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推しのJリーグクラブが勝てないときに考えること①

記事を開いていただきありがとうございます。私はヴァンフォーレ甲府のサポーターをホームタウンから遠く離れた地を拠点として、主にアウェイサポーターとして10年以上応援活動をしています。サポーターをやっている中で思っていること、気になったことを記してこれからサポーターになろうとされている方やJリーグのどこかのクラブサポーター向けに1サポーターとしての考えなどが伝わればと思い記事を記していきます。拙い文章であったり、個人の考えで読んでいて共感できないことなどもあると思いますがご容赦ください。

サポーターであれば毎試合勝利で飾れることを夢に見ます。もちろんリーグ戦で38戦全勝できるに越したことはないですが、どんなに戦力が整っているクラブでも全勝優勝は過去のJリーグでもないですし、実質的に不可能なことは誰しも理解しています。なので、目の前の一試合に全力を注ぎ、勝利を求め、熱くなるというのが実際のところでしょう。

順調に勝ちや引き分けで勝ち点を重ねるクラブがリーグの上位をキープできている状態であればサポーターの雰囲気はとても良いです。J1であれば優勝やACL出場権の確保が見えている状態、J2やJ3であれば、上位カテゴリへの自動昇格圏内がほぼ確定している状態がそれに当たると言えます。

一方で、連敗や〇戦未勝利など苦しむクラブはサポーターの雰囲気も悪くなりがちです。主に上位カテゴリへの昇格を目指しておきながら、プレーオフ権外と苦しんでいるクラブや下位カテゴリへの降格争いに巻き込まれているクラブにそのような傾向が見られます。このようなクラブは毎年J1からJ3のどのカテゴリでも出てきています。思い通りの結果が出ないクラブに対し、サポーターの心情や感情は分裂していきます。大きく分けると以下の二通りの傾向が見られます。

  • クラブを応援する

  • クラブを批判する

一度分裂したサポーターが再びまとまるには連勝して目下の課題を解消することをしない限り難しいのが現実です。


クラブに向けられる批判の事例

分裂したサポーターから出てくるクラブに対する発言は以下のようなものが挙げられます。

  • 監督解任論

  • クラブフロントへの批判

  • 特定の選手批判(SNSなどでの誹謗中傷)

  • スポンサー批判

盛者必衰のJリーグで常に満足のいく結果を残し続けているクラブはほとんどないため、サポーターを長くやっている方であれば、見たことがあるまたは見慣れたものであると思います。

監督解任論

「勝てない」クラブのサポーターのコメントでSNSで特に目にすることが多いのが監督解任論です。監督解任論がでているクラブ=不調に陥っているクラブと言っても過言ではないでしょう。監督は試合ではスタメンやリザーブメンバーなどの選手起用や戦術・戦略の選手への指示、選手の交代などあらゆる運用を統括する指揮官だと言えます。その指揮官を解任し、新しい指揮官を迎え入れることで、多くの場合は戦い方が大幅に変わることになるため、状況を変えるには手っ取り早い方法だと言えます。そのため、分かりやすい現状打破の方法として監督解任論が持ち上がります。ただし、監督を解任したからといって状況が好転するとは限らないといった点は注意が必要です。現在の監督が解禁されて新しい監督になるのは、ほとんどの場合が、代わりに引き受けてくれる監督がいた場合外部から招聘する、もしくはコーチが内部昇格してそのまま監督になるパターンです。

外部から監督を招聘する場合は、シーズン途中の場合は過去に監督を経験している人を抜擢します。指揮官としての経験値からの指揮はある程度信頼できるでしょう。一方でクラブの選手の得意なプレーや性格などは把握していない状態からのスタートとなるため、結果が出るには時間がかかることを理解しておきましょう。すぐに結果が出なくても新監督の監督を解任論を出さないためにサポーターがあらかじめ解任とはそういうものであるということを理解しておく必要があります。

新監督が内部昇格する場合は、選手をこれまでも間近で見てきているため、選手の特徴を押さえた状態で指揮することが可能です。一方で、指揮官としての経験値がそこまで多くないことや、過去に監督経験があっても監督でなくコーチと言う立場でクラブに関わっているなど指揮官でないことに何らかの理由がある場合があります。選手の起用法は割と早い段階で見えてくるとは思いますが背景を理解したうえで新監督を支える必要があります。

監督の交代により危機を脱したクラブも多くありますが、そうでないクラブも少なくありません。会社で言えば監督は管理職に当たるため、責任を取るのはごく自然ではありますが、サポーターとして辛いときでも支えるのも素敵な選択肢だと思います。

クラブフロントへの批判

不調なクラブで監督解任論が出たあとに出てくるのがクラブフロントへの批判です。結果としてクラブを批判しても良い状況に変わることはほとんどなく、生まれるのは不毛な批判とクラブとサポーターとの間に溝ができ、もやもやが残るのみです。

特定の選手批判

失点に繋がるパスミスやデュエルの敗北、不用意なファールで相手にPKを与えたり、決定機を決めきれないなどワンプレーのミスから選手批判が始まります。特にその結果として勝ち点が3から1に、1から0に減ろうものであれば致命的なミスをした特定の選手をこれでもかというほど叩こうとするサポーターもいます。

サポーターからしたらミスをした選手に対してなんてことをしてくれたんだという気持ちを持つことがほとんどでしょう。待ち望んでいた勝利がすり抜けること、善戦していたのにミスで流れが変わり結果として敗戦になってしまうことは耐え難いものです。選手個人を叩きたくなる気持ちは分かります。サポーターはとてつもない悔しさを抱えているはずです。

ただ、悔しいのはピッチでプレーしている選手、ベンチにいる監督・コーチや選手、クラブ関係者はもちろんのことです。中でも最も悔しいと思っているのは等のミスをした選手本人なはずですし、反省と修正について考え、相当悩んでいるはずです。他人から批判されなくても起きたことについては言われなくても理解しているものでしょう。

SNS上でサポーター間で行われる「今のプレーは良くなかった」や「今のは決めてくれ」などの感想はまだ心情を吐き出しているだけなので良いです。「こうすれば良かった」などの議論にとどめておく程度であれば問題はないかと思います。

良くないのは「〇〇選手はいらない」や「〇〇は戦犯」などプレーに終止する感想や議論の枠を超えて選手を直接傷つける言葉を投稿することです。そのような発言をサポーターだけでなく、クラブ関係者や選手が目にすることがあります。直接見なくても、選手が耳にすることがあります。ましてや、選手やクラブ関係者に直接その言葉をぶつけるのはもっての外です。

スポンサー批判

クラブが勝てないと稀にスポンサー批判に発展することがあります。基本的にはスポンサーは会社や商品の広告宣伝ができる代わりにクラブ運営のために多額の資金を支払っており、クラブを支えるのに欠かせない強い味方であるため批判するのはお門違いといえます。

では、どのような点でスポンサーが批判されているかについてですが、クラブが勝てない状況なのだからスポンサーがもっとお金を出すべきという点です。特に、誰もが知っている大企業スポンサーであれば資金力はあるに違いないという思い込みなどから批判の対象となる傾向があります。強い選手を獲得するためには移籍金や年俸を支払うために資金は必要ですが、勝てない責任をスポンサーが負ってそれをお金を出すことで解決させるということを求めているに他なりません。

スポンサーもサポーターもクラブを外から支えているかけがえのない味方です。クラブを支える味方が勝てないことについて責任を負わされる事のおかしさが冷静になればわかると思います。

誹謗中傷で失うもの

クラブ自体や選手への誹謗中傷はSNSやインターネットを活用していると嫌でも情報が目に入ってきます。配線など思い通りにいかない現状に対して、悔しい気持ちはクラブ関係者であれば誰しも感じていることです。そこから前に進もうとするもの(応援するサポーター)からすれば、誹謗中傷は見苦しくサポーター同士の一体感は損なわれます。また、誹謗中傷すること自体が法的責任に問われる可能性があることもリスクとして知っておく必要があります。

誹謗中傷から良いことは何も生まれません。悔しい思いを吐露したい場合でも言動や場所は考える必要はあります。結果的に監督の交代や選手の補強などがあったとしても、誹謗中傷があったからこのような行動に至ったわけではなく、クラブの目標や目的に対して不足や是正が必要な状況であることに対して行動を起こしているため、誹謗中傷で現状を改善できるという考え方は絶対的にお勧めしません。

本当にどうしようもなくクラブに対してイライラする場合は、いったんクラブから距離を置くというのも選択肢かと思います。クラブの状況が良くなったり、また応援したくなった時に戻ってくるなども全然ありかと思います。サポーターは人生を豊かにするものではありますが、人生そのものではありませんので慌てなくても大丈夫です。

苦しい時にクラブを支えるということ

ここまで批判は良くないという説明をしてきていますが、クラブを後押しする行動としては応援と批判は真逆ですが、応援するサポーターも批判するサポーターも悔しい、現状を変えないといけない、後押ししたいといった根柢の気持ちは共通して持っていることから、心情としては表裏一体であると言えそうです。

勝てない、降格しそうなどクラブが苦しいときも支えるのがサポーターであり、次の一戦の勝利や連勝していくために共に戦う意志を伝えることや選手にやる気を出してもらうための行動をしていくことが後々の歓喜につながるものかと思います。

サポーター全員が一丸となるのは難しいですが、一人でも多くのサポーターが、応援することで歓喜の瞬間を迎えられることが望ましいと考えます。

  • 負のスパイラル

    • 敗戦 → サポーターからの批判 → 選手のモチベーションの低下 →次節での敗戦 → (ループ)

  • 負のスパイラルからの脱却

    • 敗戦 → サポーターからの応援 → モチベーション上昇 → 勝利 → サポーターの歓喜・応援 → モチベーション上昇 → (ループ)

苦しい時こそ、負のスパイラルから脱却するために戦い、勝利できたときにこみ上げてくる嬉しさは何とも言えない喜びと共に大きな活力にもなります。応援を続けてクラブが苦しい状況を打開したときの喜びは癖になるほどいいものですよ。

今回はこの辺りで失礼いたします。後編として勝てないときのクラブの支え方について文書化をしております。もしお時間いただけるようでしたら読んでいただけたら幸いです。


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