マガジンのカバー画像

詩作 凡庸なる自然たち

42
言葉を並べて、詩と謳った凡庸な表現たち。 そこに映し出されるものだけを切り取っている。
運営しているクリエイター

#詩

黒子も見えずに

何もかもを食い潰しながら先攻、懐かしいような生臭い体内で探し始めなくちゃ だのに駅は見え…

釘
4日前
1

集合体

人工的――結実師に柔らかなる肌 冷たい怒り 罪はなくどこへも行くなと 人を見ずに目の前を見…

釘
1か月前
3

やつら

目がないそいつら 耳がないやつらが 口とその跡を残す時に生まれた 本当にいたのか フォグ 幻…

釘
1か月前
1

lingering scent

散策中の芽を探している。熱のない顔でふらついた夜半 <倫滅>赤いような死に絶えた土弾き や…

釘
1か月前
1

完熟に香りを重ね

募る不安だとか やり方を間違えてしまい、どこにも行けない やっていることに意味はあるか …

釘
2か月前
1

詩:nest

徐々に頭が硬化していくような恐れ 冷笑と隷書に関連を見つけ 平べったく木のようだ 涼むまた…

釘
3か月前
2

小説:創作の勇気

年々失われつつあるもの 気色の悪い清涼飲料水には果糖ブドウ糖液糖を 暑いので流し込め 勝手に忘れちまうさ  気体のない空間に遊歩道、歩けば犬に吠えられ猫には威嚇されて、女学生のクスクスに男学生のフリをして嫌なもんだ。  崩れた場所を避けて掃けて去り行くような目玉に枝を刺しては叫び声を響かせ、人気はもうずいぶんと昔から感じられない。  やつれた合理主義の末路、薬物中毒者の未来に社会を重ねてみたり、移ろいゆく人は激しく自明に何もかもを晒し尽くしたから、圧倒的自己否定の隙間に生き

探しモノ壊れモノありモノ

気もそぞろに薬莢を弾く遊び 許しがたい寂寞に残渣の鳴り響く ガラス: 鳥のような牙に痣は可…

釘
4か月前
6

食われちまったよ

私たちはデジタルに食われちまった もう静かなところはなく 騒がしさだけが安心 恥知らず! …

釘
5か月前
2

我楽多

石狩の展示、かすかなリフレインを無言で披露する。水上は光り、嘲るような天竺も喋る公職選挙…

釘
6か月前
2

詩 我々のいちぶ

 懐かしさを覚えたら狼狽える飼い犬の足先にキスでもして募る思いを猛々しく:ワラスボと役立…

釘
7か月前
6

詩 響滅

 熱の居ぬ間に抱き合わせの競争を紐づけられた  見た目に違わぬ愚かさの泥、夢見るもの 痴…

釘
8か月前
3

詩 燐光、部分的なる

雷が鳴っていた ある時には 地に臥せたあの顔 我儘な手助けのこころ 求める形と得体の知れ…

釘
9か月前
5

詩 かえりみち

 好きです。六番街。  どうやらちぎったパンも誰かの一部  労いの吐露、追い吐かぬ 雨だろうさ  まじまじと ねじねじと 今日あること  避雷 卑猥も焚べれば  少数の人々が言うだろう ーー喰らわせたのは愛做る天竺、牡丹頭落。盗みに偸み、ざらつくなら捨て去れ。 ますますやられて 輝けるスリッパの曲 カチカチ とはマダニ カチカチ sとzで よっと ウプシロン 帰らせぬ白線 イカれた粘炭 どこか少しずつ 誰かの一部 うるさい気持ちを鳥渡 悪くないよ 塀は全部違反ですから