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なんとなく

コツコツ、ゆらりとめえこです。

本日のお話は不快に思われる方もいると思うので、カメラや写真に関わる方はスルーしてください。しかも長いです。これまた、ごめんなさい。



☆☆☆

むかし大雪が降り、家の周りには真っ白な雪が積もりました。

小学生だったわたしは家にあった、キャノンと書かれた黒いレトロなカメラを首にぶら下げて、写真を撮りに一人で出掛けました。

雪は止んで、あたりはしんとしていて目の前は真っ白で、とてもとてもきれいでした。

街路樹にうっすらとかかる雪、公園の池に反射するキラキラ光る雪。雪が混じってぐちゃぐちゃになった土の匂い、ふり返るとわたしの足跡しか残っていない真っ白な坂道。
わたしはたくさん写真を撮りました。

そして後日、現像されて戻ってきた写真を見て思ったこと…。

「なにこれ。わたしが目で見たのと全然違う。写真なんて本当のことなんて、何も伝わらないじゃん」

それから、そのカメラで風景写真を撮ることはなかったと思います。

わたしは文章を書く人間です。
伝えたいことは文字にして伝えることが多いし、それが楽だと思っていました。
口に出して言えないことも、文字にしたらうまく伝えることができる。だから、ハッキリ言葉にして伝えたらいいのにって思っていたのですが…。

それが少し。なんとなくだけど、最近かわりはじめて…。

SNSでたくさんの写真を見て、皆さんの想いを見て、力強さや儚さなど素敵なストーリーがあるんだなと思って眺めていました。みんなに公開する理由が知りたいなんて聞いたこともあります。

それでも、やっぱり言葉にした方が伝わると思っていました。だから、キャプションを読んでから写真を見て、その人の伝えたいことを感じたりして。

うーん。今日はちょっと難しい。というのも、言葉では伝えられない気持ちがあるというのを知ってしまったから。
例えば、単純に言葉で『好き』と伝えるのを、ある人は月の写真で『好き』と伝える、ある人は花の写真で『好き』と伝える、またある人は新幹線の写真で『好き』と伝える。
…それぞれの表現方法があるんだ!って気づいたんです。
わかってもらえないかもしれないけど、わたしが今まで見てた写真は見たままなだけであって、撮ってる人がどんな思いでカメラを手にして、その風景を見ていたのかなんて想像したこともありませんでした。

そして、そのことに気づいたきっかけがこれ。

仕事帰りにスマホで撮りました。

桜の木です。撮ったのはわたし。

この写真を撮るときに、ふと思ったのが『みんな見てくれるかな』という気持ち。その時、『あっ!撮る人はこういう気持ちを写真に表現しているんだ』って思ったら、わああああって心の中が透き通るような海や空や光が無限に広がっていく気がしました。

それから、帰ってみんなの写真を見ると今までとは違って見えてきたんです。
撮る人の姿が見えてくるみたいで。

なんとなくだけど。写真を撮る人の気持ちがわかった気がしたんです。

それが、なんとなく、うれしかったんです。

だから言葉よりも何よりも、写真ってその人の本当の気持ちが現れているんじゃないかって…。

「本当のことなんて何も伝わらない」なんて言って、ごめんなさい。




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