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本が好き、その想いだけで書く文章たち。
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2022年9月の記事一覧

私の人生を変えた一冊

今でこそ、息をするように読書をする私だが、生まれた時からそうだったわけではない。 実は幼少期、私はそれほど読書が好きではなかった。好きではなかったというより、特段興味を抱かなかった。ゲームやテレビ番組、漫画本など、読書よりも魅力的に思える娯楽があまりに多かった。 私が本格的に本を読み出したのは、大学生になってからだ。「趣味は読書です」と言えるくらいに本を読むようになったのは、この頃だ。 大学1年生で読書の世界に足を踏み入れて以来、私は常に積読を数十冊以上抱える債務者とな

【ジュンク堂池袋本店】1万円分本を買ってみた

8月某日。夏休み期間中のある日のこと。私は池袋のジュンク堂本店に足を踏み入れた。 私の心中は、溢れんばかりの感情で渦巻いていた。並々ならぬ覚悟があった。 何せ私は、これからこの場所で、1万円分本を買うのだから。 これは夢の行事である。 夏休みということで、普段はなかなかできないことがしたいと思い、それなら新刊書店で思いきり本を買おうと考えた。 1万円という予算を(一応)設け、日頃の鬱憤を晴らすように、脇目も振らず本を買った。以前から気になっていた本はもちろん、書店を

【2022年版】新潮文庫の100冊について語る

本好きの夏の風物詩。私にとって夏の訪れは、「夏の文庫フェア」によって告げられる。 「今日も、読書。」を読んでくださる本好きの皆さんには、夏の文庫フェアについて、説明は不要だろう。いつもの書店が夏一色に染まる、あの「お祭り」のことである。 角川文庫の「カドブン」、新潮文庫の「新潮文庫の100冊」、そして集英社文庫の「ナツイチ」。書店に夏の文庫フェアの特設コーナーが並ぶと、心が浮き立ち、今年も夏が来たかと感慨に浸りつつ、冊子を持ち帰るまでが一連の流れである。 カドブン=緑、