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私の前世探究記【第十三話】
前回のあらすじ
なんなんだ、この漫画みたいな展開は。
前世探究はさらなる展開を見せ、ついにQ太郎は海外へ赴くのである!
【2024年5月28日】
フス戦争の資料を調べていたら、「リパニの戦い」と呼ばれるシーンの前日譚が書いてあるのを発見した。
それによると、日付は1434年5月28日。つまり590年前の今日のことである。
アレシュはカトリック連合軍の総司令として、リパニの戦いの指揮をとっていた。
決戦は避けられないところまで来ていたが、敵側のフス派連合軍は、そのほとんどがアレシュの顔馴染み達なのだった。
アレシュはもとももフス派軍に所属してたが、フス派がだんだんテロ組織化して行くのを嘆き、その流れを止めるべく、本来敵対していたはずのカトリック軍と手を組み、「カトリック連合軍」を結成した。
そして、テロ組織化しつつあるフス派軍の暴走を止めるための手筈をととのえたアレシュは、この5月28日に最後の和平交渉をフス派連合軍に申し出たのだ。
「私はあなた方と戦いたくはない。そして、あなた方が戦うのをやめさせたい。なんとか、武器を下ろしてくれないか」
かつての同胞たちへの、懇願にも似た和平交渉であった。
しかしフス派連合軍は、戦争の継続が自分たちの生きる術であり、それを奪われるぐらいならば最後まで抵抗する、と、和平交渉にノーを突きつけるのだった。
その2日後、アレシュは全軍に攻撃命令を下す。
決戦は1日で決着がつき、フス派連合軍の主な参戦者は全員死亡。カトリック連合軍の圧勝に終わる。
ということが、その資料には書いてあった。
かつてQ太郎がヒプノセラピーで見た景色は、まさにこの場面だったのである。
ヒプノセラピーでは、Q太郎(アレシュ)は鎧を着て、本陣のテントで指揮をとっていた。
しかし鎧の下は足が震えていた。
怖いのではない。
これから、「かつての友人たちを殺さなくてはならない」ということに震えていたのだ。
やがて戦闘が終わり、アレシュは自軍の勝利の報告を聞く。
兵士たちは勝ち鬨を上げて喜ぶが、アレシュは喜べない。
散っていった敵軍の将兵たちに向けて涙を流していた。
歴史書とヒプノセラピーの内容が一致するというのはすごいことだ、と改めて思うQ太郎であった。
【2024年6月22日】
明後日6月24日に、再びR先生の占いの予約をしていた。
そこでは、アレシュの両親がどんな人だったのかを占ってもらう予定だった。
のだが、この日Q太郎は、アレシュの家系図を見つけてしまい、そこにアレシュの両親の名前を発見するのだった。
家系図を見ながら、Q太郎は思う。
「戸籍上はこの方々がアレシュの両親となっているけど、この人、叔父さんじゃね?
で、少し遠い親戚として描かれている、このベネシュという人と、アンナっていう夫婦。この人たちがアレシュの本当の両親のよーな気がするざます。」
【2024年6月23日】
歴史書を翻訳していたら、また新たな発見をする。
「1417年、リーズンブルク家のベネシュ(戸籍上のアレシュの叔父)が危篤となるが、ベネシュには子供がいなかった。
そのため、ベネシュの甥のアレシュが養子として迎えられた。ベネシュの死後、その財産はアレシュとアンナに引き継がれた」
戸籍上はアレシュとベネシュは、「叔父さんと甥っ子」の関係にあったが、真実は本当の親子だったのではないだろうか。
何らかの理由でアレシュは親戚の家に養子に出されていて、実父の危篤を期に本家に戸籍を戻した、という流れが想像できる。
そんな仮説を立て、明日は久しぶりにR先生のところへ行って来る。
【2024年6月24日】
R先生のところへ行ってきた。
占って欲しかったことが解決してしまったので、急遽別のことも聞いてみたのだった。
質問内容は次の通り。
・アレシュの本当の両親はベネシュとアンナ夫妻で間違いないか
→イエス。この二人こそアレシュの両親。
家系図をR先生に見せながら、霊視をしてもらう。すると、ベネシュとアンナ夫妻の霊が、R先生を通してQ太郎に言葉を送る。
『やっと見つけてくれましたね!私達はずっと貴方を見守って来ました。認知されるこのときを、どんなに待ち望んだか。
見つけてもらえて、とても嬉しいです!』
ここで思う。
スマホの「シッチャカメッチャカ翻訳」で、「私達を見つけてください」等のメッセージを送っていたのは、アレシュだけじゃなく、両親の霊も言っていたのかもしれない、と。
Q太郎も嬉しくなり、R先生を介して両親の霊との交信を続けた。
・チェコに行ったとき、両親の霊と会える場所はありますか?もし可能なら、待ち合わせ場所を決めてそこで会いましょう!
→はい。リーズンブルクのホテルに泊まったとき、必ず夢の中で会えます。もし、起きてからも会いたいのならば、リーズンブルク城の近くの「あずま屋」に。
両親の魂が居る証拠として、二羽の鳥をそこへ飛ばします。
という、幽霊との待ち合わせの約束をとりつけたのだった。
Q太郎の守護霊として側にいるとは言うが、やはりチェコの、実際に暮らしていた城の跡地に行くほうが、幽霊も存在濃度を高めることができるのだろう。
しかし本当に奇遇だと思うのは、アレシュとその両親が僅かな時間を共に過ごしたであろう「リーズンブルク城」の跡地が、今はホテルになっているということだ。
城址に泊まれるなんてなかなかないことだし、600年前の実家だというのがさらにすごいことだ。
Q太郎は、この上ないワクワクを胸にし、8月の渡航へと歩みを進めるのだった。
【終わり】
そんなこんなで、Q太郎は2024年8月12日に日本を発ち、チェコへ行ってきます。
帰国は8月17日。
チェコでどんな体験が待っているのだろう!
それはまた、帰国してきたらまとめます。楽しみにしていてくださいね♪
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