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絵本『このあとどうしちゃおう』

はい、ヨシタケシンスケさんのファンです。娘も、そして私も。

ヨシタケシンスケさんとの出会いは、娘が通っているプレスクールの先生からのおすすめにて。まだ幼稚園の頃、「なんで?」が止まらない娘に困っていた妻が先生に相談した時に『ふまんがあります』を紹介してもらった。子供もこれを読んで、「これうそばっかりじゃーん」とかいいながらも楽しく読んでいた。

そんな感じで、我が家では子どもが抱える些細な疑問は、ヨシタケシンスケさんにきいてみるようになった。

今日のタイトルにある絵本のテーマはズバリ死後の世界。おじいちゃんが他界。そのおじいちゃんの部屋を片付けていたら、「このあとどうしちゃおう」と書かれたノートを発見。そこにはおじいちゃんが考えた死後の世界が面白おかしく書いてある。それに触れて孫である主人公は、おじいちゃんは死ぬことが怖かったのか怖くなかったのかを想像する、といった内容。

この絵本に触れて、私はウチの娘を羨ましく思う。なぜなら子どもの時代に、死んだ後ってどうなってしまうんだろう、という空想の仕方を知ることができたから。

私は小学校低学年くらいの頃に死ぬことについて考える時期があった。よる寝る前にふと、目を瞑って寝て次の朝目が覚めずにそのまま死んでしまったらどうしよう、と想像してしまう。そうすると空っぽになる自分が怖くなってよく泣いていた、ように記憶する。だから、この絵本を学校から借りてきて読んでくれた娘に対して、羨ましいなという感想を伝えた。

そんな話をしていたら、妻も「実は私も子どもの頃、死ぬのが怖くて泣いていた思い出あるよ」と話題は膨らむ。

妻には妹がいて、まだ妹が赤ちゃんのころ、家が火事になったら妹は自分で逃げられないから死んじゃう、と思って泣いていたらしい。しかし、妻はそこで終わらずにリュックに逃げる時に持っていくものを準備して、火事があったら妹の所に一目散に駆けつける、というシミュレーションをしていた、とのこと。これは面白いエピソードだった。

この絵本から子どもの頃のエピソードが飛び出してきて、家族でちょっとした読書会になった。楽しいひとときだ。

私はどんどん話したいことが膨らんでいき、
「ねえ、知ってる?ヨーロッパではメメント・モリっていう言葉があってね…」
と続けていたら、

娘「気にしないこと。それがいい。気にするから怖くなる。だから気にしなければいいんだよ。」

とバッサリ。ああ、ちゃんとした意見を持っていて関心していたのも束の間、

娘「ってか、もういいから。」

といってテレビの方へ去っていった。

話が長い、説教くさいオジサンのダメなところにも気づかせてもらう。うーん、やはり学びの多い絵本だったな。

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