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ドイツで一年生になって、スクールコーンをもらいました!

日本の入学式シーズンは桜の咲く頃ですが、ドイツの入学式は、夏です。州によって、また年ごとに異なり、今年は7月末〜9月末と2ヶ月ほど差があります。

ドイツでの小学校の入学式は'Einschulung'と呼ばれるのですが、「小学校への入学」というよりも、「学校というところに入る日」として、「一生に一度の特別で大切な日」のようで、家族みんなにとっても一大イベント。学年も、小学校1〜6年生、中学校1〜3年生、高校1〜3年生ではなくて、小学校入学から高校卒業試験まで、1〜12年生又は州によっては13年生までと、通して数えます。
その分、中学校や高校の入学式は(ドイツの学校のシステムは日本と少し違うので他の形態も色々ありますが)ないに等しいくらい。

この'Einschulung'の日には、両親だけではなくおじいちゃんおばあちゃんやおじさんおばさん、仲良しのお友達も呼ばれて、式の後にみんなで前もって予約しておいたレストランに食事に行きます。

そしてこの日に欠かせないのが、"Schultüte/Zuckertüte"、スクールコーン。下の動画に何度も出てくる、コーン型のものです。

このコーンは空のものを文房具屋さんや雑貨屋さん、本屋さんなどで買うか、手作り、または、買ったものをアレンジ。(動画の0:40〜)
きのうも文房具屋さんで見かけたので、今の時期もう売っているようです。

スクールコーンの中身は、学校で必要になる文房具一式、いろいろなお菓子、それでもまだいっぱいにならないときには、ぬいぐるみも。(動画の1:00〜)

始まりは、1780〜1810年頃のザクセン州とチューリンゲン州。先の尖った袋にお菓子やドライフルーツを入れて入学式に贈ったのが始まりのようです。(動画の1:45〜)
その頃は、家族が用意したスクールコーンを前もって学校に持って行き、先生がそれを針金でできたスクールコーンツリーと呼ばれる木のようなものに吊るし、入学式の日に子どもたちがそれをがんばって取る、ということが行われていたようです。スクールコーンはそれからドイツ全体に広まりました。
現在は小学1年生の子どもたちの身長ほど大きいスクールコーンにプレゼントがパンパンに詰められているのよく見かけますが、戦後には、袋いっぱいのお菓子が買えず、紙を丸めて底上げをした上にお菓子を乗せることもあったそうです。

作家エーリッヒ・ケストナーも、『わたしが子どもだったころ』の中で、1906年にドレスデンの小学校に入学した際、ご近所さんにシルクのリボン付きのスクールコーンを見せようと思ったら先が破れて中身が床にこぼれ、お菓子、チョコレート、棗、イースターバニーのチョコレート、イチジク、オレンジ、タルト、ワッフルで足首まで埋まるほどだったと書いています。(動画の2:35〜)

私はこれまでザクセン州のドレステンでの入学式に4回同行させてもらったのですが、学校によって、自分たちのクラスの教室に入ってからひとりひとり名前を呼ばれて先生からスクールコーンを手渡しでもらったり、入学式の行事の最後に体育館にクラスごとに円形に並べられているスクールコーンの中から自分のものを探し当てて受け取ったり、様々でした。針金でできたスクールコーンツリーはまだ見たことがありません。まだこの伝統が続いている学校がどこかにあるのかなぁ。

就学前の子どもたちはほとんどみんな学校へ行くのを楽しみにしていますよね。
(以前、お兄ちゃんお姉ちゃんが学校全然楽しそうじゃないから、自分も学校に行くのが全然楽しみじゃないという4歳の女の子にも残念ながら出会いましたが。)
それなのに、1年生、2年生、3年生、。。。学年が上がるに連れ、学校が好きではない子どもたちが増えていくのをベルリンのこどもミュージアムで子どもたちと接していても強く感じます。もちろん学校が全てではないですが、みんなが楽しみにしていた学校がどんどん楽しみではなくなっていくのは残念です。


その状況を少しでも変えたいという思いもあり、今月から大学院で遊びとメディアの教育学の勉強を始めた私に、友達がお菓子がいっぱい詰まったスクールコーンをプレゼントしてくれました!

わぁーい!
嬉しくて、スクールコーンを持って桜の木の下で記念撮影をしてきました。

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フルタイムの仕事をしながらの大きな挑戦になりそうですが、2年間がんばります。
内容はもちろん、仲間も講師のみなさんもとってもおもしろいので、これからそのことに関しても書いていこうと思います。


ドイツの入学式は夏なのでまだ少し先ですが、スクールコーンをもらって嬉しくて、今日はドイツの小学校の入学式に欠かせないスクールコーンについて書いてみました。

最後まで読んでくれてありがとうございました!

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