障がい者手帳があれば利用できるサービス その5 各種料金編
身体障がい者手帳や療育手帳(東京都の愛の手帳)、精神障がい者保険福祉手帳の障がい者手帳を持っていると、いろいろな福祉制度を利用できることは知っていますか。
自治体によって利用できる福祉制度やその対象は異なる場合もありますが、障害者手帳があれば税の減免や、交通、施設などの割引や免除受けることができます。
今回は各種料金の減免などをまとめて紹介していきます(最後に他の福祉制度について紹介した記事を掲載しています)。
1 郵便料金
①点字郵便
点字の文書のみを内容とする場合は、重量3kgまで料金が無料となります。郵便物の表面左上(横に長いものは表面右上)、通常切手を貼る位置に「点字用郵便」と明瞭に記載し、また封書の場合は、点字のみの文であることが確認できるように封の一部を開けておく必要があります。
(画像は東京都盲人福祉協会 パイオニアより)
点字用郵便のゴム印も販売されています
(画像は日本点字図書館わくわく用具ショップより)
*ハガキの場合は、宛名以外の内容が点字であれば大丈夫です。
(画像は楽天ブログmisty247より)
*郵便局では、視覚障がいの方が宛名の位置を確認できるくぼみ入りハガキを販売しています。
(画像は闘う嫁のマナーノートより)
*3キログラムを超える場合は、点字ゆうパック扱いになります。
②点字ゆうパック
点字の文書や書籍で、重量3kg以上30kg以下で、長さ・幅・厚さの合計が1.7m以内なら点字ゆうパックが利用でき、割引料金が適用されます。
(画像は郵便局より)
点字郵便同様、袋の一部を開ける、箱の一部を透明にするなど中身が確認できる状態で、「点字ゆうパック(または点字小包)」と記載するか、箱を開けた状態で郵便局に持ち込むなどしてください。
③聴覚障がい者用ゆうパック
聴覚障がい者が、聴覚障がい者用ビデオテープやDVDを聴覚障がい者施設との間で利用する場合は聴覚障がい者用ゆうパックが利用でき、割引料金が適用されます。
重量や大きさの条件は点字ゆうパックと同じです。
封筒や箱に「聴覚障がい者用ゆうパック(または聴覚障がい者用小包)」と記載してください。
④心身障がい者用ゆうメール
障がいのある方が図書館と図書の閲覧のために利用でき、割引料金が適用されます。
封筒や箱に「図書館用ゆうメール」と記載してください。
(画像は郵便局より)
⑤特定録音物等郵便物
盲人用に製作された録音物または点字用紙などを点字図書館や視覚障がい者施設との間で利用する場合は、重量3kg以内なら特定録音物等郵便物となり、料金が無料になります。
*点訳・音訳ボランティアの方も利用できますが、ボランティア同士が利用することはできません(対象施設とのやり取りに限る)。
点字図書郵送袋や録音図書郵送袋などが販売されています。
(画像は日本点字図書館わくわく用具ショップより)
(画像は日本点字図書館わくわく用具ショップより)
⑥ 第三種郵便物
1回の発行部数が500部以上のもので1回の発行部数にしめる有料購読部数が80%以上の定期刊行物で 日本郵便株式会社の承認を受けたもの。なお、心身障がい者団体が心身障がい者の福祉を図ることを目的として発行する定期刊行物を内容とするもので発行人から差し出されるものは心身障がい者用低料第三種郵便物として取り扱われます。
*ダイレクトメールなどは利用できません(以前不正利用があり、現在は再発防止に取り組まれています)。
⑦青い鳥郵便葉書の無償配布
身体障がい者手帳1・2級の方、療育手帳A(愛の手帳1・2級)の方を対象に毎年4月1日から5月31日の期間にお近くの郵便窓口へ行くか郵送すると、一人につき通常郵便葉書(無地か胡蝶蘭を選択できる、くぼみ入りはがきも可)20枚が貰えます。
(日本郵政グループより)
2 NHK放送受信料
身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けた方または知的障がい者と判定を受けた方がいる世帯で、世帯全員が市民税非課税である世帯は受信料が全額免除されます。
また、世帯主が、身体障がい者手帳の交付を受けた視覚障がい者・聴覚障がい者または身体障がい者手帳(1・2 級)・精神障がい者保健福祉手帳(1 級)の交付を受けた方または重度の知的障がい者と判定を受けた方であるときは受信料が半額になります。
*詳細はNHK受信料の窓口で確認してください。
3 電話番号案内料金
身体障がい者手帳(視覚障がい1〜6 級、肢体不自由(上肢・体幹・乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障がい)1・2 級の方)または療育手帳または精神障がい者保健福祉手帳所持者で、希望される方は、事前登録することにより、NTTの電話番号案内(ふれあい案内)の料金が免除になります。
ふれあい案内の利用については、NTT西日本やNTT東日本及びNTTの104を利用できる通信業者の回線(携帯電話を含む)から、104 をダイヤルした場合が対象となります。
*詳細は以下のNTT西日本連絡先へ問い合わせてください。
電話番号:0120-104174
受付時間:9:00~17:00(土曜・日曜・祝日および年末年始を除く)
またKDDIエボルバ スマイル案内も同様に無料で利用できます。
*詳細はKDDIエボルバのホームページで確認してください。
4 携帯電話料金
身体障害者手帳(療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)を所持していれば、大手3社(docomo・au・softbank)などでスマホ・携帯電話の割引サービスを受けることができます。
① docomo「ハーティ割引」
(画像はdocomoより)
障がい者手帳を所持している方は、ドコモショップやiモード(ドコモオンライン手続き)、電話(ドコモ携帯電話から151)でハーティ割引を申し込むことができます。
基本プラン(カケホーダイ&パケあえる)の対象プラン基本使用料が1,700円割引になり、さらにFOMA料金プラン、Xi料金プランもハーティ割引対象プランの基本使用料も割引になります。
また「spモード」や留守番電話などの月額使用料が60%割引、「新規契約」「名義変更」「機種変更」「契約変更」の各種手続きの手数料が無料、スマホやタブレットの初期設定をドコモショップスタッフがサポートする、「初期設定サポート」が無料、電話番号案内「104」への通話料・番号案内料が無料などの特典もあります。
*詳細はドコモホームページで確認ください。*ハーティ割引で契約した場合、定期契約プランやdカードお支払割、定額データ割などは申込みできません。
*ドコモ割、ドコモ光セット割は併用できるようです。
またdocomoには、音声ユーザーの視覚障がい者や高齢者の方が多く使われている、らくらくホンやらくらくスマホを販売されています。
(画像はNTTdocomoより)
② au「スマイルハート割引」
(画像はauより)
auではauショップでスマイルハート割引を申し込むことができます。
基本使用料が、スマホは370円割引、ケータイは1,700円割引、ジュニアケータイは1,000円割引になります。
また通話料がau電話か一般電話なら50%割引、他社携帯電話やPHSとなら20%割引になります。SMS(Cメール)送信料もau電話なら50%割引に、他社携帯電話やPHSとなら20%割引になります。
*詳細はauホームページで確認してください。
③ softbank「ハートフレンド割引」
(画像はsoftbankより)
softbankでは、ソフトバンクショップやネットショップでハートフレンド割引を申請できます。
基本的には、docomoやauと一緒で、スマ放題やスマ放題ライトに加入している場合、基本使用料が1,700円の割引になります。
また契約事務手数料や機種変更手数料など各種手数料が無料になり、留守番電話などオプションの使用料が60%割引になります。
*詳細はsoftbankホームページで確認してください。
ちなみにiPhoneのアクセシビリティ機能やAndroidのユーザー補助では、色の反転や文字サイズやフォントの変更、文字の読み上げなど障がいのある方が使いやすいようサポートする機能が予め入っています。
④ J:COM
(画像はJ:COMより)
身体障害者手帳の1級・2級、療育手帳の最重度・重度・中度、精神障害者保健福祉手帳の1級の方が本人か家族にいる場合に限られますが、ハートフルプラン(TV・NET・PHONEが50%割引)を利用することができます。
*詳細はJ:COMのホームページで確認してください。
⑤Y!mobile
ウィルコム定額プランが割引になるハートフルサポートがありましたが、現在は新規サービスを終了しています。
(Y!mobileより)
*契約中の方は継続して利用できるようです。
5 水道料金・下水道料金の減免
自治体によっては特定の障がい者手帳の等級と、特別障がい者手当(障がい児福祉手当や特別児童扶養手当)を受給などの要件を満たすと、水道料金・下水道料金の減額や免除を申請できます。
6 インターネット
① UQ WiMAX
UQ WiMAXでは、ハート割引という障がい者向けの料金プランがあり、UQ Flat ツープラスハート割(3,315円/月、ギガ放題は3,999円/月)などの料金プランを選択できます。
申し込みは電話(0120-959-001)またはホームページからになります。
*詳細はUQ WiMAXのホームページで確認してください。
*UQ mobileでの割引サービスはありません。
② J:COM
携帯電話同様、身体障害者手帳の1級・2級、療育手帳の最重度・重度・中度、精神障害者保健福祉手帳の1級の方が本人か家族にいる場合限定ですが、ハートフルプラン(TV・NET・PHONEが50%割引)を利用することができます。
③ ジャパンネットワークコミュニケーションズ
障がいのある方を対象にしたおすすめプランの割引があります。詳細はホームページには掲載されていませんでした。
*ジャパンネットワークコミュニケーションズのホームページはこちらです。
④リムネット
障がい者手帳があれば、入会金が無料になり、月額利用料が半額になります。
*詳細はリムネットのホームページで確認してください。
⑤ キャッツ・クラウド・セキュリティーSIMサービス
障がい者手帳を持っている方は障害者割が利用できるようですが、ホームページに詳細は掲載されていませんでした。
*キャッツ・クラウド・セキュリティーSIMサービスのホームページはこちらです。
7 生活協同組合(パルコープ)個人宅配手数料
いわゆる生協です。いくつかの家庭と一緒に配達をお願いされることも多いかと思いますが、曜日や時間が固定されるデメリットもあり、個人宅配を選択されることもあるかと思います。個人宅配なら玄関前まで届けてくれますし、留守でも大丈夫。でも手数料がかかります。
障がい者手帳があると、この個人宅配手数料が半額になります。
(画像は生活協同組合おおさかパルコープより)
8 趣味の会などの会費
①ニッコールクラブ
ニッコールクラブは、ニコンのカメラおよびニッコールレンズをご愛用の方の会です。手帳があれば年会費5,800円が1,600円に割引されます。
②キャノンフォトサークル
キャノンフォトサークルは、キャノンユーザーの写真サークルです。手帳があれば年会費5,500円が半額になります。
③ 日本エスペラント協会
エスペラントは、ポーランドの眼科医 ラザロ・ルドヴィコ・ザメンホフが1887年に創案した、中立公平で学びやすい国際共通語です。
日本エスペラント協会には障がい者割引があり、心身に障がいを持ち,状況を理事会へ申し出た方を対象に会費6,400円が半額になります。また視覚障がい者の方には、会誌『エスペラント』の抜粋の音声版が送付されるそうです。
④日本野鳥の会
日本野鳥の会では、手帳所持の場合、青い鳥会員・おおぞら会員の本部年会費5,000円が、4,000円に割引になります。
⑤日本スポーツウェルネス吹矢協会(旧日本スポーツ吹矢協会)
日本スポーツウェルネス吹矢協会では、手帳所持の場合、年会費3,000円が1,500円に割引になり、さらに家族割と併用すると1,000円まで割引かれます。
9 交通関係
こちらの記事に掲載しています。
10 施設関係
こちらの記事に掲載しています。
11 医療費関係
こちらの記事に掲載しています。
12 銀行・保険
①ニュー福祉定期貯金(ゆうちょ銀行)
障害基礎年金、遺族基礎年金などをお受け取りの方が預入できる期間1年の定期貯金です。
一般の1年ものの定期貯金の金利に一定の金利(0.1%)を上乗せした金利が適用されます。
*詳細はゆうちょ銀行ホームページで確認して方さい。
②振り込み手数料
りそな銀行では、手帳を提示すると、窓口での振り込み手数料がATM現金扱いの手数料に、さらにりそなグループのご本人名義のカードも提示すると、ATMカード扱いの手数料となります。
(画像はりそな銀行より)
③ペット保険
日本アニマル倶楽部では、契約者または契約者の家族が手帳を所持していると、福祉割引で料金が5%割引になります。
④自動車保険
AIG損保では、障がいのある方とその家族に対して、保険料を10%割引しています。
(画像は株式会社ジェイアイシーより)
まとめ
今回は障がい者手帳による各種料金の割引を紹介しました。調べてみると福祉の手引きなどに載っていないサービスなど新たな発見がありました。よければ活用してみてください。
参考にしたサイト
表紙の画像は一般財団法人メルディアより引用しました。