B型肝炎について。その②。

今朝は雨のせいかやや涼しかったのですが、
昼から26度まで気温が上昇するそうです。

最近の話題といえば、
「太陽フレア」が、
かなり強くなっていたようです。

”今回の太陽フレアは「Xクラス」と呼ばれる最も強い分類で「X8.7」を観測。先の週末にかけて磁気嵐を引き起こし、世界各地でオーロラを発生させた太陽フレアと同じ場所から放出された。この磁気嵐は2003年以来で最も激しかった。無線や電力網、通信に影響を及ぼし、高周波無線信号が途絶えることもある。” (CNN.co.jpより。)

5/13朝に関東で大規模停電がありました。
「瞬時電圧低下」の為とのことですが、
太陽フレアと関連あったのでしょうか?


前回に引き続き、
なんとなく肝臓疾患シリーズです。
Mayo Clinicより
Hepatitis B

2回でまとめようとすると、
量が多くなってしまいました。
適当に読み飛ばしてください。

診断方法

皮膚が黄色くなったり、お腹が痛くなるなど、肝臓の障害の徴候がないかチェックします。B型肝炎やその合併症の診断に役立つ検査は、以下の通りです。
・血液検査。体内の B 型肝炎ウイルスの感染兆候を検出し、急性期か慢性期かを判断することができます。免疫の有無を調べることもできます。
肝臓の超音波検査 。一過性エラストグラフィと呼ばれる特殊な超音波検査によって、肝臓の損傷の度合いを調べることができます。
・肝生検。肝臓の損傷を調べるために、小さなサンプルを採取する検査を行う場合があります。皮膚から肝臓に細い針を刺し、組織のサンプルを採取します。

健康な人のB型肝炎の検査
以下のような場合、B型肝炎感染のスクリーニングについて相談を。
妊娠している
B型肝炎の人と同居している
多くの性的パートナーがいる
・B型肝炎の人とセックスをしたことがある。
男性と性行為をする男性
性感染症の既往歴がある
HIVまたはC型肝炎に感染している
肝酵素検査で原因不明の異常値を示したことがある。
腎臓の透析を受けている
臓器移植後等、免疫系を抑制する薬を服用している。
違法な注射薬を使用している
刑務所に入所している
アジア、太平洋諸島、アフリカ、東欧など、B型肝炎がよく見られる国で生まれた方
アジア、太平洋諸島、アフリカ、東ヨーロッパなど、B型肝炎が流行している地域の両親または養子がいる。
 


一般的には、
まずは血液検査とエコー検査です。

  • 肝炎ウイルスの検査項目は、日常的にオーダーしてないと忘れがちです。
    (検査や手術前にはHBs抗原やHBs抗体くらいしか測りません。)

  • 肝生検は肝線維化診断のゴールドスタンダードとされていますが、
    出血などのリスクもある侵襲的な検査です。

  • 超音波エラストグラフィによる非侵襲的肝線維化診断は、
    肝線維化を直接評価することができる様になり、
    肝生検に代わる非侵襲的肝線維化診断方法として、
    有用視されているそうです。

 肝炎ウイルス採血検査項目について補足 

  1. HBs抗原:陽性であればB型肝炎ウイルス(HBV)に感染している。次にHBe抗原とHBe抗体を調べる。

  2. HBs抗体:陽性であれば過去に感染し、その後、治癒したことを示す。 HBVワクチンを接種した場合にも陽性となる。いわゆる中和抗体といって、はしかの抗体と同じような感染を防ぐ役割。

  3. HBc抗体:陽性であればHBVに感染したことを示す。(HBVワクチン接種の場合は陽性にはならない。)

  4. HBc-IgM抗体:最近HBVに感染したことを示す。IgM HBc抗体の測定は急性肝炎の早期の診断に用いる。

  5. HBe抗原:陽性であれば一般にHBVの増殖力が強いことを示す。HBe抗原陰性かつHBe抗体陽性の場合は、HBVの増殖は弱く、肝炎は鎮静化し、他の人への感染の可能性が低いことが多いと考えられる。

  6. HBe抗体:陽性であれば一般にHBVの増殖力が低下していることを示す。HBe抗原陽性かつHBe抗体陰性の場合は、HBVの増殖力が強く、他の人への感染の可能性が高いと考えられます。

  7. HBVーDNA:HBVのウイルス量を具体的に数値化したものがHBV-DNAであり、特にインターフェロン(IFN)療法や抗ウイルス薬(核酸アナログ)を使用した治療効果を見るときに有用。


治療について
・曝露後のB型肝炎感染予防のための治療法
B型肝炎ウイルスに感染したことがあり、予防接種を受けたかどうかわからない場合は、すぐに医療機関に連絡してください。この治療法は短期的な予防にしかならないので、B型肝炎ワクチンを接種していない場合は、同時に接種してください。
・B型肝炎の急性感染症に対する治療
もし、医師があなたのB型肝炎感染が急性であると判断した場合、それ自体で治まると判断した場合は、治療を必要としないかもしれません。その代わり、体が感染と戦っている間、安静と適切な栄養、十分な水分補給を勧めるかもしれません。重症の場合は、合併症を防ぐために抗ウイルス剤の投与や入院が必要になります。
・B型慢性肝炎の治療
B型慢性肝炎と診断された人のほとんどは、治療が必要です。治療により、肝臓疾患のリスクを減らし、他の人に感染が移るのを防ぐことができます。B型慢性肝炎の治療には、以下のようなものがあります。
①抗ウイルス薬:エンテカビル(バラクルード)、テノホビル(ビリアード)、ラミブジン(エピビル)、アデホビル(ヘプセラ)、テルビブジン(タイゼカ)などのいくつかの抗ウイルス薬は、ウイルスと戦い、肝臓を損傷する能力を遅らせるのに役立ちます。これらの薬は、口から服用します。
②インターフェロン注射:インターフェロン アルファ-2b(イントロンA)は、感染と戦うために体内で生成される物質を人工的に作り出したものです。主に、長期の治療を避けたい若いB型肝炎患者や、有限の治療課程を終えた後、数年以内に妊娠を希望する可能性のある女性に使用されます。インターフェロンは、妊娠中には使用しないでください。副作用として、吐き気、嘔吐、呼吸困難、抑うつなどが起こることがあります。
③肝移植:肝臓が深刻なダメージを受けた場合、肝移植が選択肢となる場合があります。肝移植では、損傷した肝臓を切除し、健康な肝臓と置き換えます。移植される肝臓のほとんどは、死亡したドナーからのものですが、少数ながら、自分の肝臓の一部を提供する生体ドナーからのものもあります。
 


B型慢性肝炎の治療です。
インターフェロン(IFN)、核酸アナログ(抗ウイルス剤)があります。
IFNは投与期間が限定的ですが、副作用が多め。
核酸アナログは副作用が少ないが、HBs抗原陰性化せずずっと飲む必要があり。
IFN後、効果を見ながら、核酸アナログ治療を行うこともあるそうです。



インターフェロン
・IFN療法が奏効すればIFN投与を中止してからも、そのままHBVは増殖せず肝炎は鎮静化します。しかしIFNの効果が不十分でHBe抗原が陰性化しない症例、IFNを中止するとHBVが再度増えて肝炎が再燃する症例も多く、IFN療法の奏効率は30~40%と言われています。 
IFN療法の副作用は、開始当初にインフルエンザにかかったときのような38度を超える発熱・全身倦怠感・関節痛・筋肉痛が最もよく認められます。ただしこれらの副作用はIFNを継続して投与していくと徐々に落ち着き、数週後には多くの患者さんでは出現しなくなります。
また白血球、血小板、まれに赤血球の低下が起こります。これはIFNが血球を作る骨髄の働きを抑えるためです。糖尿病の患者さん、また膠原病の患者さんは、症状が増悪することがあります。
間質性肺炎、うつ病などが起こった場合も中止する必要があります。

・従来のIFN製剤は作用の持続性が短く、連日または週3回の投与によって行われていました。
・ペグIFN(PEG-IFN)は、IFNにペグ(PEG:ポリエチレングリコール)という物質を結合させ、注射後のIFNの吸収・分解を遅らせることで持続性を担保し、週1回の投与が可能になっています。(ペガシス、ペグイントロン)

核酸アナログ
直接ウイルスに作用してHBVの増殖を抑えて肝炎を鎮静化させます。薬に対する耐性ウイルスがいなければ、薬が効いている間はHBVのウイルス量は低下し、肝炎は起きなくなってきます。IFNと異なり、薬を中止すると多くの症例で肝炎は再燃します。一旦内服を開始してから患者さん自身の判断で核酸アナログ製剤を自己中止しますと、時に肝炎の急性増悪を起こし、 最悪の場合肝不全で死に至る場合があります。絶対に核酸アナログ製剤を自己中止してはいけません。
核酸アナログ製剤のもう一つの問題点は、薬剤耐性株(変異株)と呼ばれる核酸アナログ製剤が効かないHBVが出現することです。最新の核酸アナログ製剤は、薬剤耐性株の出現頻度が非常に低く、また以前の核酸アナログ製剤で耐性株が出現した場合にはもう1種類の核酸アナログ製剤を併用すれば耐性株を抑えることができることがわかり、比較的安全に核酸アナログ製剤が使用できるようになりました。

日本ではラミブジン(ゼフィックス)、アデホビル(ヘプセラ)、エンテカビル(バラクルード)、テノホビル(テノゼット)の4種類の製剤が使用されています。


生活習慣と家庭での対策
B型肝炎に感染してしまったら、他の人をウイルスから守るための対策をとりましょう。
セックスをより安全にする。性的に活発な人は、パートナーにHBVであることを伝え、パートナーに感染させるリスクについて話しましょう。性行為のたびに新しいラテックス製コンドームを使用しますが、コンドームによってリスクは軽減されますが、ゼロにはならないことを覚えておいてください。
性的パートナーに検査を受けるように言う。性行為をした相手は、誰でもウイルス検査を受ける必要があります。あなたのパートナーも、他の人に感染させないために、自分のHBVの状態を知っておく必要があります。
・身の回りのものを共有しない。点滴薬を使用している場合、針や注射器は絶対に共用しないでください。また、カミソリの刃や歯ブラシは、感染した血液の痕跡が残っている可能性があるので、共有しないようにしましょう。
 


B型肝炎ウイルスは感染力が強いとされています。
最も感染しやすい状態の、
HBe抗原陽性の患者さんからの針刺しで22~31%、
陰性の患者さんからで1~2%であり、
他に同様な経路で感染するウイルスと比較すると、
HIV(エイズウイルス)0.3%、
C型肝炎ウイルス1.8%とのことです。

私も当直明けの寝不足状態で
何回か指に針を刺した記憶が・・・


・対処とサポート
B型肝炎に感染していると診断された場合、次のような対処法があります。B型肝炎について学ぶことから始めるとよいでしょう。
・友人や家族とのつながりを保つ。B型肝炎は、カジュアルな接触では感染しないので、サポートしてくれる人たちとの関係を断ち切らないようにしましょう。
・自分自身を大切にする。野菜や果物を多く含む健康的な食事をし、定期的に運動し、十分な睡眠をとる。
・肝臓をいたわる。医師に相談せずにアルコールを飲んだり、処方箋や市販の薬を飲んだりしない。A型肝炎とC型肝炎の検査を受け、感染していない場合はA型肝炎の予防接種を受ける。


一人で悩まないように。
健康的な食事、睡眠、運動、禁酒など守りましょう。


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