見出し画像

全国各地で新たな動きが起こるのを期待したい

7月4日は、あさりこども園が事務局となって運営をしているフリースクール『こうとうキャンパス』について、zoomでお話をさせてもらいました。全国各地の保育園関係者がたくさん参加してくれました。ありがたいことです。

◯フリースクールを始めてどうなったのか

今回は、なぜフリースクールを始めようと思ったのか、その背景にある地域課題は何か、どのように進めていったのか、そして最終的にどんな形を目指そうとしているのか、そういったことをお話をさせてもらいました。

最終的にはフリースクールの充実を目指しているわけではないことが、私が最も大事にしていることです。地域の人と一緒に、不登校の子が増えていることを把握し、そもそも子どもの学びは多様であるべきだとの理解を深め、それには地域の大人の理解や協力が必要であることを知り、多様な学びの中から自分に合った学び方を選択できる場をどうやって作っていけばいいかを地域全体で考える・・・といった流れを作っていきたい、そのための第一歩がフリースクールだという考えです。

このような考えに至ったのも、他の地域で既に力強く動き出している人たちから影響を受けたこと、同じようなことを考えていた議員さんとの出会いがあったことなど、いろんな人から刺激を受けてきたことが大きいです。決して自分たちだけで作り上げたわけではありません。だからこそ自分たちも関心があるけどまだ動けていない人たちに情報提供をしてきたい、できることならそっと背中を押したい、そんな思いを込めて説明しました。

取り組みは始まったばかりで課題はたっぷりある状態ですが、「フリースクールを始めます」と宣言したことで新たな利用の問い合わせがあったり、地域の方から声をかけられるようになったりと、間違いなく以前より多くの人に私たちの思いが届くようになっています。宣言して動き続けているだけですが、それだけでも変化が起きているのが現状です。これが全国の至る所で起きてきたらどうなるだろう?と想像しただけでワクワクしてきます。

◯Aさんの話が多くの人に響きました

私の説明の後にフリースクールを利用している中学生のAさんに話をしてもらったんですが、このことについてはしっかりと触れておきます。

Aさんはほぼ毎日あさりこども園のフリースクールを利用しています。そのAさんには同じように学校に行っていない友達がいて、その友達に対して「自分はこんな活動しているよ」「こんな生活をしているよ」と伝えたいと思うようになり、SNSに思いを投稿しようと自分の言葉でメッセージを書き始めました。その内容がとても良かったので、みんなの前で話をしてもらえないかとお願いをして、今回zoomに登場してもらうことになりました。

この話が本当に素晴らしかったんです。どんな思いであさりこども園に通ってきているのか、そのことで自分の気持ちがどう変わったか、どんなしんどい思いをしてきたか、そして本当は学校に行きたい、そんな思いを一生懸命話してくれました。私もそうでしたが、参加をしてくれたほとんどの人が涙を拭きながら聞いておられたように見えました。

話をしながらしんどい思いが蘇っていたかもしれません。知らない人たちが画面の向こうで聞いている特殊な環境で、かなりの緊張があったはずです。話をすることを承諾はしてくれたけど、本当は不安でいっぱいだったかもしれません。それでも登場して話をしてくれて、どんな思いで話をしてくれたかを想像しただけで、今でも泣きそうになります。

Aさんに話をしてもらった後、参加者のみなさんがAさんにとても温かい言葉をかけてくれました。どの方の言葉もAさんの気持ちを丸ごと肯定するもので、それを聞いていて私も嬉しくなりました。自分のことを自分の言葉で話をしたことによって少しは整理ができてすっきりした部分もあったんじゃないかと思います。自分の気持ちを丸ごと受け止めてくれる大人がいることを知れたのも、もしかすると貴重な体験になったかもしれません。話を聞かせてもらった私たち大人にとってもすごく貴重な機会になりました。

◯大きなミスも・・・

実は今回大きなミスがありました。今回の様子は録画をしておくことを始まる直前まで覚えていたんですが、Aさんが話してくれている途中で録画をし忘れていることに気づきました。感動しまくりながら、録画し忘れた!と後悔もしてと、もうどうすればいいかわからなくなり、結局録画は諦めることにしました。でも「この話はライブで聞いたからこそ良かったと思えばいいですよ」と言われ、その優しい言葉に乗っかることにしました。

◯今まではなかった反響がありました

「この人の話を聞きたい!」シリーズは今回が7回目なんですが、終了後にいろんな人から感想が届いたのは今回が初めてでした。「とても良いお話を聴かせてもらった」「考えさせられました」「始められるところから取り掛かってみたい」といったメールが届いたり、「フリースクールのルールをもう少し詳しく教えてほしい」と電話がかかってきたり。Aさんの言葉が多くの大人の心を動かした結果がこのメールや電話なんだろうなと思うと、じんわり嬉しくなりました。

フリースクールを作るまではいかなくても、できるところ始めて子どもの居場所を作っていこうと考えている人は多いでしょうし、実際に動いている人も多いはずです。そんな人たちが緩やかにつながるネットワークがあってもいいんじゃないか、そのためには活動情報をもっと発信してネットワーク作りを進めていこうと考えてくれた人たちもいて、その人たちはzoom終了後にどんどん話を進めてくれていました。

◯各地で新たな動きが起こるかも

今回はフリースクールの取り組みについて話をしたのは、聞いてくれた人が自分もやってみようと動き出し、全国各地で取り組みの事例が増えていけば次に動く人はさらに動きやすくなるんじゃないか、そして自分も動きやすくなるんじゃないか、そんなことを期待してのことでした。それが想像以上にたくさんの人は反応してくれ、そして動こうとしてくれていることが感じられ、Aさんの言葉の力はすごいと改めて感じているところです。真っ直ぐな思いは周りの人を動かす力を持っていますね。Aさんの言葉に感動した私も、今のフリースクールをさらに前に進めるためにしっかりと動いていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?