私の前世探究記【第十二話】
前回のあらすじ:
前世探究が加速するにつれ、「アレシュ」と「Q太郎」のリンクが強くなって行く。
アレシュからのメッセージを受け取る日々がはじまろうとしていた!
【2024年2月〜3月】
・チェコ行きの具体的な計画を練って、日程と行き先がほぼ決まる。
・お盆休みを利用して、チェコには2泊する。プラハと、東ボヘミアの各地を回るのだ。
・近場の旅行代理店に相談に行くと、「そのコースは3日では無理ですねー」と言われたので、目的地を減らす。
・ジェルノフ(リーズンブルク城址)、ヤロメルシ、パルドビッツェ、プラハの4箇所にした。
・一人旅では心細いので、現地の通訳アシスタントさんを雇うことにした。そのため、チェコの旅行会社にコンタクトをとる。そこは日本人スタッフのいる会社だった。
・アシスタントさんの手配と、旅行プランの組み立てをその会社に依頼することにした。日本の旅行代理店には、往復の航空券の手配をお願いした。
・チェコの旅行会社の日本人スタッフさんと、メールでやりとりをしながら旅行プランを組み立てて行く。その際、Q太郎の行こうとしている場所があまりにも辺鄙な場所にあり、観光スポットからも外れているため、「本当にそこに行くんですか?同じ名前の別な場所と間違えてないですか?本当に間違いないですか?本気で行く気ですか?」と再三にわたって確認される。
間違いないですよ、と答えると、後日、意外なことが起きる。
一通の私信のメールが入ったのだ。差出人は、懐かしいBさんからだ。
「Q太郎さん、お久しぶりです!B子です。いよいよチェコに来るんですね、楽しみにしてますよ!」
Bさん。久しぶりだなぁ。
けど、なんで私のチェコ行きのことを知ってるんだろう?
ブログでも見てくれたのかな。
などと思いながら、Q太郎はBさんに返信をする。
「こんにちは、お久しぶりです。そうなんですよ。日程は8月のお盆のあたりで、行き先はジェルノフ、リーズンブルク、パルドビッツェなどの東ボヘミアを回る予定です!」
すると、少し間を置いてBさんから返信が。
「やっぱり間違いなかったですね。実は、Q太郎さんが問い合わせをした旅行会社って、私の勤め先なんですよ!
最初に問い合わせのメールが来たとき、ジェルノフとかリーズンブルクなんていう、チェコ人でも滅多に行かないような場所へ旅行しようとする日本人がいるって、会社で話題になったんです。
何かの間違いなんじゃないかって再三確認しても、間違いないって答えるものだから、よっぽど何かあるんじゃないか、って。
でも私は一発で分かりましたよ。
こんな旅行プランを立てる日本人は一人しかいない、これはQ太郎さんだ!って!
『私の知り合いかもしれません』て言ったら、『じゃあ、貴方が担当なさい』って任されちゃいました。
そういうわけで、今回、私がQ太郎さんの旅行プランナーになりましたので、改めてよろしくお願いします!」
Q太郎は、何が起きているのか理解するまで、しばらく時間がかかった。
某mixiで知り合った日本人女性のBさん。
チェコ好きとは言っていたが、まさかチェコに渡り、チェコの旅行会社で働いていたとは!
しかも、よりによってQ太郎が問い合わせた旅行会社がBさんの会社で、そしてそのBさんがQ太郎の旅行プランの担当者になった、という流れが起きたようである。
なにこの漫画みたいな展開。
【2024年4月某日】
Bさんからメールが入る。
「リーズンブルクのホテル、ようやく、部屋を取ることができましたー!」
リーズンブルクのホテルとは、今回のチェコ旅行で、Q太郎が一番楽しみにしている場所である。
ジェルノフという町の外れに、リーズンブルク城跡というのがある。おそらく、ここがアレシュの生まれた場所だ。
その城は今は朽ちて、わずかな壁などが残っているのみなのだが、その敷地内に近代的なホテルが建っているのだった。
そこに宿泊するのが、Q太郎の目的だった。
前世の生まれ故郷(跡地)に泊まるなんて、素敵じゃない?
しかし、そのホテルのホームページから宿泊の予約を取ることはQ太郎には難しく、チェコの旅行会社のBさんに部屋の手配をお願いしていたのだ。
しかし、Bさんいわく、「あのホテル、ふだんは宿泊客が居ないので、誰も出勤してなかったんですよ!
1週間電話をかけ続けて、昨日よーーーやく繋がって、部屋の予約ゲットしますた!」
なんとなく息切れが伝わってくるような、Bさんからのメールだった。
【2024年4月某日】
旅行の準備と並行して、Q太郎は前世探究も続けていた。
アレシュの生きていた時代の「裁判記録」が現存しており、それをテキスト化したものがネットで公開されているのを発見したQ太郎は、嬉々としてその翻訳作業を始めた。
そして、それは起こる。
スマホの翻訳機能を使ってチェコ語の原文を翻訳したところ、設定をミスったのか、文字化けのような翻訳結果になってしまったのだ。
だが、文字化けの海の中に、ところどころ日本語として成り立っている文章がある。
それは、他の人が読んだらさっぱり意味の分からない文章となるだろう。
しかし、「アレシュがQ太郎に向けて送ったメッセージだ」という視点で読むと、かなり辻褄の合う内容になっていたのだ。
以下、いくつかの翻訳結果のスクショを貼るので見てほしい。
↓こちらなどは、母の足の怪我にまで言及している。
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