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【めーたん注目!】EDMフェス・Ultra JapanでのLIVE配信やSNSの活用 これからの音楽フェスについて考える

私は、Ultra Japanが開催されてから毎年参加するほど、根っからのEDM好きだ。お気に入りのDJのTwitterやInstagramをはじめ、彼らが出演するフェスアカウントもぬかりなくフォローし、日々の動向を追い続けいている。

あまり詳しくない人のために説明すると、EDMとは(Electro Dance Music:エレクトロニック・ダンス・ミュージック)の略である。いわゆるクラブで流れるようなノリノリのダンスミュージックのことだ。今年亡くなったAviciiをはじめ、David GuettaZeddThe Chainsomokersなど、ビルボードTop100に名を連ねる世界中で有名なDJによってプレイされている。また、世界にはEDMだけを楽しむ音楽フェスが多数存在する。その中でも代表されるのがUltra Music Festivalだ。日本に上陸し、Ultra Japanとして開催されることを知った時は心が躍った。そして日本での開催は今年の9月で5年目を迎えた。

【目次】
1.LIVE配信を楽しむ世界中のファンたちとUltra Music Festival

2.リアルで楽しむ人を、スマホを通して疑似体験するファンたち
3.大切にしたいマナー。そしてアーティストに対するリスペクト
4.まとめ リアルで体験するという価値について

1.LIVE配信を楽しむ世界中のファンたちとUltra Music Festival

Ultra Music Festivalの発祥は、米・マイアミ。
毎年3月に3日間開催される世界最大級のEDMのフェスだ。その次に有名なのがヨーロッパを発祥とするTOMORROWLAND(ファッションブランドとは全く別で全く関係ない)ではないだろうか。

Ultra Music Festivalの人気ぶりはすごい。販売開始の数分で、チケットが完売するのだ。チケットを購入したいと願うEDMファンが、米国内に限らず世界中にいる。世界中のファンがチケット購入をして、何としてでも行きたいと切望するほど、ラインナップは非常に豪華なのだ。またUltra Music Festivalの特徴のひとつだと思うのだが、チケット購入段階ではまだラインナップすらわからないことが多い。それなのにチケットが数分で売り切れるのは実にすごいことだ。チケットを購入するには、事前にグローバルのメルマガを登録することをおすすめする。あるいは、SNSで積極的に告知を行っているので情報を漏れなくキャッチすることが必須となる(未成年は入場できないので注意が必要だ)。

特にSNSの使い方にも注目してもらいたい。オンシーズンだけでなく、オフシーズンでも情報発信を行い、常にUltra Music Festivalへの期待感を醸成し続けている。アカウントを紹介しよう。まずは本国のTwitterアカウントとInstagramアカウントだ。

TwitterやInstagramなどでのSNS上の告知はもちろん、見逃せないのはLIVE配信だ。Youtubeを使って行われており、国をまたいで世界中のファンが視聴する。各国からのコメントが連なる。そして、LIVE配信を見逃してもあとから同じ熱量を楽しめるよう、動画もアップされる。

そこで参加者に欠かせないのは、Youtubeチャンネルだ。3月のMiamiでプレイされたもの参考にセットリストを予習する。予習の際は、このチャンネル以外にも各DJのチャンネルももちろんチェックするし、直近でDJが参加している他のフェスやLIVEはないかと最新のセットリストを漁る。パフォーマンスを楽しむためには、予習が欠かせないし、いざ当日ノリ切れないなんてやるせなさ過ぎる…。
Ultra Japanの上陸は2013年になるが、当時LIVE配信があったか記憶が定かではない…。今はLINEを使用してLIVE配信が例年行われている。未成年が参加できないだけあって、参加できないファンを育てることに貢献できているのではないだろうか。

2.リアルで楽しむ人を、スマホを通して疑似体験するファンたち

Ultra Japanに限らず、フェスにはSNSに投稿したいポイントが山ほどある。フェスコーデはもちろん、フォトスポットも多数用意されていることが多い。スポンサーとなる企業は工夫を凝らし、SNSでの潜在的な拡散を狙っているのだ。

ファッションに関していうと、Ultra Japanは特殊かもしれない。ロックフェスなどとは違って、ハロウィンの仮装に近いレベルでそれぞれのファッションを思い思いに楽しんでいる。手作りの衣装やコスプレ、定番の双子コーデ、フェスならではの派手なメイクなど普段できない格好を楽しむファンが大勢いる。

フォトスポットでは、例年通りのONITSUKA TIGERや、昨年まではJAL、今年はTik Tokが登場するなど、様々なフォトスポットが用意され、写真を撮るとオリジナルのタトゥーシールなどのグッズがもらえたりするので思わず試したくなる工夫が現場でも施されている。会場を囲う幕すらも、意図せずフォトスポットとなり、皆、思い思いにUltra Japanのロゴを背に写真を取りSNSにアップしている。

さらに特徴的なのは、フェスのLIVE配信だ。メインステージの大物DJのプレイがほぼすべてLIVE配信を通じて見ることができる。チケットは安くなく、全日程参加すると結構お金がかかってしまうこともあるためか、参加できないファンに向けてLIVE配信がされるというのは実にありがたい…。私自身もその恩恵を大に受けている。

こうして、他のフェスとは一味違うフェスの楽しさ(リアル感)をユーザー自身がSNS上で伝えることで、それが参加していないユーザーの憧れに代わり、自分も行きたいと思わせる。また、その場に行かなくともまるで行っているような気分になれるが、でもどこか物足りない…。画面越しではなく、自分の目で、生で見て見たい…!来年こそ行くぞ…!という気持ちにユーザーをさせることができたら成功ではないだろうか。

3.撮影OKのイベントで大切にしたいマナー・アーティストに対するリスペクト

海外アーティスト・DJは撮影OKのことが多い。このUltra Japanも例外ではなく、撮影OKだ。そのため、どんどんUGCで拡散されていく。
日本のアーティストでも撮影OKを公言しているアーティストもいるがまだまだ少ないのではないだろうか。
撮影OKにすることの一番のメリットは、やはりユーザー自身による拡散だ。「あの子、行ってるんだ~、いいな~私も行きたかった!」「え?あの子も行ってるの?!」「待って、皆行ってるじゃんw私も行くw」とまで思わせることができたら、こっちのものだ。来年は私も一緒に行きたい~!とユーザーたちが私たちには見えないダークソーシャルな部分(DMやLINE)で、きっとやり取りが進められていることだろう。
しかし、撮影する際、参加者側はしっかりルールを守る必要があるし、周囲の人に対するマナーやアーティストに対するリスペクトを忘れてはいけない。
マナー面でいうと、Ultra Japanの場合は自撮り棒の使用禁止だ。禁止にもかかわらず、使用している場面を何度も見かける。後ろにいる人の邪魔になるだけでなく、自撮り棒を持ったままジャンプしたり踊ることで周りの人にけ怪我をさせてしまうこともあるかもしれない。フェスの主催者側もサイトに記載しているし、今年はInstagramのストーリーズでも発信していた。それでもなくならず、注意が行き届かないのは、あの人の押し寄せる会場では致し方ないことかもしれないが、楽しむ側も参加者として何をしてはいけないのかをしっかり把握しておく必要があると思う。

アーティストへのリスペクト面でいうと、撮影することに夢中になってしまい、アーティストのパフォーマンスを楽しまないということはあってはならないことだろう。いくらお金を払っているからと言って、撮影OKだから撮るとしても、微動だにせずカメラと睨めっこしてるような観客を見て、アーティスト側もいい気分になるわけがない。幸い、Ultra Japanではそういう場面は見かけないし、みんな全力でDJ達のパフォーマンスを楽しんでいるので心配ないと思うが、これから海外アーティストのフェスやLIVEに参加する人には、ぜひ覚えておいてもらいたい。

4.まとめ リアルで体験するという価値について

音楽フェスの良さやアーティストのライブの良さとは、「好きなアーティストの音楽を、そのアーティストを好きな人たちと一緒に、リアルで体験できること・時間を共有できること」だ。それを疑似体験できるのがSNSやLIVE配信ではないだろうか。

賛否両論あることは重々承知だが、LIVE配信や参加者によるSNSでの拡散は、それらのメリットを活かし、リアルで体験できない人をあたかも「リアルで体験しているように感じさせ一緒にイベントを盛り上げる」ことができる。そして、その参加できなかった人々が、来年の参加者になり、そのまた来年の参加者となり膨れ上がっていくと考えると、ファンとアーティストそしてフェス運営のWin-Winの関係になるのではないだろうか。
どうか日本のアーティストたちには、撮影が許可されることで自分たちが消耗されると誤解してほしくないと思う。私は、LIVE配信や撮影OKになることでリアルで見る人が減ると思わない。なぜなら、リアルで見ることのほうがよっぽどファンにとって「価値」があることだからだ。例えるなら、実際に花火大会やお花見に行くのと、他の人のSNSを見て、「あ~、私も行きたかったなぁ」と思う気持ちに近いと思う。

実際に自分がリアルで見て、聞いて、体験することに、人は価値を感じるのだ。ましてや、そこに大好きなアーティストが同じ空気を吸っていると考えればなおのことではないだろうか。

今年、初めてFUJI ROCK FESTIVALでもLIVE配信が行われた。半分近くが海外アーティストだったが、国産フェスLIVE配信の大きな一歩だと言えるだろう。今後、日本を代表する音楽フェスがどう変わっていくかが楽しみだ。

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