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本が好き、その想いだけで書く文章たち。
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2021年10月の記事一覧

本棚見ながら、語るだけvol.2

——さて、今回も始まりました「本棚見ながら、語るだけ」。むささびさん、よろしくお願いします。 よろしくお願いします。 ——本日も、ご自宅の本棚をお見せいただきたいと思います。 はい。 前回は、新潮文庫の本棚をご紹介させていただきましたが、今回は創元推理文庫と角川文庫の本棚をご紹介します。 ——楽しみです。それでは早速、よろしくお願いします。 創元推理文庫①東京創元社の創元推理文庫ですが、こうして本棚に並べたときの、背表紙の統一感が素晴らしいですよね。 ——たしかに

『『罪と罰』を読まない』——ひとり読書会、開催。

みなさん、こんにちは。 むささびです。 今回は、ここ最近で一番「流れ」を楽しんだ読書について。 ここでいう読書の「流れ」というのは、「どういう順番で本を読むか」ということです。 皆さんは普段、本を読む順番を意識されていますか? 私は正直、全然意識していません。 今読んでいる本が読み終わったら(あるいは読み終わらないうちに)、積読コーナーから目についた本を引っ張り出して、次の本を読み始めます。 積読コーナーには、これから読みたい本がジャンル・著者などを問わず雑然と

不可逆の歴史のうねり、中東の地で|今月のむささび選書

みなさん、こんにちは。 むささびです。 9月も、たくさんの素敵な作品と出会いました。 今回はその中でも、特に印象に残った作品たちをご紹介します。 ■恐ろしくも味わい深い余韻、余韻、余韻。 まずは、北山猛邦さんの『さかさま少女のためのピアノソナタ』です。 『「クロック城」殺人事件』から始まる新本格の流れを汲んだミステリや、「ダンガンロンパ霧切」のノベライズなどで知られる、北山猛邦さん。 本作は、そんな北山さんによるミステリ短編集。 あらすじにもあるように、物語の謎