見出し画像

2022年1月に読んだ本

『創造的脱力~かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論~』 若新雄純著

地元の女子高生が主役となってまちづくりをおこなう実験的なプロジェクト「鯖江市役所JK課」、全員がニートで、全員が取締役の「NEET株式会社」、違和感とバカらしさで就活をやめた若者のための就活サービス「就活アウトロー採用」など、どうやったらそんな考えが?と思うような事業を次々とスタートさせている若新さん。「かたい」ことを否定はしないけどもっと「ゆるさ」があってもいいんじゃないか、変化の大きい時代は「ゆるい」状態こそが次の新しい「かたい」状態へ移行するためには必要なんじゃないか。そんなことを考えさせらる内容です。

「おしゃべり」の大切さにも触れられていて、非生産的なおしゃべりをもっと容認すべきではという考えにはなかなかの説得力がありました。さあ自由におしゃべりしてください!とは言わず、でもそこにいると自然とおしゃべりをしてしまうような場を仕掛けとして作ることは取り組んでみたいです。


『つながるカレー』 加藤文俊、 木村健世、 木村亜維子著

『マイパブリックとグランドレベル』の田中元子さんの活動と共通点が多いカレーキャラバンの取り組みは、カレーが好きじゃなくても関心を持つ人は多いはずです。見知らぬ人がやってきて、テーブルを広げてカレーを作り始めたら、気にならない人はいないでしょう。現地で食材を購入しご当地カレーを作る。しかもじっくり時間をかけて。出来上がったカレーは無料でふるまわれる。そんな中にコミュニケーションが生まれないはずがありません。こういう取り組みは、カレーをふるまう側とカレーをふるまわれる側とでは得られるものの意味が大きく違うはずです。やる側の景色はぜひ見てみたいです。


『バッタを倒しにアフリカへ』 前野ウルド浩太郎著

今回の本はかなり変わっていて、それでいてかなりおもしろい。まずタイトルからしておかしい。バッタを探してとか、バッタを求めてとかではなく、バッタを倒しにである。この人が何をしようとしているのか、どんな決意を持っている人なのか、興味をもって本を読み始めてしまう。しかも表紙の奇抜さ。緑の衣装で一体何をしようとしているのか?疑問しかない。これも読んでいくとだんだん分かってくる。「バッタ」でもいいし「アフリカ」でも名前の「ウルド」でも何でもいいので、どこかに興味を持った人はぜひ読んでみてもらいたい。こんな人がいるのか!と驚かされ、前野さんの世界に引き込まれていくはず。ゴミダマの雄雌判別方法を知ることができるなど、実生活には何の役にも立ちそうもないけど、でも気になってじっくり写真をみてしまったりと、好奇心を刺激されまくってしまう。

多くの人が困難だと思うであろう道を突き進んでいく前野さんの様子や、その前野さんの姿を見て周りも動き出していく様子に励まされる人も多いと思う。こんなにもすごい人、すごい世界に期せずして出会えたりするのが本のおもしろいところ。いろんな人にこの本のおもしろさを味わってもらいたい。


『自分の意見で生きていこう』 ちきりん著

この中で語られているのは「自分の意見を持とう」「自分の意見を発信しよう」「そのために考えよう」というもの。自分では考えてきたつもりでしたが、次元が違っていたというか、力を入れるべきところから目を逸らし続けていたなあと反省ばかりしながら読みました。同時に何をすべきかも明らかになったんですが、それはとても分かりやすい文章で書かれていたからだと思います。この人の文章はすごく分かりやすいのが特徴です。これも十分な思考の結果なんでしょう。自分の意見をさらに明確にすることと、反応と意見を瞬時に見分けるクセをつけることをまずは目指します。


『鎌倉資本主義』 柳澤大輔著

地域資本主義よりもっと具体的な鎌倉資本主義とは何かを知ることができました。重要なのは次の3つ。
・地域経済資本(財産や生産性)
・地域社会資本(人のつながり)
・地域環境資本(自然や文化)

何をするかを突き詰めることは、経済資本につながり、誰とするかを突き詰めることは、人とのつながりやコミュニティといった社会資本につながる。そして、どこでするかを突き詰めることは、自分たちを取り巻く自然や文化を見直すことになる。この3つを大切にすること、つまり、この3つの資本を増やすことが、結果として、社会をより楽しくし、持続的な成長につながるのではないだろうか。

これが全てだと思います。
そして何よりすごいのは、「面白さ」を追求した結果そこにたどり着いたという点です。面白さが持っている力を再確認すべきなんでしょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?