見出し画像

とどまる理由がなければ離れてしまうものだから

マイナビによる「新入社員の意識調査」2022年版に関する記事。

調査結果の結論に関する部分に、少し違和感がある。

“ここまで調査結果を見てきて特筆すべき点は、やはり、男女ともに不満や不安による「辞めたい転職」よりも、キャリアステージやライフステージに合わせてよりマッチする仕事を求めていく、ポジティブな転職の意識が上回っているところ。”

「新入社員の半数が10年で退職意向。退職の理由に男女差がクッキリ?」より

たしかに、調査結果を見る限り「仕事がつらい、もう辞めたい」という印象は受けない。かといって、これが「ポジティブな転職の意識」ととらえられるかどうかは疑問だ。

「ライフステージに合わせて働き方を変えたい」「転職でキャリアアップしていきたい」が転職を検討する理由として挙がっているということは、言い換えれば、「ライフステージが変わったらこの仕事は続けられない」「この会社ではキャリアアップは難しい」と考えているのではないか。

この調査は新入社員の入社後数ヶ月で行われているとのことなので、その時点での新入社員がどれほどその会社のことを把握しているかは分からないけれど、少なくとも、そういう印象を与えてしまっているんだろうと思う。

転職のハードルが下がったということは、「その会社(仕事)にとどまる理由がなければいつでも辞められる」ということでもある。

調査結果を通して、このことを企業側が真剣にとらえるきっかけになればと願う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?