バスティーユデー・セレブレーション2024 in NYC 【限定記事】
235年前の7月14日、フランス・パリの民衆がバスティーユ牢獄を襲撃し、フランス革命が始まった。7月14日のバスティーユデー・セレブレーションは、文句なしにフランス国民最大のイベントとして、本国フランスはもちろん、世界各地のフランス人コミュニティーの間で盛大に祝われてきた。
中でもニューヨークのバスティーユデー・セレブレーションは、本国フランス以外では最大規模。毎年、米仏の文化交流協会「L’Alliance New York」があるマンハッタンミッドタウンのマディソンアベニューと60ストリートを中心に、59ストリートから63ストリートまでの4ブロックが歩行者天国になり、フランスゆかりの店が並ぶ「リトル・フランス」に様変わりする。
毎年バスティーユデー前後の日曜日に開催されるのだが、今年はまさに日曜日が7月14日のバスティーユデー当日とドンピシャ。実は、昨年は開催直後に大雨の影響で中止に追い込まれていて、2年越しの思いが詰まったイベントでもあるのだ。そして何より、今年はまもなくパリ五輪が開かれるという歴史的タイミングでもあり、感慨もひとしおという中での開催となった。
フランス系のストリートイベントだけあって、食べ物のクオリティが高い!!どの店もハズレなし、いずれも劣らぬ美味しさで、美食の国、フランスの真骨頂を見た気がした。
近年ニューヨークには外はサクサク中はバターたっぷりのクロワッサンが味わえる、味自慢かつオシャレなフレンチベーカリーが続々進出している。クロワッサン大好きの筆者としては嬉しい限りなのだが、そんな筆者が注目していた「ジュリアン・ブランジェリー」「アンジェリーナ・パリ」「ミルフィーユ・ベーカリー」「カフェ・ダビニョン」など人気のベーカリーが会場に集結し食べ比べまでできてしまうのは、私ごとながら実に至福のイベントだった。
ニューヨークで週末によく見るストリートフェア同様、会場にはベンダーが立ち並ぶのだが、おフランスのお祭りとあって、一つ一つがどこか洗練された雰囲気。来場者もどこかフレンチマダム風のファッションの人が多かった。デザートのお店一つとっても、味気ないテントではなく、カートスタイルの優雅でオシャレなデザインをほどこすのはさすが。
会場にはゆっくり座って飲食できる広めのテーブルがあったり、子供が遊べるアクティビティーブースがあったりと、ビジーなニューヨークにあってもせかせかせず、ゆったりしたヨーロピアンの休日を満喫できる空間になっていた。
もちろん魅力は出店だけではない。60ストリート沿いには、フランスの自動車メーカー「シトロエン」のビンテージカーが並んだ。
そして今年のユニークな目玉イベントは、フランス人アーティストJRによる参加型アートプロジェクト「Inside Out」。“Faces of the French-Speaking World(フランス語スピーカーたちの顔)”と銘打つこのプロジェクトは、白黒水玉模様をバックにしたフォトブースで撮った自分の写真を1mほどに引き伸ばし、ストリートに自分の顔を貼る、というもの。これが大人気で、1ストリート分では足りないほどの長蛇の列に。参加者は皆ハッピーな表情で、巨大な自分の白黒写真とともに記念撮影していた。
フォトブースの設置はバスティーユデー限定だが、「L’Alliance New York」では「Inside Out」プロジェクトが過去152カ国で行ったイベントの様子をまとめた展示を8月1日まで開催している。
「L’Alliance New York」
22 E 60th St, 1st Floor
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