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『仮定法物語4』 仮定法現在篇

仮定法の時制を理解するための図

▼ 前置き

「仮定法過去」はこちら。
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▼本編

友「いよいよ仮定法の最後の学習項目、『仮定法現在』を学ぶ時が来た。」

僕「ついに終わるのか。感慨深いなあ。ところで、『仮定法現在』ってなに?」

友「簡単に言うと、ある文があるとするだろう?そして、その文の中に『that 節』がある。そして、その『that節』の中の動詞が『文全体の時制に囚われず、 いつも原形になる』文のことさ。」

僕「『that節』って『that』を使って、『主語や動詞がある文を名詞化したもの』で合ってる?」

友「ま、そうだな。『形容詞化』と『副詞化』にもできるけど、今回は関係ない。」

僕「なんか、例文はないのかい?」

友「じゃあ、このメモを見てくれ。」

----メモ1-----

1.
She requested that all her letters be redirected to her new address.
(彼女は手紙をすべて新しい住所に転送するように頼んだ。)

2.
She requested that he help her.
(彼女は彼に助けてくれるよう頼んだ。)

-----end-----

僕「あれ?1の文の『that節』の中の動詞は過去形にも複数形にもなっていないね。2も過去形になってないし、3単現のsもついていないよ。間違い?」

友「これでいいんだよ。動詞『request』の後の『that節』動詞はいつも原形なのさ。たとえ、『request』が過去形でも未来形でもね。こういう文を『仮定法現 在』と呼ぶのさ。「頼むこと」はまだ実現されていないから、仮定的にとらえ、 その結果、変な文になるんだって記憶しておけばいいよ。」

僕「へえ、そうなんだ。なんかわかりにくいし、気持ち悪いな。」

友「そうだな。だから、原形動詞の前に本当は『should』が隠れていて、それを 省略しているだけだ、って言う人もいるのさ。」

僕「その方が理屈に合ってるよね。」

友「イギリス英語話者は『should』を入れる人が多いね。次のメモを見て。」

-----メモ2-----
1.
She requested that all her letters should be redirected to her new address.
(彼女は手紙をすべて新しい住所に転送するように頼んだ。)

2.
She requested that he should help her.
(彼女は彼に助けてくれるよう頼んだ。)

-----end-----

僕「俺はこっちの方がいいなあ。」

友「俺も。でも、どっちも使うから、両方覚えてくれ。」

僕「ところで、『that節』をこんな気持ち悪い文にさせるのは『request』だけ?」

友「それがさあ、けっこうあるんだよ。今回はよく使いそうなものを10個ほど紹介するよ。」

-----メモ3-----

▼「要求」関連4個

(X) ask that (Y) [should] 原形動詞 ~.
((X)は(Y)は~すべきだ / するよう /しろと丁寧に頼む。)

(X) demand that (Y) [should] 原形動詞 ~.
((X)は(Y)は~すべきだ / するよう /しろと強く要求する。)

(X) request that (Y) [should] 原形動詞 ~.
((X)は(Y)は~すべきだ / するよう /しろと正式に頼む。)

(X) insist that (Y) [should] 原形動詞 ~.
((X)は(Y)は~すべきだ / するよう /しろと強く要求する。)

★「insist」の意味が「主張する・言い張る」の場合は普通の文法の規則に従って 「that節」の動詞を変化させる。

▼「提案」関連2個

(X) suggest that (Y) [should] 原形動詞 ~.
((X)は(Y)は~すべきだ / するよう /しろと提案する。)

★「suggest」の意味が「暗示する・示唆する」の場合は普通の文法の規則に従 って「that節」の動詞を変化させる。

(X) propose that (Y) [should] 原形動詞 ~.
((X)は(Y)は~すべきだ / するよう /しろと提案する。)

▼「命令」関連2個

(X) order that (Y) [should] 原形動詞 ~.
((X)は(Y)は~すべきだ / するよう /しろと命令する。)

(X) command that (Y) [should] 原形動詞 ~.
((X)は(Y)は~すべきだ / するよう /しろと命令する。)

▼ その他 3個
(X) recommend that (Y) [should] 原形動詞 ~.
((X)は(Y)は~すべきだ / するよう /しろと勧める。)

(X) desire that (Y) [should] 原形動詞 ~.
((X)は(Y)は~すべきだ / するよう /しろと望む。)

(X) advise that (Y) [should] 原形動詞 ~.
((X)は(Y)は~すべきだ / するよう /しろと忠告する。)

-----end-----

僕「ふんわりとだけど、『that節』の中の意味が日本語で『~するべきだ』とか『(義務的に)~するように』みたいな意味になるときは、原型を使えばいいみたいな感じだな。」

友「まあ、それでいいと思うよ。」

僕「『仮定法現在』はこれで終わり?」

友「もう二つあるけど、一つは簡単だから今日は飛ばすよ。もう一つについて次のメモを見てくれ。」

-----メモ4-----

1.
It is necessary that Mr. Tanaka try to understand.
(田中さんは理解しようと努力する必要がある。)

2.
It is imperative that he return to his county at once.
(彼が今すぐ帰国することが絶対必要だ。)

-----end-----

僕「あれ?1も2も『that節』の動詞が原形になってる!これも『仮定法現在』の 文?」

友「その通り。大事な内容を伝える時、必要とか、義務とか、重要とかを表す形容詞を使うよね。そういう形容詞を使う時も、『仮定法現在』の文になるのさ。 よく使いそうなものを7個、メモにまとめといたよ。」

-----メモ5-----

It it necessary that (X) [should] 原形動詞 ~.
((X)は~することが必要である。)

It it imperative that (X) [should] 原形動詞 ~.
((X)は~することが絶対必要である。)

It it essential that (X) [should] 原形動詞 ~.
((X)は~することが不可欠である / 絶対必要である。)

It it important that (X) [should] 原形動詞 ~.
((X)は~することが重要である。)

It it vital that (X) [should] 原形動詞 ~.
((X)は~することが極めて重要である / 不可欠である。)

It it compulsory that (X) [should] 原形動詞 ~.
((X)は~することが義務である。)

It it desirable that (X) [should] 原形動詞 ~.
((X)は~することが望ましい。)

----end-----

僕「これで『仮定法現在』は終わりかい?」

友「そうだな。今回は『"仮定の世界"製作所』の行く必要はなかったな。」

僕「そんな.......。受付嬢に会いたかったのに.....。」

<完>

後書き

取り敢えず、「仮定法」の基本、「仮定法過去」「仮定法過去完了」「仮定法未来」「仮定法現在」についての記事を書き終えることができました。

もう少し「仮定法」に関して書いておかなければならないことがあるので、また記事にしたいと思います。

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