見出し画像

円満退社ってそんなに大切だったのかな?

社会人になってからこれまで何度か退職する、というのをやってきているけど、一つだけ後悔していることがあるとすれば、それは「退職理由で本音をいわなかった」ことかもしれない。

嘘をついていたわけではない。
むしろ、精一杯の誠意を込めて、相手に「それなら仕方ないか」と思ってもらえるように、言葉を選んで伝えていたつもりだ。

退職を決めるときって、理由が一つしかないことって少ないと思う。
仕事のなかの人間関係だったり業務の内容だったり組織の性格だったり、そういういろいろなもののなかに少しずつ不満があって、それが積み重なっていった結果、何かのきっかけで「仕事を辞める」という選択に至る、そんな気がする。
少なくともわたしはそうだった。

だから、退職の意思を伝えるときも、「いろいろなもののなかの少しずつの不満」から伝えやすいものを選んだり、それと自分側の事情を組み合わせたりして話をしていた。

嘘を伝えていたわけではない。だけど、本当の本音を伝えてもいない。

だって、円満退社したかったから。
退職した後も、もともと働いていた会社の同僚とのつながりは持っておきたいし、退職するときに悪印象を与えてしまったら、その先同業や関連する業界で仕事をするときに不利になるかもしれない。

簡単に言うと、自分が悪者になりたくなかった。

今になって思うのは「退職時に本音を話していたら、何か一石を投じることができていたかもしれない」ということ。

わたし一人の個人的な意見に組織が影響を受けるとは考えにくいけど、わたしや、他の退職者もそれぞれ本音を伝えていたら、そしてそれを真剣に受け止めてくれるひとがいたら、それが問題提起になっていたんじゃないか。

職を手放すというリスクを冒してまで辞める決断をしたそのひとの本音には、耳を傾ける価値が十分にあるはずだから。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?