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絵本のストーリー

絵本のストーリー

いまからずっとずっと昔にあったこと
何億年、何千億年、何万億年もまえの宇宙でのこと
宇宙のあるところにとても穏やかにくらしている心のやさしい魂(意識体・神様)がいました
魂はこの宇宙での最初の魂「源の魂(みなもとの魂)」でした

その魂のいる世界は、愛にあふれた美しく平和で豊かな世界です

それはまるで、あたたかな陽だまりの中でうとうととまどろむような、

それはまるで、緑豊かな植物たちに囲まれながら色とりどりに咲く美しい花々の香りにうっとりしているような、

それはまるで、耳に心地のいい鳥たちの奏でる音楽に耳を傾けるような、

それはまるで、時より頬を優しくなでるようにやってくる気持ちのいい
そよ風を全身で感じているような、

それはまるで、甘く美味しいお菓子と香り豊かな温かいお茶をゆっくりと味わっているような、

それはまるで、お気に入りの香りに包まれたあたたかなお風呂に全身をゆったりとあずけゆるめているような、

それはまるで、気の合う好きな相手と笑いながら歌い踊り楽しく語らいあっているような、

そんな
愛と喜びと光に満たされた、楽しく美しい心地のよい世界でした

源の魂はその「満たされた」世界で何千億年、何万億年と過ごしていました

あるとき魂は気づきます
この「満たされた」心地いい世界ですごすのがあまりにあたりまえになっていて、自分がこの世界への感謝や喜び感動を少しずつ感じられなくなってきているということに

この「満たされた」世界は「全てが無限にある」完璧な「ある」世界
このままではこの「満たされた」「ある」世界に「満たされない」時がやってきてしまう

それは「無限にある」世界に「限界」がきてしまうこと
それは「無限」が「有限」となってしまう
という事を意味していました。

未来がわかってしまった源の魂はどうしたものかと考えます
そこで魂はすばらしいアイディアを思いついたのでした

この世界と真逆の「有限の世界」を作り、そこに自分の魂を置いてみたらどうだろうかと

自由も平和も食べ物も命も時間さえも全てが限りのある「足りない」世界を作り
平和でもなく、豊かでもない世界で、愛の乏しい生き方をしてみたら
「無限のある」世界のありがたみを思い出して、また自分は「ある」世界に
感動できるようになるのではないだろうかと

こうして源の魂はそんな真逆の体験のできる「有限の星」を作ってそこで生活してみることにしたのでした

せっかく違う世界を体験するのに、一つの魂では一回分の体験しかできない。そこで、魂は自らの魂を何千、何万と分裂させて、一気にたくさんの体験を集めことにしました

自由に宙をとび回れていた魂たちに不自由を体験させるため
あえて魂たちは重たい肉体をまといます。さらに星に重力をつくり地面から飛び上がれないようにしました
肉体の中にはいった魂たちは「人」と名付けられました
「人」となった魂たちは肉体のできる範囲で行動しながら、生きていくことになりました

源の魂は、さらに「人」の肉体を、簡単に壊れてしまうもろく弱いものにしました。さらに星に滞在できる時間にタイムリミットをつけ寿命というものをつくりました。弱くもろい肉体が壊れてしまったり、命の寿命がくると「死」が訪れ魂の星での生活体験は強制終了してしまいます

こうして本来永遠を生きる無限の命を肉体をもたせる事であえて限りあるものとし、「人」は無意識に「死」を恐れる事になっていきました

魂たちは衝撃や熱に弱く、食べなければ死んでしまうという弱い肉体をもち、痛みや空腹を体験しながら危険で厳しい環境化で魂たちは何千回。何万回も命を落としては転生を繰り返します

そして、少しでも長く生き延びるため、肉体を維持する方法を経験から学びながら進化成長を続けました。

初めは個々に生活していた魂たちは、肉体を維持し食料を探し回りながら移動することで、別の魂「人」に出会っていきました

それにより魂たちは次の新たな体験を獲得していきます
それは限りある世界の中で奪い合い生き残るための「競争」
というものでした
人々は食べ物や土地を奪い合い、家や仲間や配偶者を奪い合い戦いました

時が進むにつれて、力あるもの(強者)が支配する側となり、力なきもの(弱者)は支配される側となりました。

こうして本来同じ魂から分裂した等しい価値のある魂に「優劣」「上下」が生まれていきました

この魂の価値に「優劣」「上下」をつける価値観は、支配者側の意向により自分の子供達にも受け継がれていき、それは血統主義や階級制度として何世代もの年月続いていきました

星の文明が進んでいく中、この終わりのない「競争」の中で人々の満たされる事のない「不足感」はさらなる「競争」を加速させていきました

人々は進化した科学技術でより強力な武器を作り、繰り返される戦争は星を破壊し続けました

競争に負け奪われた者は敗北感や絶望感を体験し、大切な人の命を奪われた者は、怒りや憎しみつのらせ、憎しみの連鎖はさらに新たな争いや戦いを生みだしました

持つ者への妬みや嫉妬といった感情も体験していきました

勝者は優越感や達成感を体験する一方で、失う不安や恐怖におびえ、他者への疑念、不信感は孤独感をうみだしていきました
持つ側となっても「満たされない」感情はさらなる獲得へと終わりのない欲へとはしらせていきました

支配階級側の魂は、支配される側の魂を見下し、彼らの命を粗末に扱っていきました

支配される側も生まれながらに刻まれた抗えない身分制度により、生きる活力を失ったり、支配されるままにその命を使い続ける事で、自身の中でも自分を無価値な無力な存在と強く認識していくこととなりました

やがてそれは絶望感や、あきらめ、怠惰をうみ、自ら命をたったり、投げやりな人生を選択する人もでてきした

しだいに支配される側の多数の人たちは生まれながらに人生を諦め卑屈になり、自ら新しい体験を求めて行動する事がなくなっていきました

宇宙から星の様子と分身の魂たちの在り様を見守っていた源の魂は考えます

あまりに強すぎる制限のかかった世界となってしまったため、大部分の魂たちが行動しようにも身動きがとれず、新しい体験ができないまま寿命を迎えるだけになってしまった

魂たちは「人」として生きる新しい体験によってもたらされる感動や気づきによって、新しい感情を獲得し、視野を広げ精神を進化成長させていたのに、行動の制限が強すぎる世界では魂たちが同じ体験をリピート体験しているだけ

このままでは星に住む人々の魂が進化成長できない 

科学技術の進歩により文明はすすんでいくのに、人の魂に進化成長がなされなければ、人によって使われる強大な科学の力は、人々の生活を助け豊かにするものではなく争い奪う目的で使われ、暴走したその力はやがて星そのものを破壊し消滅させてしまう未来を作ってしまう

この星の未来がわかった源の魂は、この最悪な結末を回避するために、
新しい流れに変化を作りだすことを考えたのでした

源の魂は、この星を変えていくための新種の人間による「種まき」を始めることにしました。世界を変える新しい芽となる存在、「種(シード)」となる役割を担う魂たちを星に送り出しました。その魂たちは「スターシード」と呼ばれ、よりすぐれた知恵や知識、能力をそなえ、強靭な肉体や胆力、行動力そなえ、何百何千回もの転生経験をもつ魂たちでした。「スターシード」達の役割は、破壊・創造・調整でした。既存の世界のルールやシステム、人々に染み付いた固定の概念を壊す役割を担うクラッシャー的な役割りを担うものもいれば、その壊れたあとに新しい概念や世界のルールやシステムを構築していくもの、またそれを世の中に広く伝え広めていくもの、そして新システムがなじむまで調整役をするもの、またスターシード達をサポートしていくもの、など様々でした。

ある「スターシード」は、王族や貴族の特権階級の子供として生まれ、社会福祉や慈善活動に意欲的に取り組み、ある魂は庶民でありながら大企業の社長となって子供達に夢と勇気をもたらし、ある魂は宗教家となって人々に魂の価値と生きる知恵を与え、ある魂は科学の力で新たな発明をもたらし人々の生活を助け、ある魂は素晴らし歌声で世界中の多くの人々に癒しと愛を伝えていきました

スターシード達の活動によって、世界に新たな変化がもたらされていき、閉塞感の中で重く停滞しつづけていた世界のエネルギーにあらたな流れが生み出されていきました

暗い闇に覆われていた人々の心にも、徐々に光が差し込み始め、人々の中にねむっていた自ら行動し現状を変えていこうとする、前向きな意思が再び目覚めていきました。

人の心にともった光の連鎖は、人から人へと波及していき、人々の魂が再び輝きだしました。

人々と世界に生まれた小さな変化の波は、大きな変化となって世界を変えていき、人々は次の進化成長へと向かう旅へと歩みをすすめていきました

それは、自分を愛し満たす喜びが、他者を愛し満たす喜びであるという事に気付く旅でもありました。互いに与え合い助け合う事で、ともに大きな喜びと充足感を得られる事に魂たちは気付いていきます

それぞれが、自分の能力や立場に応じて与えあい、互いに不足する部分を補いあう

このとてもシンプルな方法に、世界が気づいた時、魂たちは「足りてない」不十分な世界の中で「満ち足りて生きる」という十分な体験をする事ができたのでした

魂たちのもつ「愛」は過酷な環境での体験を経験したことで、より強く優しいものへと磨かれ、その魂はより一層うつくしく輝いていました

今回の体験は「満たされない不足」によって得られた「満たされる」喜びであり、「無限」の世界は「有限」の世界があるからこそ存在している世界、「ある」世界も「ない」世界があるからこそ存在しているのだということ、お互いがお互いために必要な、どちらも大切な存在であったことに、気付けたのでした

魂たちは人間体験によって経験できた様々な感情や記憶をお土産にして自分達の故郷へと帰っていきました

おしまい


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