エピソード7:中2の夏の野外学習

良くない第一印象から1年経って、彼女と同じクラスになった。
自分にとって彼女はまだ交流のない人なので、その時点で思うところは何もないのだけど、向こうは「げっ!」と思ったらしい。

だからかな、一学期の頃はあまり彼女の印象がないのは。
きっと意識的に避けられていたのだろう。

そんな関係に少し変化があったのは、梅雨が明けてざわざわと夏の気配を感じ始めた頃に迎えた野外学習の時だった。

昨今のように男女仲良くというか、性差を意識せずに学校生活を送るような時代では無かったので、班決めの際に男子グループと女子グループをどのようにくっつけるか、一際苦労したのを覚えている。
こういう場合は結局クジ引きとなるので、ここで自分と彼女は同じ班になり、再び向こうは「げげっ!!」思ったらしい。

相当昔の話なので野外学習で何をしたのかを逐一覚えてはいないけど、飯盒炊爨の時に大変な思いをしたことだけは強く印象に残っていて。

仲良し同士で組んだ男子グループ、普段ワイワイと遊ぶのは楽しいけれど、協力して課題をこなすとなると途端に協調性のない奴らばかりで、火を起こしたり野菜を切ったりする大変な仕事をそっちのけで川にスイカを冷やしに行き、そのまま川遊びを始めて戻ってこなかったのには参った。

別に真面目でもしっかり者でもない自分だけど、流石に全てを女子に任せて自分も遊びに行くことは出来ないので、モクモクとした火を起こすべく黙々とうちわを扇いだ。

でもこれがキッカケで彼女と普通に話すようになったし、これも後から聞いた話だけどこの時に自分に対する印象が良くなったとのことだった。


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