもそも《やぶ蛇》の効果がスペルスピード2である意味ってあるのかしら。1でもよくないかしら?
そう聞かれると、たぶん無いな。思いつかない。ただ罠カードなのでスペルスピードが2である。これでいいんじゃないか?
それもそうね。そういえば続けてなにか言いたそうだったけど、何かあったのかしら?
ああ。永続魔法の誘発効果のスペルスピードは1、《白の救済》は1、通常罠の《やぶ蛇》は2。
速攻魔法の《緊急ダイヤ》の②の効果はスペルスピード1なんだ。
それはおかしくない?だって速攻魔法よ。(あといよいよ魚族関係ないじゃない)
そういうルールだからだ。たださっきも言ったように運用に関してスペルスピードはあまり関係ないから、そういうものだとして受け入れるのが吉だと思うぞ
そっかぁ……
-次回予告-
そういえば、ずっと気になっていたことを聞いていいかしら
何だ?
《鰤っ子姫》を召喚したときに《激流葬》を発動したいのという状況になったら、この場合も好きにチェーンを組めるのかしら?
それはできない。必ず《鰤っ子姫》の効果がチェーン①になる。
どうしてよ。
それを説明するとこの記事のシークバーがめちゃくちゃ短くなっちゃうから
次の記事で説明するぞ
-次回!シーラカンス 死す-
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