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第48話 巡り合わせの必至



 トリガーは、あきらの筆箱が登校直前になって壊れたこと。縫製が破けて派手に穴が空いてしまったらしい。

 鉛筆、マーカー、ミリペン各種、消しゴムと練り消しとその他諸々。絵描きの筆箱はどうしたって、画材でかなりかさばってしまう。
 取り急ぎ用意できるものとして、私の切り絵の道具を入れている大きめのポーチを貸してあげることにしたが、それだって一瞬でパンパンになった。

「今日は文化祭だけなんだからもう少し減らしてから行けば?」と声をかけたのだが、「美術部の展示の受付中にも色々描いたりするから、一応全部持っていきたい」との返事が返ってきた。


 朝から丸一日中、全校生徒がステージ発表を鑑賞するのが文化祭二日目。
 初日は午前中に、地域で活動する様々なジャンルの講師を招いた文化芸術体験があって、午後からは、夏休みの宿題で県展に行ったものや文化部の作品展示を友達同士で自由に見学するというスケジュール。スサナル先生のステージは、この午後の時間に当てられている。


 美術部の受付は交代制で、主に一、二年生の役割だという。
 学校で印刷した部冊子や個人誌を希望者に配布したり、数種類の画用紙に描き比べを体験してもらって、希望があれば絵のアドバイスをしたりするのがその仕事。


 そして、見学の生徒たちの一団が受付を離れて人がまばらになった時、たまたま近くを巡回していた吹奏楽部顧問のヤマタ先生が、あきらのポーチに目を留めた。

「すげー懐かしいバンド!めっちゃマニアックじゃん。」

 一瞬何のことを言われているのかわからなかったが、ヤマタ先生の指先が、ポーチにつけられたキーホルダーを指していたことであきらにも合点がいった。

「ああ、これ、うちの母親のなんですよ。イギリスのバンド?アメリカ?昔通販で買ったチョーカーかなんかを、金具替えてキーホルダーにしたそうです。」

「イギリス、イギリス。
へー、この音楽知ってる人に俺会ったことないよ。お母さん知ってるの。ああそう、そうなの。ふーん。」


 帰宅したあきらからそのやり取りを聞かされて、ちょっと笑ってしまった。

 喜んでくれたのならよかったけど、あの人たちの曲、テレビのジングルに使われてることもあったしそんなに無名じゃないと思うけどなぁ。現に旦那も知ってたし。

 だけどあきらに言わせると、ヤマタ先生は一体何がツボだったのか、なんかやたらと感心していたとのことだった。


 この時はまだ知るはずもなかったが、この小さな出来事をきっかけに、徐々に私の生活が暗転していくことになる。


written by ひみ

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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

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……こういうシンクロってあるよね。なぜか「絶対引き合わされた」っていうかんじのやつ。

そして私も本当にここから大変だったんだけど、『本物のツインレイ』なら各自で設定してきたあらゆる大変さに立ち向かっていくことができるの。
(今後の展開にも注目してね笑)
それは、どれも尊敬に値する。どのツインレイの課題も過酷で、同時にとても、素晴らしい。
浮ついた恋愛ごっこだけでツインレイに会いたいと願う人たちには、絶対に辿り着けない境地があるの。
真のツインレイだけが放つ、比類なき輝きがあるの。
だからこそ、本物のツインレイを目指す『戦士』を本気で応援していきたい。

これからのmeetoo、ツインレイのサポートに全力で舵を切ります!あなたの自己統合をサポートします。
けーことけーこのツインの彼、私とスサナル先生、そして高次元が実はひとつのチームとして動いてます。
私とけーこが『ノープラン』でも、それすら駒として組み込まれてるの。
完全なる自己信頼と、もう一人の自分への信頼が為せる技。

follow mee! follow meet∞!

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