コロナワクチンと不正性器出血

本日の天気予報は、３０℃超えのようですが、
来週以降はさすがに、そこまで上がることはなさそうです。

今回は、
Nature　Newsの記事の紹介です。

COVID vaccines linked to unexpected vaginal bleeding.

Nature. 25 September 2023.

閉経後の女性や避妊薬を服用している女性など、月経のない女性は、COVID-19ワクチン接種後に予期せぬ膣出血を経験する可能性が、ワクチン接種前に比べて数倍高いことが研究によって明らかになった。
COVID-19の接種が世界的に展開されたとき、多くの女性がワクチン接種後すぐに、通常よりも重い月経出血を報告した。オスロにあるノルウェー公衆衛生研究所の研究著者Kristine Blix氏は、特に避妊薬を服用している女性や閉経した女性など、普段生理のない女性について、この傾向を系統的に調べたいと考えた。研究成果は『Science Advances』に掲載された。

研究チームは、原因不明の出血の理由については調査していないが、ワクチンに使用されているSARS-CoV-2スパイク蛋白質との関連を示唆している。一般に、COVID-19ワクチンは安全で有効であることが確認されている。
Blix博士らは、ノルウェー母子コホート研究という現在進行中の集団健康調査を利用した。「パンデミックの初期からすでに、パンデミックの影響をモニターするために、コホート参加者に隔週でアンケートを実施していました」とブリックスは言う。2021年に送付されたCOVID-19ワクチン接種を対象とした最初のアンケートでは、月経時の出血量が多かったと自由記述欄に記入した女性がいた。「このため、構造化された方法で出血パターンを尋ねることになりました」と彼女は言う。

ちょいちょい、この手の話は、ネットニュースで流れてましたけど、
そんなことあるわけないと、一蹴されておりました。

ワクチン関連心筋炎の記事も過去に触れましたが、
最近は、ちょくちょくでるようになりましたね。

ネットニュースだと信用性が低いと言われますが、
さすがにNatureに掲載されると、
「また反ワクか」では済まされないでしょう。

一方、厚労省は、
「mRNAワクチンが直接的に不正性器出血（不正出血）や月経不順を起こすことはありません。」と明言しております。

ちなみに、
「不正性器出血」は、
ホルモンの異常や様々な病気により月経以外に性器から出血することです。

原因として、
①炎症、②ホルモン異常、③良性腫瘍、④子宮膣部びらん、
⑤悪性腫瘍、⑥妊娠関連　等があげられます。　
（日本産科婦人科学会より）

高齢者では、萎縮性膣炎が多いそうですが、
子宮体癌等の悪性腫瘍もチェックが必要となります。

広範な影響
研究チームは、閉経後、更年期、月経のない閉経前の女性から得た21,000件以上の回答を調べた。
その結果は驚くべきものであったとブリックスは言う。閉経後の女性252人、閉経前後の女性1,008人、閉経前の女性924人が予期せぬ膣からの出血を経験したと報告したのである。
このうち、各グループの約半数が、1回目または2回目のワクチン接種後4週間、あるいはその両方に出血があったと答えている。閉経前および閉経前後の女性は、ワクチン接種後の1ヵ月に予期せぬ出血を報告することが最も多く、そのリスクはワクチン接種前の3〜5倍であった。閉経後の女性のリスクは2〜3倍に増加した。
ノルウェーでは、Moderna社製とPfizer-BioNTech社製のmRNAワクチンと、AstraZeneca社製を含む他のワクチンが使用された。2022年10月、欧州医薬品庁はmRNAワクチンの副作用情報を更新し、月経多量出血を含めるようにした。

接種により、リスクが3-5倍になるそうです。
介護施設や療養型病院に入所しているような高齢者だと、
精密検査も難しいでしょうから、
原因不明とされることもあるかと思います。

閉経後の予期せぬ出血は、通常、医学的に重篤と考えられ、子宮内膜癌や前癌病変を含む疾患の初期徴候である可能性がある。ワクチン接種後の出血の原因は明らかではないが、予防注射の副作用として知られているものであれば、医師は患者の状態を評価する際にこれを考慮に入れることができる。「閉経後の出血はしばしば非常に憂慮されるものであり、癌の徴候である可能性があります。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の生物人類学者ケイト・クランシー氏は言う。
クランシー氏のグループは、COVID-19ワクチン接種後の月経出血の変化を示す独自の調査結果を発表している。クランシー氏によれば、この結果は彼女のチームの知見と一致しており、患者や臨床医に情報を提供するのに役立つという。

ワクチンと性器出血の、
関連（原因）がわかれば興味深いですけど。
今後、ぼちぼちこのような記事は増えてくるかと思われます。