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わくわくフィンランド。

興味を持ち始めたのはだいぶ前だけど、2年前ぐらいにようやく勉強し始めたフィンランド語。
ハロートークで細々と言語パートナー2人(男性1人、女性1人)とやりとりを2年していて、どちらともと日本で会う機会があった。
コロナ禍における渡航の制限もなくなったし、次は自分が行く番だと思ってフィンランド行きの計画を立てはじめた。

でも初めて行く国、いつ行こうか。

自分の中で“いつ行くかは”は結構大事だった。
フィンランドの四季を(ネットで)見てきて、どの季節も魅力的だということを知っている。なんなら四季を全部を見たい。

でも長期滞在は出来ないし、ひとまずは一つしか選べないということで記念すべき第一回フィンランドの渡航は“冬”にした。

理由は、夏のさわやかステキなフィンランドも魅力的だけど、冬の姿こそが他の国にないフィンランドが最も個性的な季節だと思ったからだ。
フィンランドの冬の景色の印象は真っ白の雪原。
大きい山が見えず永遠に続きそうな雪原と、凍りついた森の木々とか樹氷だったり謎に色鮮やかな小鳥たちとか。そんなのが見たい。

さて、行く方法を考えなければ。
いつか日本からフェリー&シベリア鉄道&サンクトペテルブルクからアレグロで行きたいと思っていたものの、その実現を待っていたら永遠に無理そうなので大人しく飛行機で行くことにした。

円も安いし、飛行機代金は安くなさそうだ。旅のモットー、安さ重視でも長距離乗り継ぎ旅行になるだろうからLCCは使いたくない。
時間はかかっていい。なんなら時間だけはある。乗り換えで他の国行けるならそれはそれで面白そう。
チケット価格を比較するサイトで調べていると、関節技みたいな乗り換え案をたくさん提案してきた。面白すぎて埒が開かなかったのでHISの店舗に行った。HISは学生時代何回もお世話になった旅行会社だ。人体への負荷を考慮しない関節技チケットを豊富に揃えて価格を抑えているイメージの企業。
純粋な往復チケットだけなら自分でネット使って予約するけど、今回は行きたいところが複数あったのでどう取るのが無駄がないかとか。相談がてら訪れた。

そして最終的に
東京→ドーハ乗り換え→ヘルシンキ
ヘルシンキ→イヴァロ(サーリセルカ)
イヴァロ→ ヘルシンキ乗り換え→ベルリン(別件で行く予定があった)
ベルリン→ドーハ乗り換え→東京

日本⇄フィンランドはカタール航空。それ以外はフィンエアーだ。
HISでカタール航空分だけを購入。フィンエアーは個人で手配。
納得できる値段(と乗り換え)の提案を貰えたのでとてもよかった。

というのもドーハ空港が、どうやらオイルマネーの富豪感を感じられる異世界だという噂を聞いていたので行ってみたかった。フィンランドついでに行くとは自分では到底思いつかなかっただろう。

次は宿、さくっと書くが旅程の前半は自分がエアビー、後半は同行の方が他の予約サイトで取ってくれた。現地で自炊してみたり、仕事を多少したかったのでキッチン道具が揃っていてデスクがあってまあまあ便利な立地を選んだ。

全ての行程、交通手段が決まってカバンを詰め詰めする。旅の一番楽しい瞬間だ。行きの飛行機では荷物を預けず、帰りは荷物が増えるかもなので預けられるようにしておくという想定。コロナ禍が明けに数回旅行してやっと以前のパッキングスキルが戻ってきた。そうしているうちに出発の日は来た。

2月の初旬、出発。

南国ドーハ経由でヘルシンキ行きの便、行く直前になって南国と北国の温度差は大丈夫だろうかと心配になったが、実際はドーハでの乗り換えが早朝だったので、そこまで南国を感じる前に北国へと飛び立つことができた。

ドーハ空港は面白かった。飛行機を降りた瞬間から今どきな感じの洗練された内装に謎のオブジェがあったり、かわいいサッカー広場みたいなのがあったり、早朝にも関わらずどのお店も全て開いていてブランド物やお土産品までいろいろ楽しめた。

なんかくつろげるサッカー場
少年たちがサッカーしてた。


全力で世界のハブ空港を狙っていくという強い意志、なにか国の勢いを感じることができる空間だった。

中東のものが多いエリア。異世界に迷い込んだ雰囲気。


荷物のセキュリティ担当の人が日本への思いを語ってくれたりして、初めての中東の国だったのでちょっと緊張していたけどリラックスして乗り換えができた。感謝!あと久しぶりの英語が通じて安心した。
10年以上前ボストンで激短留学したとき、クラスメイトがほぼ中東のかたで彼らの話す英語の発音がとても聞き取りやすくて好きだったので久しぶりに接することができてそれも嬉しかった。

ドーハからヘルシンキはカタール航空で予約していたが、なんとフィンエアーの機体だった。ヘルシンキからイヴァロでフィンエアー機に初めて乗ると思っていたのでちょっと意外だったけど、機内食がとてもおいしかったので満足した。いやむしろ国内線だったら食事が出ないだろうからドーハ→ヘルシンキ間がフィンエアー機体でラッキーだった。機内食はとてもおいしかった。満足。

トマトのやつが美味しかった!
おやつ。フィンランドをフライングして楽しんだ。



日本→ドーハ便より短いフライトだし朝のフライトだったので窓際の席を取って延々景色を眺めた。天気がよくて空気も澄んでいたので遠くに見える山脈の景色に感動したりした。やはり地図を眺めているだけだと気づけないことってあるなと実感した。

日本から真っ直ぐフィンランドへ行こうとすると必ずロシアを通るけど、
ドーハからフィンランドへ真っ直ぐ行こうとしても必ずロシアがあることにも気づいた。やはりロシアは大きい。
ヘルシンキ・ヴァンター空港への着陸体制に入ったのが、エストニア上空からだったので少しびっくりした。フィンランド湾はそんなに狭いんだと思った。徐々に高度を下げながら湾を越えた。

湾を越えてフィンランドのエリアに入った時には地上の景色がよく見える高度になっていた。高い山とかがないので遠くまで地平線が見える感じ。池や湖はみんな凍っているようで本当に全体的に白い世界だ。なんだかそれだけで満足できた。まだ着陸もしてないのに旅の満足度が最高点に近かった。

サラサラの雪を巻き上げながら飛行機が着陸した。空はまだらで青い部分が見えたり雲があったりよく分からない天気だった。

乗っていた飛行機が停められた場所から他の飛行機が見えた。萌えキャラが描かれていた中国の吉祥航空だった。吉祥航空は中国で一度乗ったことがあってとてもいい印象を持っていたのでなんだか懐かしいなぁと思いながら眺めた。

とりあえず流れに身を任せて入国審査に向かったら初めて見るような長蛇の列だった。今まで何十回と海外を行き来してるけどここまでの列は初めてだ。なぜか?純粋に係員が少ない!他の国は並ぶ人も多いが係員も多かったので新宿駅南口改札という感じではけていく人数も多い。ヴァンター空港で自分が見たのは、空間せいいっぱいに人を詰め込んでいるがそれが実は一列で、最後だけ3又くらいに分かれているという感じの列だった。やはり人口が少ないと職員も少ないんだなと妙に納得する光景だった。

1時間ほど並んだ。9割ぐらいはアジア人で少し東欧の人かなぁという雰囲気の人がいた。自分の後ろに東欧人風の大男(自分から見て大きい)が途中イラつき始めて10人ぐらいすっとばして窓口に突っ込んでいったら係員が半ギレ状態で怒鳴り始めて待ち時間が少し長引いた。周りも「戻れ!」「順番を守れ!」と応戦を始める。ここは自分も言わなければ!と思い、「アンタの位置に戻らねぇか!」みたいな英語を彼に投げかけた。突貫英語なので通じたかは不明。でもここではきっと行動が大事だろう。係員もお客さんたちもズルを許さない姿勢だったので応援したくなった。しかし係員をもっと増やしてくれたらもっと素晴らしいぞ!とも思ったが発言はやめておいた。

それから5分ぐらいで順番が回ってきた。さっきまで半ギレで怒鳴っていた係員さんはにこやかだった。さっき自分も参戦したのを見ていたので我々の国の協力者だと思ってくれたのだろうか。えいっと思い切ってMoi!と言ってみた。Moiと返してくれた。初めての(フィンランドでの)フィンランド人とのフィンランド語のやりとり!少し感動した瞬間だった。途切れ途切れのフィンランド語でサーリセルカに行くYO!と言ったら休日楽しんでね。と言ってくれてスムーズに入国できた。
 税関を出たところで現地集合予定の大先輩と合流できた。大先輩は自分よりだいぶ後に空港に着いたが、違う系統の入国管理の窓口(?)だったらしく一瞬で入国審査を通過してだいぶ自分を待っていてくれたらしかった。こちらにも感謝。

ヴァンター空港は印象通りで綺麗だった。出口周りに気軽に座れる場所があるのは待ち合わせの為の配慮が深い。
市内へ繋がる鉄道駅への動線も分かりやすかった。奥深い底にある地下神殿を思わせるデザインの空港駅だった。なんだかワクワクした。

勝手に命名:地下神殿

切符は行き先の駅指定ではなく行き先エリアを選ぶタイプ、ちょっと分かりづらかった。ヘルシンキ中央駅をもっと目立たせてほしかった。全てがシンプルは北欧デザインか。

30分ぐらい電車に乗った。途中の駅で自転車が乗ってきて、ヨーロッパに来たことを実感した。車窓から駅のホームを見ていたら屋根のない場所はアイスバーンになっていてペンギン歩きで歩いている人がいた。冬の長い国で冬の間ずっとこういう運用されているの地味にめちゃくちゃ危険なのでは…うっかり滑ったら。なんてそんな心配は杞憂だろうが。


初めての国に舞い降りて、最初は全ての景色が新鮮で面白い。でも今回は少し違う。2年ぐらいの勉強期間中にたくさん写真も映像も見たし、社会問題とかエンタメとかもいろいろ接していたのでなんだか初めての国という感じがしなかった。不思議な感覚だった。


ヘルシンキ中央駅に着いて電飾と石の男に挨拶。こちらも初めてだけど初めてではないような感覚。おそらく大聖堂も見たら感動するだろうなぁと思いつつ、荷物があるし、宿が反対側だったので後ほど会おう!という気持ちでとりあえずカンピ方面へと向かった。

ポワッとした地球を持って立つ“石の男”さん。写真より実際は少し温かみを感じた。



今回の荷物はリュックに4割、スーツケースに6割の荷物を入れる感じで来た。スーツケースが大きすぎると石畳の移動がつらくなるのでどちらもほどほどサイズ。あと地面がアイスバーンというのも事前に調べていたので最悪持ちあげて運べるサイズだ。厳密に言うと、行きの便では飛行機で荷物を預けるつもりがなかったのでこの荷物配分になった、というのもある。

宿は駅近くにとっていた。3人で宿泊する予定だったのでホテルではなく部屋を借りた。サイトに乗っていた写真という写真が全て綺麗すぎて本当にぃ?と疑り目で見ていたけど、実際にチェックインすると部屋は本当に写真通りに綺麗だった。
日本の賃貸サイトの写真にありがちな"実際の空間より広く見えるように魚眼レンズで映すとか、明るく見えるように光を当てまくって照度をいじって…” みたいな詐欺っぽさがなく、ありのままの写真だった。海外の部屋の写真の撮り方にとても誠意を感じた。すばらしかった。



ヘルシンキで実際に行ったところ


①カンピショッピングセンター(https://www.kamppihelsinki.fi/en/)
特に地下のK-Supermarket。語学パートナーさんオススメの本屋さん(Suomalainen Kirjakauppa)、あと広大なMUJIもある。地下鉄も直結で便利。

記念品的なエコバック。


②ヘルシンキ大聖堂 Helsingin tuomiokirkko (ヘルシンキといえば必須のランドマーク的存在。)

③ヘルシンキ市立博物館 Helsingin kaupunginmuseo
ヘルシンキ大聖堂の目の前にある。こちらも語学パートナーさんオススメ。入場料が無料だったのでそんなに期待していなかったけどその割に意外と展示物が充実していて満足できた。カウリスマキ映画っぽい雰囲気を味わえるコーナーもあった。他のお客さんがいなくてくつろぎながら回れた。

④オールドマーケットホール Vanha kauppahalli
同行してくれたかたが調べをつけておいてくれて、ここでスープを頂いた。美味しかった!

困った時は緑色を選ぶ。とても美味しかった。

⑤図書館(ヘルシンキ大学の図書館&国立図書館&Oodi)本好きなので街歩きしながらいろいろ回りたいと思ってたけど。地面が凍っていたので3つが限界だった。ヘルシンキ大学の図書館とOodiは1日過ごせそう。

⑥アカデミア書店(Akateeminen Kirjakauppa )とカフェアアルト
映画『かもめ食堂』好きにとって聖地的な場所。ここで辞書と絵本を買った。ここ以降の移動が多かったので重い本を買うのを躊躇してしまった。痛恨のミス!本屋は旅の最後に行くべし。

⑦ヘルシンキ自然史博物館(Luonnontieteellinen museo )
正面からは小さい建物に見えるのに実際は結構大きかった。動物たちの骨格がたくさん置いてあって動物園に行ったような感覚になった。死後の動物園。それ以外の展示もなかなか見応えがあったし工夫されていた。すごく叡智の詰まった博物館だなと思った。去年話題になったサカバンバスピス(と愉快な仲間たち)も見れた。かわいかったがサカバンバスピスグッズはなかった。

重厚な作りの博物館。
チケット売り場。ダイソーで見かけた気がするフィギュア。

⑧ヘルシンキ中央駅(Helsingin päärautatieasema)
駅の建築はとても上品で趣があった。石の男たちはやはりかっこよかった。ヘルシンキの中心で右往左往する人々を見守っている感じ。
世界各地にその街に行ったら挨拶するお方たちっているけど(たとえばベルリンだと戦勝記念塔のヴィクトリアとか、ミラノのドゥオーモのマリア像とか。←あくまで自分ルール)、ヘルシンキは石の男さんたちだと思った。
いつぞやのCM映像みたいにいきなり動き出したりおしゃべり始めないかなって思ったけど石はやはり石のままだった。

慎ましやかな電飾。綺麗で温かみを感じるデザイン。


⑨CD屋さん (Levykauppa Keltainen Jäänsärkijä)
韓国の感覚だと人気のCDは本屋で販売されているイメージだったので本屋でぐるりと見たものの見当たらなかった。でもCDは欲しかったので語学パートナーさんに聞いたらここを学生時代によく使ったとのことだったので行ってみた。なぜこのご時世にストリーミング音楽じゃないか。それは手元に置いておいて眺めるためだ。部屋に飾る。
お店はフィンランド中のCDが集まってるかもというぐらいに物量がすごかった。店員さんにフィンランド語を使って聞いてみたらちゃんと通じて嬉しくなったので2枚購入した。閉店間際だったので次回行く機会があったらもっとゆっくり見回ってもっと買おうと思う。
宿にCDラジカセがあって、今どき?って不思議に思ってたけど、買ったCDをすぐ開封して聞けたのでとても助かった。

Antti Tuiskuと、BSBのAJ McLeanとコラボしたREDRAMAのCD。


たまたま遭遇できたこと


①Penkkarit
大型トラックの荷台に乗り込んだ高校生たちによるパレード。パレード客に飴をばら撒く!
アカデミア書店を出たとき、通りでたくさんの人が一方を見ていたので大統領候補(絶賛選挙活動中だった)でも来るのかと思ってそこらへんにいる方に何の人だかりか聞いて見たら子どもたちのパレードが来るのを待ってるみたいに言われた。
港のほうに移動すると大型トラック(本当にデカい)が何台も連なって来た。大音量の音楽とワーワー何か叫んでる若人たちが飴をばら撒きながら過ぎていった。
パレードはわりと一瞬だったのでその後ばら撒かれた飴を拾い集めた。

飴はいろんなパッケージがあって面白かった。そういえばフィンランドの飴って初めて見るんだった。サルミアッキならネタで人から貰ったことがあったけど。この国で初めて見る飴が雪砂利の地面に散らばった状態で、自分はそれをかき集めてるって面白い光景だなと思った。
街頭の方々と一緒になってひとしきり拾ったぐらいのタイミングで車が通り始めて、拾われなかった飴は潰されてしまった。高校生たちが少しでも誰かに拾って食べてもらおうと投げた飴が無惨に潰されてなんだか高校生たちの思いが潰されたような気持ちになっった。心にヒューッと冷たい風が吹いた。
でもきっとこれはフィンランドの人の人生の1ページになるようなイベントだと思うので、それを目撃できて純粋に嬉しかった。みんなにいい人生が待っていますように。

色とりどりの飴ちゃんを拾う大人たち。

②大統領選挙
ヘルシンキの街を歩いていて各所でポスターを見て、選挙活動していた方からビラを受け取った。君、観光客だろ!いらないよね!って感じじゃなくて、ちゃんと貰えたことが少し嬉しかった。候補は二人でどちらの陣営も明らかに観光客(2月の装束じゃなく明らかに薄着のやや場違いなアジア人)へ市民と同じような自然な所作でビラをくれ、何か話をしてくれた(高難易度語彙!聞き取れず!)。思わず自分からキートス!よい1日を!という言葉が出てきた。これまでの人生で選挙活動してる人にありがとうって言ったことないよ。きっとどっちもいい候補者さんなんだなと思った。
その数日後ぐらいが選挙日だった。テレビをつけたら選挙速報で中継をしていたので図らずともその選挙結果も見守った。
遠い未来、初めてフィンランド行ったのはいつですか?と言われたら「ストゥブ氏の大統領選挙の時です」って言おう!っなんてことを考えたりなどした。

どちらもとても支持されている様子だった。
図らずして選挙の行方を見守る。本当に拮抗していた。1票の重さよ。


ふと韓国の最初の留学の時に行われていた韓国の大統領選を思い出した。繁華街で歌やダンスにお祭りっぽい選挙活動を見た。候補者のボードに7〜8人ぐらいのポスターが貼られていて、2、3人が立派な袈裟っぽい衣装だった(といっても胸元までの写真なので詳しい格好は不明)ので韓国の政治は宗教色があるんだなぁなんて思っていた。テレビが寮に1つだし、パソコンも使うのに並ぶ必要があったのでそれ以上の情報は得られなかったけど、そんな状態でも大統領の選挙というのが強く印象に残っている。20年以上も前の話。


2月に行くべき理由の1つにおそらくスウィーツがある。
フィンランドの季節のお菓子たち。自分がフィンランドの四季全部行きたいと思うのは季節のスイーツを制覇したいという目標もあるからだ。冬は以下のようにクリアしたつもりだ。

①ルーネベリタルト!
偉大なる詩人ルーネベリ氏の生誕日である2月5日の前後で食べられるスイーツ。2月半ばぐらいまでは販売されているのを目視。

なんか縦長なのを上手いアングルで撮れなかった。

②Laskiaispulla!ラスキアイスプッラ!ラスキアイスプッラ!
1月ぐらいからイースターぐらいまで食べられるらしい。クリーム好きにはたまらないスウィーツだと思う。スウェーデン語の「セムラ」に比べると名前が長いが、5回ぐらい唱えれば覚えられる。

ラスキアイスプッラ!ラスキアイスプッラ!ラスキアイスプッラ!

①②を食べたくて食べたくて、食べれなかったらどうしようとか思いながらフィンランドへ行って食べてみたが、結局一番美味しいと思ったのはシナモンロールだった。(もちろん季節のスウィーツ2つもとても美味しかった)

北欧と言えばシナモンロール!みたいな印象がある通り、当たり前に作られ過ぎていて人々の技術が極めて高いんだろうなと思った。日本でいうとおにぎりみたいなものかな。みんな当たり前に作れるから技術、味の最低レベルがそもそも高い感じ。スーパー閉店間際の売れ残りのような感じでも、どんなに冴えない感じのお店で買っても普通に美味しかった。
今度は専門店みたいなところで食べてみよう。最上級のシナモンロールを焼き立てで。


フィンランドで一番見たいものが雪景色だった。
雪景色の中でも雪原。永遠に見渡せるような雪原。

それでオススメされたサーリセルカ行きのチケットを取ったのだ。初めて行く北極圏はどんな感じなんだろうか。ワクワクしながら行った。

サクッと結論から言うとサーリセルカはとてもよかった。想像通り、いやそれ以上の雄大な景色としての雪原が見れてとても満足できた。

“大海原を見た時”、”砂漠を見た時”、”地平線を見た時”、
と同列に並べられるだろう。“雪原を見た時”。

人間が圧倒的な物量の自然を目の前にした時にしか摂取できない栄養素があると思った。

イヴァロ空港、マイナス14度。真冬のソウルよりは少し寒い。
空港からサーリセルカへの一本道。綺麗に除雪されていた。パノラマで撮りたい景色。
木々。蒸気の影響か葉っぱに霜がまとわりついている。見渡す限りの無限クリスマスツリー。
日の出は9時前ぐらい。大地を包む地平線からの柔らかい光。
こちらは夕方。ずっと晴れていたのでダイアモンドダストもちゃんと見れた。
アクティビティ無しなので店前に置かれている剥製さんでラップランド気分を味わう。
剥製さんでラップランドを満喫、その2。山の頂上のレストランにて。
サーモンスープ。濃厚。食への満足度が旅の満足度を左右するといっても過言ではない!

北緯68度のサーリセルカに一週間ほど滞在した。
一週間滞在して何かしたわけではなく、本当に何もしなかった。強いて言うなら一度だけ山の頂上のレストランで景色を楽しみつつ食事はした。オーロラを積極的に見に行くわけでもない。2日にいっぺんぐらい運動を兼ねてスーパーマーケットに行ったぐらい。ほぼ1日じゅうをぼーっとして過ごした。

朝ゆっくりめに起きて、朝ごはんを準備して昼まで本を読んだりしてスーパーへ行ったり部屋のベランダに積もった雪で遊んだりして夕方になったら夕飯を作って食べ、寝る2〜3時間前にサウナに入ったりして過ごした。

なぜだか幸福度は高かった。北欧だからか。普段家でもだいたいこんな感じで過ごしているつもりだけど、サーリセルカでの引きこもり生活はなぜか楽しかった。もしかしたら合間合間に窓から見る景色が良かったからかもしれない。部屋からは少し地平線が見え、大きな木がそびえ立っているのも見えた。雪が降ったり、日の出や空の色の変化がよく見えた。夜は夜で真っ暗の空に星がよく見えた。普段日本の家では空を見ても霞んだ薄紫っぽい空に星はよく見えない。圧倒的物量の自然に囲まれていた。

気になったのは宿に注意書きが多かったことだ。取説の束みたいなでっかいファイルがドカンと置いてあって、これをよく参照して過ごすように!みたいな雰囲気だった。
水を出しすぎるなとか、電気を点けるのは最小限にとか、ゴミの出し方とか家族の小言のような感じだったが、肝心のメインの暖房の付け方が分からなかったり、サウナストーブの使い方が分からないという時には全然役に立たなかった。一部の部屋で暖房の効きが悪かったので結局管理人に来てもらって聞いたらメインの暖房に見えたのは壊れているので飾りだと言われたり、効きが悪かった暖房は管理不足によるものだったので、結局取説の束のファイルは鉄アレイ代わりにしかならなかった。


雪国に行ってやってみたいことがあった。
1つ目はタオルぶんぶん。濡らしたタオルを外でぐるぐる回したり、濡らしたまま一晩外に放置したりした。想像通り凍ってカチカチになって面白かった。
2つ目はマイナス30度ぐらいでお湯をぶちまけて一瞬で氷にするということ。でもこれは気温が足らなくて出来なかった。滞在中にサーリセルカはマイナス20以下になることはなかったので。
3つ目は長生きの雪だるまを作る。溶け出すことがないマイナスの世界なら可能だろう。そう思って日本で買ってきた動物型で宿のベランダに作った。滞在中はずっと溶けずにいた。チェックアウト後に宿の人に撤去されるかもしれないけど、どうか春まで元気でいてくれと願をかけて宿を後にした。だがその後の消息を知るものはいない…。
大人になってこんな無邪気な雪遊びも悪くないと思った。


さて次はいつ行こう。夏至は過ぎた。秋の紅葉でも見に行こうか。
「紅葉」という単語は日本語とフィンランド語特有なものらしい。
冬の季節に次ぐ個性的な景色の予感がしてきた。楽しみだ。

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