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If you are…#18 Quarrel(智北・吉野)※最後に予告あり

画像:フリー素材.com様(https://free-materials.com/ボウリング場(レーン)01/)

今日は複合レジャー施設とやらに来ている。このレジャー施設はボウリングだったりのスポーツができるというのがウリらしい。で、なぜこんなところに来ているかというと…まあ、いわゆる打ち上げというやつだ。『本校の生徒がドラマに出た』というだけで貸切にする学校も学校である。

『ドラマに出た』というだけで察してもらえたかもしれない─そう、八重先輩もいる。キャッキャウフフができるかもしれないと考えたのならそれは大きな間違いで、なんなら今、目の前で喧嘩が繰り広げられている。

「なんで部外者がいるんですかねえ。」

「んー?なんかあっちゃいけないから監督任されてんの。変なことがあってもダメだからね童貞くん。なんなら彼女をここで保護したっていいんだけど?」

「先輩が遊びたいだけですよね⁈」

『監督』目的で来ている智北先輩と八重先輩とずっとこんな感じでボウリングひとつすらできやしない。人によっては『私のために喧嘩しないで!』と可愛く止められるのかもしれないが、私にそんな可愛げは存在しない。

「博多さん…だよね?」

聴き慣れない声がしたので振り向くと同じクラスの、同じくドラマでモブ役をやっていた男子がいた。どうやら誘われているようだったから私は彼とその場を離れた。喧嘩している二人は気づいていないらしい。

~side change~

なんでいるんだこの人。ドラマにすら出てないのに監督でくるとか、生徒会ってそんなに偉いのか。

「八重くん。」

言い合いしていた中で急に先輩がそれをぶつ切りするように俺を呼んだ。つい驚いて黙ると先輩は「あっち」と口パクして遠くを指差した。その先では智子ちゃんが他の男とボウリングをしていた。

「ここでまだ話すのと虫払い、どっちが先の方がいいと思う?」

「それ聞きます?先輩だってわかって聞いてるくせに。」

~side change~

ボウリングというのをやったのだがボールは重いし思い通りに行かないしでボロボロだった。一方の彼は経験者だったようでストライクだったりスペアを何回か叩き出した。その度に無邪気に喜ぶ姿は八重先輩とどうしても重なってしまう。

─ああ、早く先輩の喧嘩終わらないかな。

すると、後ろから禍々しいオーラが漂い、次のボールを取るためにこちらに振り向いた彼は青ざめてしまった。

「誘えて良かったねー。」

「人の彼女だってわかってて誘ったのかな?度胸があるんだねー。」

姿が見えてはいないが、先輩たちの言葉にはどこか棘があった。


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【お知らせ1】残り約2週となりました『If you are…』ですが、次からの1週はちょっと重いかもしれません。人によっては閲覧注意です。

【お知らせ2】先日、株式会社ループループ様から次の期間限定ユニットである『ZERO BEAT』の発表がありました。これをもとにまたシリーズを書く予定なので乞うご期待。(但し内容はアレなんですけどね。)


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