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【留学】語学学校の選び方

「まずは、語学学校を選びましょう」
そう言って分厚い学校リストを渡された時は思わず言いました。
「みなさん何を基準に選ばれるんですか?」

どこの都市にもたくさんの学校がありますし、適当に選ぶわけにもいかないし、全部詳しく調べるわけにもいかないし、正直困りました。
ちなみに私は超インドアで引きこもり体質だったので、学校にいる時間が長いことを第一優先事項として選びました。ちょっと珍しいこだわりかもしれませんが、学校が午前中に終わったら直帰して家にこもっちゃう気がして。

どんな学校がいいか、学校の特徴とそのメリットデメリット、また何ヶ月通うのがいいか整理してみようと思います。

どんな学校に行きたいか

よくある希望として、【日本人が少ない】、【授業料が安い】、【少人数授業】、【English-Onlyポリシーが厳しい】などがあると思います。

日本人の少ない学校

英語漬けの環境を作るには重要です。ただし、そういう学校は珍しいのが現状です。実際、どこに行っても日本人留学生は多いので、日本人の少なさを絶対条件とするなら選択肢は自ずと絞られると思います。
日本人の少なさをどうしても重視したい場合は、メール等で「今、日本人の生徒が何人いるか」直接問い合わせるのが一番でしょう。パンフレットにも生徒の国籍の割合は載っていますが、最新情報というわけではないので。
もう一つ重要なのが時期です。8月〜9月頃は、大学生の短期留学が増えますので、日本人の少ない学校探しは特に大変です。
私は少人数制(1クラス15人以下)の学校に通っていましたが、どのクラスに行っても半分弱は日本人でした。友達はたくさんできますし、なんと言っても生活や勉強の悩みを共有できるので、日本人が多くて良かった面も多いです。

授業料が安い学校

授業料の安さ=授業の長さと言ってよさそうです。私の通っていた学校は、午前中が全員受講のベーシックコース/午後がオプションクラスという構成で、ベーシックコースが最低料金にあたり、オプションクラスを申し込むと追加料金がかかる形でした。もちろんベーシックコースの受講のみでもバランスよく学べるような授業内容になっていますので、お金をかけないとダメということはありません。
ただ、極端に安い学校だと、教材が不十分だったり授業の質が低いと聞いたことがあります。(あくまで噂ですが、1日中クリスマス会で歌う歌の練習だけとか、テキストが間違っている部分の訂正で時間の半分が潰れるとかなんとか…)
単純に安いところをいくつかピックアップしてOKだと思いますが、授業の内容も比べてみてください。割高だともったいないので、同じ値段でも「少なめの授業を8週間」より「充実した授業を6週間」などいろいろシミュレーションすることをおすすめします。
前述したように安すぎてクオリティが不安な場合は、見学をしてからの申し込みが確実です。

※また、授業料を抑えるポイントとして、長期割引が適用されるケースがあります。長期の基準が「6ヶ月以上」だったりするのでその時点で安く抑えることにはなりませんが、5ヶ月申し込むなら6ヶ月申し込んだ方が安い可能性もあります。申し込み期間については後ほど詳しく書きます。

少人数制/多人数制

【少人数制クラス】のメリットはなんといっても先生との密接度。私がボソッと言ったことも拾ってくれるし、気軽に質問もできます。私の学校だと1クラス15人程度でしたが、デメリットとしてはいつも大体同じ顔ぶれになるので言い方が悪いですが飽きます。例えばいつも同じ話になったり、授業の中で質問をする練習があっても聞く前から相手のことを知っていたり…。クラス替えもありますが、みんな一緒にクラス(レベル別)が上がっていくのでクラス自体が大体同じメンバーになりがちです。
生徒が増える時期(=トロントの場合は夏)は、少人数と言えない規模になることもあり得ますので、メリットを享受できない可能性もあります。

未経験なので伝聞ベースになりますが、【多人数制】は1クラス30人程度で、少人数制のメリット・デメリットがそのまま逆になるようです。生徒数が多いので、クラス替えの度に人が入れ替わったり、いろんな人と関われるのは羨ましかったです。先生によって授業のスタイルが様々なのですが、教員の数も多いので、いろんなスタイルの授業が受けられます。

どちらを採用している学校もたくさんあるので、最初に決めると選択肢絞りやすいです。

English-Onlyポリシーが強い

ほとんどの学校が謳っていますが、授業のシステムや値段と違って唯一生徒が作るものです。ポリシーが厳しい学校もあるようですが、それも気にせず母国語を話しまくるグループが1つあったら崩れてしまう雰囲気なのではないかと思います。あとは、同じ国の生徒同士で固まる雰囲気がなければ、必然的にポリシーは守られます。つまり、その時どんな人が学校にいるかによります。逆に言うと、周りがどんな雰囲気であっても自分次第でどうにでもなるので、そもそも「English-Onlyポリシーが厳しい学校」を一番の優先事項としない方がいいです。

その他

学校側のセールスポイントとして「全教室電子ボードを設置しています」「インターネットで自習・フィードバックできるシステムがあります」等推しているところもありました。私の通った学校もそうでしたが、電子ボードを使いこなしている先生がほぼいなかった(笑)のと、オンラインシステムとやらもテストとその結果確認で使うのがメインで、あとは自習できる問題集がありましたがあんまり使わなかったし、「思ってたんと違う」状態でした。個人的にはパソコンに向かうより、友達と話す方が有意義でした。ここも決め手にしない方がいいと思います。

希望に合う学校を探すには

もし可能であれば、無料見学に行って学校の雰囲気を確かめた上で申し込みをするのが理想です。ただし、現地で手続きから振り込みまでしないといけないので(留学エージェントに手伝ってもらえる部分もあるとはいえ)いきなり大仕事にはなります。
私の場合、出発前に学校を決めて留学エージェント経由で申し込み・振り込みをしてもらいました。渡航直後から学校をスタートしたかったのと、何より現地で(それも1人で)学校の見学や申し込み手続きをする自信がなかったのが理由です。素敵な友達に出会えたので学校選びに後悔は全くありませんが、できれば他の学校も見てみたかったなとは思います。
エージェントによって【事前に申し込み】か【見学申し込み→現地で本申し込み】か案内が変わったりするので、自分の希望と異なる場合は聞いてみてください。無責任なことは言えませんが、実際どちらでもなるようになるので、安心できる方を選んでください。

何ヶ月申し込むか

学校選びの次に来る悩みが期間です。

期間のシステム

留学生間では「●ヶ月」と話すことが多いですが、多くの学校が1週間単位で申し込みを受け付けています。1か月の場合、4週間申し込みます。
また、月曜~金曜を1サイクルとするので、どの月曜日にスタートしてどの金曜日に卒業するかを決めて申し込むことになります。学校に通う間は、毎週月曜日に新入生が入ってきて金曜日に誰かしら卒業していくサイクルの日々を送ります。
つまり、●月1日~31日という申し込み方はできず、火曜日から遅れて参加とかもできません。(毎週月曜日に新入生のレベルテスト・面接・クラス分けなどオリエンテーションをまとめて行うため。)

そして注意したいのが祝日です。通常、月曜~金曜の1週間単位で申し込みますが、月曜が祝日の場合は火曜日からスタートとなり、金曜日が祝日の場合は木曜日に最終日となります。ですので仮に木~金曜が祝日の場合、月~水曜日の3日間で1週間とみなされます。授業料は変わりません
とくに年末のクリスマス前後は長い祝日となりますので、その週は丸ごとお休みにして、別の週にあてられることもあります。事前に確認してみてください。(例:12月初週から8週間申し込むところ、12月3週目と4週目をお休みにして、2月2週目までの契約にずらすなど)

祝日を避けて申し込む例

おすすめの期間

私は学校にいる時間を長くしたかったので、オプションをつけて申し込むことにしたのですが、4ヶ月オプション付きの料金と、6ヶ月で長期割引適用の料金とであまり違いがなかったので6ヶ月で申し込みました。
1年のワーキングホリデーの場合、6ヶ月は長かったです。朝から夕方まで授業にしたせいで、アルバイトを探す時間も働く時間も限られてしまい、ワーホリだとビザの残り期間が採用に大きく響くのでかなり焦りました。(結局、4ヶ月目から土日に働き始めましたがしんどかったです。)
現地でアルバイトを予定している方で、学校と仕事を同時並行でしたい人は、時間に余裕を持たせる(期間というより、授業は午前中だけにするなど)と動きやすいと思います。仕事を始めて忙しくなって学校行けなくなる人がたまにいます。もったいない。
また、学校を卒業してからガッツリ働きたい人は、3〜4ヶ月ぐらいがおすすめです。仕事探しを始める時期に学校に通っていると、先生にレジュメをチェックしてもらえるメリットもあります。

英語を学ぶという観点でいうと、人と関わる機会を持ち続けることが大切なので、結局は何ヶ月学校に行くかよりも、学校が終わったあとどう過ごすかで大きく変わります。

自分の話

語学学校に行ってよかったこと

英語を教わるというより英語に慣れるためにとてもよい環境でした。教わったのは、積極性がないと身につかないということです。(黙っているとそのまま置いて行かれます…。)
何より友達ができたことが一番です。行けば誰かに会えるという感覚は懐かしく人生の夏休み感がありましたね。真冬でしたけど。

あと「日本人の英語は文法ばかりでダメだ」とよく言われていますが、決してダメではなかったです。同じく英語を学ぶ外国人の英語に触れたからこそ分かったことですが、叩き込まれてるから当たり前だと思っていることが当たり前じゃなかったりしました。(主語の「I」が毎回小文字だったり、「for him」を「for he」と書いたり、比較級に変える問題で「low」が「the lower」になったり…)日本では「I/my/me」を何度も復唱させられるし、「比較級はer!最上級はthe~est!」を何度も書かされるし、「I」が大文字なのはなんでか考えたこともなかったレベルですが、そこが抜け落ちている人が多くてびっくりしました。ガチガチに文法を学ぶのも悪いことではないんですね。ちょっと自信を持てました。

語学学校で辛かったこと

学校に行っている間、渡航当初と比べたら英語力が伸びているのはわかっていましたが、どうしても周りと比べてしまうし、常に自分の英語がどうか気にしながら過ごすわけなので、ずっと自信を持てないでいました。「しゃべれるようになったな~」と思う瞬間は記憶になく、「ダメだった」もしくは「(周りに)ダメだと思われた」とか「発音下手だと思われた」とか評価を気にするばかりでした。いざ世に出たら「伝わった/伝わってない」の2択ですし、この人発音きれいだなとか誰も思わない。(アメリカ人かな、インド人かな、日本人かな、と思われるだけで"発音きれい"の概念がないです。)今思えばネガティブになる環境を自分で作っていました。
先生によっては、渡航当初の私の英語力(ちょっと酷め笑)でイメージが塗り固められていたようで、クラスのレベルが上がっていって新しいクラスに入ったとき「You can't be here! (あなたがこのクラスのはずない!)」と言われたときは帰ろうかと思いました。いつまでも「孫は3歳」と答えるおばあちゃんのよう。壁に名前貼ってあったから来たんです。結局内容がハイレベルだったので交渉してクラスは下げてもらいました。正直そう言われたらネガティブにならざるをえません。表現がストレートな方もいます。

期間の話でも書きましたが、仕事探し関係なく、そんな時間が6か月続くのは長かったです。(辛かったことをピックアップしただけで、実際は楽しい思い出の方がたくさんです!)

卒業後

学校を卒業したら英語を教えてくれる人はいませんが、自分の英語がどうか評価する人もいなくなり、英語力を見られる状況からある意味解放され、気が楽になったのか臆さず話せるようになりました。アルバイトでも旅行でもコミュニケーションが全く取れなくて困るということはありませんでした。まだまだだなと思う場面はたくさんありましたが、自分の英語力にネガティブになる経験がなくなりました。

長く通えば英語力がぐんぐん伸びるとも限りませんし、「英語勉強中の身」から「英語を話す者」に意識を変えるためにも学校からはもう少し早く離れるべきだったのかも、と感じています。

大人になってから学校に行くということ自体が新鮮で貴重な楽しい時間ではありましたので、学校の期間は短い方がいいというわけではありません

個人的おすすめ

個人的には、

  • 少人数クラス制の学校

  • 4か月(オプションはそこそこに)

  • 駅から近い学校

  • 働く場合、卒業前に仕事探しを始める

をおすすめします。
そして外国人の友達も日本人の友達もたくさん作り、たまには日本語で雑談する時間もあっていいと思います。

私の経験と後悔をもとにまとめてみました。すべて個人的な考えではありますが、留学を検討されている方にとって少しでも参考になりましたら幸いです。最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

アメリカのスポーツリーグが好きすぎてワーキングホリデーで留学。(2019年秋に帰国) 英語を学び、スポーツ観戦に明け暮れ、そんな経験をシェアしていきます。 英語学習についてと野球観戦記を中心に更新しています。