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お仕事の話

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今までに経験したお仕事のお話
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#エッセイ

初めての仕事

初めて自分のしたことで対価を得たのは、まだ小学校にも入っていなかった頃だと思います。 私の母はこわい人でしたが、祖母の家にいとこ達が集まったときなどには、ユニークな言動をする人でした。 「白髪を抜いてくれたら1本につき1円あげる。」 「肩たたき100回で10円。」 夏に皆で海に行き、後日、背中の皮がむけたときには、 「皮を1まいむいたら1円。おおきな皮がむけたら2円!」 などなど… いわゆる『お駄賃』というものですね。 それで手にしたお金を持って、近くの駄菓子屋へ行き

新聞配達

私は小学生の頃、市営の団地に住んでいました。 団地には、同じ年ごろの子供がたくさん住んでいて、学校から帰って来てランドセルを置き、外に出れば、誰かしらひとりくらいは遊び相手がいました。 学年に関係なく、友達がたくさんいました。 中でも、私が1番大好きだったのは、2つ年上ののんちゃんでした。 のんちゃんは、団地の周辺にある一軒家数十件に、毎日夕刊を配達していました。 遊んでいても夕刊配達の時間になると、お別れをしなければなりませんでした。 別れがたい私は、いつからか、その配

廃棄物処理業者で働いていたときのお話

その会社の社長と初めて会ったのは、私が高校を卒業後に入社した会社でOLをしていた頃でした。 私の持っていた原付バイクを、 「もう乗らないんだし保険をかけ続けるのはもったいないから処分してしまおう」 ということになった頃、タイミングよく自宅のポストに 『いらないもの引き取ります』というチラシが入っていたので、母が3000円を業者に支払い引き取ってもらいました。 数週間後、そのバイクが売れたからといって、その業者が1000円を届けにきたそうです。 どちらの日もわたしは不在でした

格安ラーメンチェーン店

離婚する際、私達家族は、 夫と長女、私と次女 というふうに、2人ずつに分かれることにしました。 とにかく、次女と2人だけの生活が始まりました。 快適なことこの上ありませんでした。 次女は赤ちゃんのときから、常にご機嫌なこどもで、 いつもニコニコしていて扱いやすく、 それでいてしっかりしていたので、 ストレスになることなど何もありませんでした。 夫が帰ってくる心配もなく、 毎日好きな物を食べ、 週末は家に友達を呼んだり、 友人家族と外食したりして過ごしました。 自分の稼いだお