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『仮定法物語3』 仮定法未来篇

仮定法の時制を理解するための図

▼ 前置き

「仮定法過去」はこちら。
「仮定法過去完了」はこちら。

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▼本編

僕「『仮定法未来』はいつ教えてくれるのさ?」

友「そろそろだな。じゃあ、今日は準備をしよう。いつも通りにまず雑記の作成からだな。」

僕「了解!ところでさ〜、『仮定法未来』ってなに?」

友「一言でいうと、『あり得ない未来の事柄を条件にして、それに対する判断・意見・感想を述べた英文』だな。」

僕「全然、一言ちゃうし。」

友「これでも精一杯短くしたんだけど....。まっ、兎に角『仮定法未来』を理解するには、英語話者の考え方を理解しないといけないな。」

僕「そうだな。英語ではこう考えるって意識しないと、永遠に日本語の考え方に囚われてしまうもんね。」

友「まずは次のメモの内容をしっかり理解してくれ。」

-----メモ1-----

英語話者は未来に関する事柄を条件にする時、以下の3つに分ける。

そして、その条件に対して判断・意見・感想を述べる。

1
未来にあり得ることを条件にあげる

例えば:
(もし、)明日雨が降ったら、[出かけない。]
(もし、)来週時間があったら、[海へ泳ぎに行く。]
(もし、)来年日本へ行ったら、[桜を見たい。]

▶︎「〜たら」が条件節で、「[〜]」が条件に対する判断・意見・感想(「帰結節」 という。)

2
未来にまずあり得ないが、あり得る可能性も残っていることを条件にあげる

例えば:
(万一、もし、)明日雨が降ったら、[遠足は中止です。]
(万一、もし、)君を失うことがあれば、[僕は生きていられない。]
(万一、もし、)更に情報が必要であれば、[ご連絡ください。]

「万一」の意味:めったにないが、ごくまれにあること(goo辞書)

3
未来にあり得るかどうかに関係なく、仮の話を条件にあげる

例えば:
(仮に、もし、)世界が終わるとしたら、[最後に親友と過ごす。]
(仮に、もし、)もし私が死んだら、[家族は悲しむかな。]
(仮に、もし、)村上春樹の本を読むとしたら、[どれを選ぶ?]

「仮に」の意味:仮定を表す。(goo辞書)

-----end-----

友「こんな感じかな。メモ1を元に、『仮定法過去』や『仮定法過去完了』を学ぶ時にお世話になった『"仮定の世界"製作所』の機械にかける雑記を作るぜ。」

僕「了解。」

友「雑記の英文は「if」をつける前段階の状態にしておくよ。」

-----機械にかける雑記-----

(省略)

1
未来にあり得ることを条件にあげる

例えば:
(もし、)明日雨が降ったら、[出かけない。]
It will rain tomorrow. → I will not go out.
(「if」は後でつける。)

(もし、)来週時間があったら、[海へ泳ぎに行く。]
I will have a time next week. → I will go swimming in the sea.
(「if」は後でつける。)

(もし、)来年日本へ行ったら、[桜を見たい。]
I will go to Japan next year. → I want to see cherry blossoms.
(「if」は後でつける。)

▶︎「〜たら」が条件で、「[~]」が条件に対する判断・意見・感想(「帰結節」と いう。)

2
未来にまずあり得ないが、あり得る可能性も残っていることを条件にあげる

例えば:
(万一、もし、)明日雨が降ったら、[遠足は中止です。]
It will rain tomorrow. → The picnic will be canceled.
(「if」は後でつける。)

(万一、もし、)君を失うことがあれば、[僕は生きていられない。]
I will lose you. → I cannot live.
(「if」は後でつける。)

(万一、もし、)更に情報が必要であれば、[ご連絡ください。]
You will need more information. → Please contact me.
(「if」は後でつける。)

「万一」の意味:めったにないが、ごくまれにあること(goo辞書)

3
未来にあり得るかどうかに関係なく、仮の話を条件にあげる


例えば:
(仮に、もし、)世界が終わるとしたら、[最後に親友と過ごす。]
The world will come to an end. → I will spend time with my best friend last.
(「if」は後でつける。)

(仮に、もし、)私が死んだら、[家族は悲しむかな。]
I will die. → Will my family be sad?
(「if」は後でつける。)

(仮に、もし、)(村上春樹の本を読むとしたら、[どれを選ぶ?]
You will read Haruki Murakami books. → Which will you choose?
(「if」は後でつける。)

「仮に」の意味:仮定を表す。(goo辞書)

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僕「未来を表すのに『be going to』もあるのに、どうして『will』ばっかり使うのさ?」

友「やな質問.....。長くなるぜ。覚悟せよ。じゃ、一気にいきます。
・・・・・
『be going to』はほとんどの場合、話し手の意識の中に、『前から思ってたけど、これからそれをしようと思う』というような『過去や現在への意識』みたい なもんが入ってるのさ。
・・・・・
でも、『will』は、『過去や現在への意識』みたいなものが一切なくて、『未来へ の意識』しか入っていない。過去や現在への意識を存在させず、未来にだけ意識 を向ける時、『will』を使うと言っても過言じゃないぜ。
・・・・・
兎に角、仮定の世界で未来のことを条件にする時、『過去や現在への意識』を含むと矛盾が生ずる。
・・・・・
なぜなら、あり得ない未来のことを仮定するということは、意識を完全に未来に向けるということだろう?それなのに『過去や現在への意識』が入っていたら、 おかしいだろ?
・・・・・
だから、『仮定法未来』の文を作る時は『will』を使って考えるのさ。」

僕「長いし、全くわからん。」

友「あ、じゃあ、『「仮定法未来」の文を作る時は「will」で考える』とだけ覚えといて。」

僕「了解。」

友「それじゃあ、雑記を持って、『"仮定の世界"製作所』へ出発!」

<『"仮定の世界"製作所』に到着。>

受付嬢「いらっしゃいませ。本日のご用件は?」

友「あ、はい。この雑記の英文の時制を『仮定法未来』の文になるように変換してほしいんですが。」

受付嬢「承知致しました。今回はプロセスが複雑ですので、少々お時間を頂きます。」

友「わかりました。」

<受付嬢が建物の奥に消えた。>

僕「ねえねえ、仮定法の文は時制を一つ前の過去にずらすだけじゃないの?」

友「基本はそうなんだけど、今回は未来が関わってるだけに、ちょっと複雑なんだよね。まあ、結果を見てから、説明するよ。」

僕は「了解。」

<しばらくして、受付嬢が再び現れた。>

受付嬢「出来上がりましたので、ご確認ください。星(★)の文が最終的な英文でございます。また余計な文は消しておきました。ポイントもございますので、是非 お読みください。」

友・僕「ありがとうございます。」

<僕らは『"仮定の世界"製作所』を出て、雑記を確認した。>

----出来上がった雑記-----

(省略)

1
未来にあり得ることを条件にあげる

例えば:
(もし、)明日雨が降ったら、[出かけない。]
It will rain tomorrow. → I will not go out.
(「if」は後でつける。)
It rains tomorrow + if → I will not / am not going to go out.
★ If it rains tomorrow, I will not / am not going to go out. ★

(ポイント:上記の英文は『直接法』に分類されます。
後ろの文の『will』は『be going to』に変えても構いません。また、こられを言わなくて大丈夫です。あなたの感じ方によります。)

(もし、)来週時間があったら、[海へ泳ぎに行く。]
I will have a time next week. → I will go swimming in the sea.
(「if」は後でつける。)
I have a time next week + if → I will / am going to go swimming in the sea.
★ If I have a time next week, I will / am going to go swimming in the sea. ★

(ポイント:上記の英文は『直接法』に分類されます。
後ろの文の『will』は『be going to』に変えても構いません。また、こられを言わなくて大丈夫です。あなたの感じ方によります。)

(もし、)来年日本へ行ったら、[桜を見たい。]
I will go to Japan next year. → I want to see cherry blossoms.
(「if」は後でつける。)
I go to Japan next year + if → I want to see cherry blossoms.
★ If I go to Japan next year, I want to see cherry blossoms. ★

(ポイント:上記の英文は『直接法』に分類されます。)

▶︎「〜たら」が条件で、「[〜]」が条件に対する判断・意見・感想(「帰結節」という。)

2
未来にまずあり得ないが、あり得る可能性も残っていることを条件にあげる

例えば:
(万一、もし、)明日雨が降ったら、[遠足は中止です。]
It will rain tomorrow. → The picnic will be canceled.
(「if」は後でつける。)
It should rain tomorrow + if → The picnic will / would be canceled.
★ If it should rain tomorrow, the picnic will / would be canceled. ★

(ポイント:上記の英文は『仮定法未来』に分類されます。

未来に実現の可能性の残る仮定の世界では『will』は『should』に変わります。『should』は『shall』の過去形です。

後ろの文の『will』は『will』のままでも『would』に変えても構いません。

この『should』を使う『仮定法未来』は100%の仮定の世界ではないので、自分の感じ方によってどちらも使えます。)

(万一、もし、)君を失うことがあれば、[僕は生きていられない。]
I will lose you. → I cannot live.
(「if」は後でつける。)
I should lose you + if → I cannot / could not live.
★ If I should lose you, I cannot / could not live. ★

(ポイント:上記の英文は『仮定法未来』に分類されます。

未来に実現の可能性の残る仮定の世界では『will』は『should』に変わります。 『should』は『shall』の過去形です。

後ろの文の『can』は『can』のままでも『could』に変えても構いません。

この『should』を使う『仮定法未来』は100%の仮定の世界ではないので、自分の感じ方によってどちらも使えます。)

(万一、もし、)更に情報が必要であれば、[ご連絡ください。]
You will need more information. → Please contact me.
(「if」は後程、異世界でつける。)
You should need more information + if → Please contact me.
★ If you should need more information, contact me. ★

(ポイント:上記の英文は『仮定法未来』に分類されます。 未来に実現の可能性の残る仮定の世界では『will』は『should』に変わります。

『should』は『shall』の過去形です。 後ろの文の『please』はあると押し付けがましく聞こえるので、普通は言いません。)

「万一」の意味:めったにないが、ごくまれにあること(goo辞書)

3
未来にあり得るかどうかに関係なく、仮の話を条件にあげる

例えば:
(仮に、もし、)世界が終わるとしたら、[最後に親友と過ごす。]
The world will come to an end. → I will spend time with my best friend last.
(「if」は後でつける。)
The world were to come to an end + if → I would spend time with my best fri end last.
★ If the world were to come to an end, I would spend time with my best friend last. ★

(ポイント:上記の英文は『仮定法未来』に分類されます。 100%仮定の世界では『will』は『were to』に変わります。

『were to』は『be to』の過去形です。『be to (do)』は『〜する予定である・〜すべきである』などの意味でよく使われます。

後ろの文の『will』は必ず『would』に変わります。100%仮定の世界だからです。)

(仮に、もし、)もし私が死んだら、[家族は悲しむかな。]
I will die. → Will my family be sad?
(「if」は後でつける。)
I were to die + if → Would my family be sad?
★ If I were to die, would my family be sad? ★

(ポイント:上記の英文は『仮定法未来』に分類されます。 100%仮定の世界では『will』は『were to』に変わります。

『were to』は『be to』の過去形です。『be to (do)』は『〜する予定である・〜すべきである』などの意味でよく使われます。

後ろの文の『will』は必ず『would』に変わります。100%仮定の世界だからで す。)

(仮に、もし、)村上春樹の本を読むとしたら、[どれを選ぶ?]
You will read Haruki Murakami books. → Which will you choose?
(「if」は後でつける。)
You were to read Haruki Murakami books + if → Which would you choose?
★ If you were to read Haruki Murakami books, which would you choose? ★

(ポイント:上記の英文は『仮定法未来』に分類されます。 100%仮定の世界では『will』は『were to』に変わります。

『were to』は『be to』の過去形です。『be to (do)』は『〜する予定である・〜すべきである』などの意味でよく使われます。

後ろの文の『will』は必ず『would』に変わります。100%仮定の世界だからで す。)

「仮に」の意味:仮定を表す。(goo辞書)

-----end-----

友「素晴らしい出来だね。」

僕「ねえ、大事なところだけ、抜き出してよ。」

友「全部大事なんだが.....。まあ、超簡単にまとめてやるよ。」

-----「仮定法未来」まとめ----

1.
条件に「未来にあり得ること」をあげる場合

条件節:If + [主語] + [動詞の現在形] + 〜,

帰結節:[主語] + [いろいろな動詞の時制] + ~.

※条件節:条件を述べた文
※帰結節:条件節に対して判断・意見・感想を述べた文

2.
条件に「未来にまずあり得ないが、あり得る可能性も残っていること」をあげる場合

条件節:If + [主語] + should + [動詞の原形] + ~,

帰結節:[主語] + [いろいろな動詞の時制] + ~.

★「いろいろな動詞の時制」は主に:
would + [動詞の原形]
could + [動詞の原形]
might + [動詞の原形]
should + [動詞の原形]
will + [動詞の原形]
can + [動詞の原形]
may + [動詞の原形]
shall + [動詞の原形]
[動詞の原形]
など。

3.
条件に「未来にあり得るかどうかに関係なく、仮の話」をあげる場合

条件節:If + [主語] + were to + [動詞の原形] + ~,

帰結節:[主語] + would + [動詞の原形] + ~.

★「were」は「was」に変わることもある。
★ 「would」に加えて「could」「might」「should」も使われる。

-----end-----

僕「ありがとう。」

友「次はいよいよ最後の学習項目、『仮定法現在』だね。」

僕「オウ!」

<完>


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