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前世探究まとめ箇条書き②



前回のあらすじ:
Q太郎は自身の前世の人物を突き止めようとしていた。
前世候補の生きた時代は15世紀のチェコ。
当時はボヘミア王国と呼ばれていて、後世に「フス戦争」と呼ばれる騒乱の時代に生きた貴族の中に、Q太郎は自身の前世がいるような気がしていた。

【2020年10月1日】
次回のR先生の占いの予約は10月18日。
それまでに、前世候補の絞り込みをすすめる。
補足:R先生は美人な女性占い師である。

チェコ語アルファベットに対応した文字入力アプリを導入して、検索と調査の精度を上げる。

チェコ語のアルファベットにはいくつかの記号があり、それは「ハーチェク」と呼ぶらしい。

【2020年10月18日】
いよいよR先生のもとへ行く。
これまで調べたボヘミア貴族の紋章をプリントアウトしたものを持参し、その中に前世の人物がいるかを確認してもらう。

実際の画像。他にももっとあるが、この中にこそ前世の人物がいたのだ。

R先生にこれらの紋章を見せながら、Q太郎は3名にまで絞った候補生を順に説明していく。

候補者①
ヤン・ロキツァナ
フス戦争で活躍した聖職者。Q太郎が最も興味を惹かれた人物である。

結果:ハズレ。しかし、「ロキツァナの魂が、ここまで調べてくれたことを喜んでいます」とのこと。


候補者②
ヤン・ジシュカ
フス戦争で最も有名な武将。チェコでは国民的な英雄として広く認知されている。
ザリガニの紋章が特徴的。

結果:ハズレ。
R先生はQ太郎が説明を始める前に、「このザリガニさんから、ものすごく強いオーラを感じますが、この方はどんな人なんです?」と聞いてくる程だった。



候補者の2名がハズレた時点で、R先生は言う。

「あと1人、思い描いている人物がいるんじゃないですか?」

R先生には、候補者が3名だとはまだ言っていなかった。
しかし既にお見通しのようである。


候補者③
リズンブルク家のアレシュ
根拠はない。が、彼のWikipediaの記事の最終加筆日がQ太郎の誕生日であったり、記事の文中に「遠い遠い、過去を思い出す」という日本語訳が出てきたりしていたので、なんとなく不思議な雰囲気を感じていた。

結果:「はい、この方ですよ。戦争が嫌いな人でしたね。でも、戦争から逃げる訳にも行かなかったんですね。……しかし、よくぞここまで調べましたね。前世の魂も、とても喜んでいますよ。」

Q太郎の前世は、ボヘミア貴族のアレシュ・リズンブルク(リーズンブルク)であることがここに判明した。

しかし、Q太郎はまだ引き下がらない。

「先生、占い以外で、私の前世が彼だったという証拠が欲しいのですが、どうすれば良いですか?」

と聞く。
R先生は、「夢が教えてくれますよ」と微笑む。

その言質を信じ、Q太郎は毎晩の夢を楽しみにするようになる。

【2020年11月〜12月】
チェコ語の資料を探し出しては翻訳する、という日々をおくる。
白獅子のシモンという人物について調べる。
どうやら、貴族以外に市民や商人も歴史書に名が残っているようだ。白獅子のシモンは市民階級の人間のようである。

調べるのは大変面白い。
はじめはチェコ語の翻訳に難儀していたが、慣れるとどうということはない。
むしろ、翻訳機なしで読める箇所もちらほら出てくるようになった。

夢はまだ見れていないので、元旦の初夢に期待しよう。

【2021年1月2日】
運命の日その④ぐらい。

いよいよ初夢チャレンジの日。

さあ夢を見るぞ、と意気込んで布団に入る。

まどろみの中、見えてきたのは学校。
教室で、先生に叱られている。

「これじゃない!」

と首をぶんぶん振って、強制的に目を覚ます。
「今のはノーカンです」

意識あったもんね。あれは夢じゃない。セーフだ。

と、強引な解釈を経て再び布団にもぐる。

まどろみの中、見えてきたのは学校。
今度は廊下に立たされている。


「チガーウ!これじゃないっつってんの!」

再び目を覚まし、仕切りなおす。

3度目のベッドイン。

見えてきたのは赤い煉瓦風の建物。
かなり立派な屋敷で、どうやらボヘミア貴族の館のようだ。

そうそう、これを見たかった。

Q太郎は、待ちに待ったボヘミア王国の夢を見ることができたのだった。


その③に続く。

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