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コロナ5類移行で「オンライン診療」はどうなる?独自調査と活用事例からみる、最新の利用実態

こんにちは、メドレー広報室です!

ようやく花粉の季節も終わりに近づき、屋外でマスクをしていない人も増えてきました。5月8日には新型コロナウイルスの感染症法上の分類が季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行します。

新型コロナウイルスの感染拡大を経た今、オンライン診療はどのように活用されているのでしょうか。また、新型コロナウイルスの5類移行後のオンライン診療はどう変わっていくのでしょうか。
メドレーが生活者を対象に行った独自調査からみる最新の利用実態やユーザーの実例なども交えて、オンライン診療のこれまでと今、そしてこれからを解説します!

コロナ禍での大規模な規制緩和が、オンライン診療普及のきっかけに

オンライン診療は、1997年に厚生省(のちの厚生労働省)によって正式に利用が認められました。当時は「遠隔診療」と呼ばれ、離島・へき地の患者などに限られたもので、すぐに普及はしませんでした。その後、2015年に厚生労働省から、「前述の条件以外の患者に対しても、医師の判断のもと利用できる」という事務連絡がなされ、事実上のオンライン診療の解禁となりました。そこから、未来投資会議など政府の重要な会議でのオンライン診療推進の言及、インターネット・通信技術の発達などにより、普及への期待感が高まっていきました。

2018年には厚生労働省から「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が策定され、オンライン診療に関する具体的な運用が整理されました。同年の診療報酬改定※において、有用性と安全性が考慮された算定要件となった一方で、普及の方向性とは反した「対象疾患の制限」や「初診以降の対面診療期間の制限」などの大きな制限がかかりました。また、同年の診療報酬改定では、オンライン診療料、オンライン医学管理料、オンライン在宅管理料などの診療報酬が新設されたものの、対面診療との診療報酬に大きく差がつくことになりました。
※診療報酬改定とは、2年に一度、保険診療の費用のベースとなる検査・治療などの診療報酬の点数を見直す改定

2020年にこの流れに大きな変化が訪れました。新型コロナウイルス流行により、特例措置として「対象疾患の制限」や「初診以降の対面診療期間の制限」などの制限が緩和され、コロナ禍での感染拡大防止を目的とした通院手段としてオンライン診療が注目されます。
さらに、2022年の診療報酬改定では、特例措置で緩和された制限が概ね恒久化されるとともに、オンライン診療定着の大きなボトルネックとなっていた診療報酬が、対面診療の9割程度まで引き上げられました
この改定により、今までオンライン診療の利用が難しかった患者も、医師の判断のもと、通院における選択肢としてオンライン診療を選ぶことが可能になったのです。

詳細は下記のnoteでもまとめていますので、ぜひご覧ください!

調査からみる「オンライン診療」最新の利用実態

これから使ってみたいオンラインサービスではトップに

メドレーがインターネットで実施した意識調査で生活に身近なオンラインサービスの利用経験について聞いたところ、日々の暮らしの中で利用頻度が高い、買い物や金融関連のサービスの利用が多い結果となりました。とくに、「オンラインショッピング」は85.8%の人が利用しており、現代人の生活ではオンラインでの買い物が一般的なものになっていることが伺えます。

「オンライン診療」(18.5%)や「オンライン行政サービス」(27.0%)は、まだまだ利用率に伸びしろがあり、実際に、利用したことがないがこれから使ってみたいという回答があったオンラインサービスの中では、「オンライン診療」がトップという結果になりました。

利用者は20~30代が中心、ライフスタイルに合わせて時短のために活用

オンライン診療の利用者について見てみると、デジタルツールを日常に取り入れていることの多い20〜30代での利用率が高く、全体の6割近くを占めています。

オンライン診療を利用するメリットについては、「移動にかかる時間や診療・会計の待ち時間をほかのことに使える」(56.5%)が半数以上を占めており、時間短縮の手段としてオンライン診療が活用されていることがわかります。
その他には「外出先での感染症への感染を防ぐことができる」、「仕事と育児や介護の両立がしやすくなる」などの回答があがり、一度でも利用したことがある人は利便性や安全性を理解して、オンライン診療を自身の生活に取り入れている様子が伺えました。

また、利用者にどういったタイミングで利用しているかを尋ねたところ、「休日の空いてる時間」や「仕事の昼休みや休憩時間」などのスキマ時間に利用している人が多い傾向に。若い層を中心に忙しい現代人のライフスタイルに寄り添うツールとして活用されているようです。

重視するのは「適切に診断が受けられるか」。対面診療と同様に医療への信頼性を重視

オンライン診療を利用する際に重視するポイントについては、半数近くの人が「適切な診断が受けられるか」(48.3%)をあげており、次いで、「信頼できる病院を選ぶことができるか」(36.5%)、「費用が対面費用と比べてどの程度差があるか」(30.3%)、「時間短縮になるか」(28.5%)、「登録などの手続きが簡単か」(26.3%)の回答となりました。時短等の利便性でオンライン診療を活用する一方、対面診療と同様に医療への信頼性を重視していることが伺えます。

オンライン診療の利用経験者のうち、8割は「今後も使いたい」

診療科ごとのオンライン診療の活用状況について聞いたところ、27の診療科のうち22の診療科では、オンライン診療のみよりも対面とオンラインを組み合わせての受診が上回る結果になりました。対面とオンライン診療を組み合わせた受診の割合が多かったのは、内科がトップで、皮膚科、耳鼻咽喉科、消化器科と続きます。
さらに、オンライン診療利用者における利用意向では、8割を超える人が今後も利用したいという結果となっており、対面とオンラインを組み合わせた受診スタイルは、次世代型の診察方法として、今後さらに浸透していくことが予想されます。

さまざまな症状や疾患で活用されるオンライン診療

実際に、利用者はどのようにオンライン診療を取り入れているのでしょうか。
例えば、月経困難症などの婦人科疾患に対する低用量ピルの処方や高血圧に対する降圧薬の処方、睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP(持続陽圧呼吸療法)、アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法など、定期的な通院が欠かせないケースでは、忙しくて通院の間隔が空いてしまったり通院ができなくなる場合もあります。医師と相談しながらオンライン診療を取り入れて通院の負担を減らすことで、治療が継続しやすくなります。

コロナ5類移行後も、感染症の経過観察や生活習慣病での通院利用に期待

コロナ禍を経て浸透してきたオンライン診療ですが、新型コロナウイルス感染症の5類移行によって患者としての利用にはどのような影響があるのでしょうか。

冒頭でのオンライン診療への規制緩和の振り返りの通り、2022年の診療報酬改定によって緩和された条件は恒久的なものとなっているため、コロナの5類移行によって現在オンライン診療を取り入れている患者の利用が制限されることはなく、これからも継続してオンライン診療を活用することが可能です。なお、厚生労働省は、感染症法上の位置づけ変更後の療養期間の考え方として「発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことに注意してほしい」と示していることからも、コロナ陽性となった場合の療養中のオンライン診療は引き続き有効だと考えられます。とくに、介護施設や高齢者入所施設におけるコロナ陽性者に対する診療では、看護師同伴のもとでのオンライン診療の活用が推奨されています。
また、定期的な通院を必要としている患者にとっては、今後も医療機関ごとの診療経験が蓄積されたり、幅広い活用事例が共有されることで、さらなる活用の幅の広がりが期待できます。

オンライン診療だけでなく、医療を取り巻くデジタル化はここ数年でさらに進むことが予想されます。メドレーでは「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッションのもと、引き続き、患者が医療ヘルスケアを使いこなせる未来の早期実現に向けて、利便性の高いサービスの提供に励んでまいります!


【調査概要】
調査名称:オンラインサービス・オンライン診療意識調査
調査対象:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、愛知県在住の20〜60代の男女
調査方法: インターネット調査
調査日: 2023年2月16日~17日
有効回答数:400件

調査名称:オンライン診療利用実態調査
調査対象:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、愛知県在住の20〜60代の男女
調査方法: インターネット調査
調査日: 2023年2月16日~17日
有効回答数:82件

※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります


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