詩 うすら寒い

水槽の中で喚いていた あの時は冬だったはずだ
はずだ。熱はもう感じられないから隔離された底には未知
集まればあの、吹聴する流れ 安らかなる貝の死
ヒトデたちがやって来る
ドラスティックな海中雪崩に

願わくばエンジニアの夢 届いてはいないか
光はいつまでも届かないまま待ち続け

忽焉、緩やかなサメの眼球に寄生している
冷たい海水の一骨 するすると入り込む
歩く場合は泳げない 暗くて冷たいから
ゆっくりと立ち上がる植物 それに絡めとられて

水槽は壊れて喚けない
ヒトデたちを踏みつけて生きた
ほんの一部の終着

そらぞらしく 鼓動
うすらとした 迷妄
とうめいな 冰

釘を打ち込み打ち込まれる。 そんなところです。