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起業失敗の経験を経た私が、新規事業リーダーになるまで

こんにちは。2024年の春にメドレーに入社し、現在は新規事業を担当している前田です。

導入から重い話になってしまいますが、私がメドレーに入ったのは、起業が失敗に終わったことがきっかけになります。起業の失敗は個人的に人生で1番と言っても過言ではないくらい辛く悔しい経験でした。

そんな状況から、私がメドレーに入社を決めた理由や、今はどんなことをしているのかなどを書いていきたいと思います。誰かがメドレーに興味を持ってくれるきっかけになれば嬉しいです。


「Pairsでの成功体験」と「起業での失敗体験」

これまでの私のキャリアを簡単に説明すると、2019年まではマッチングアプリ『Pairs』を運営する株式会社エウレカで、事業開発(Bizdev)や新規事業の責任者をしていました。

エウレカに入社した当時、マッチングアプリは「出会い系」と揶揄されるほどに社会的スティグマが強かったのですが、私がいた5年の中で「社会にとって当たり前のもの」として受け入れられていくという貴重な経験をすることができました。また業界未経験の第二新卒として入社しましたが、キャリアの中で責任のあるポジションを任せてもらったことを含め、仕事に対する自信をつけることができたのもこの期間でした。

そして、その後2020年に起業し、『Unlace』というC向けのメンタルヘルスサービス(オンラインカウンセリングサービス)を立ち上げました。

メンタルヘルス領域で起業したのは、私自身がメンタル不調になった原体験から、“心の病を気軽に相談できる場所”の必要性を感じたからでした。またメンタルヘルスの領域も『Pairs』と同様に社会的スティグマが強く、自分が経験したことを活かせると思っていました。しかし、いざその領域でチャレンジしてみると、予想以上にビジネスモデルの壁にぶつかることとなりました。

そもそもメンタルヘルスサービスは、「使わなくて良いなら使いたくない」というものであり、「良くなれば使うのをやめる」という性質を持ちます。コロナ禍の影響もあって社会からのニーズが高まり、一定の成長を見せることができましたが、次第に伸び悩むようになりました。

もちろん、『Unlace』を立ち上げたときに抱いた「心の病の治療に対する敷居の高さを解消したい」という想いは最後まで変わることはありませんでした。しかし、投資を受けているスタートアップとして求められる急成長を実現することができず、サービス終了、組織の解散、そして会社の清算という結果となりました。

このように私は数年という短期間のうちに、エウレカでは『Pairs』という急成長し世の中の当たり前になったサービスを経験した一方で、自身で起業し立ち上げたサービスは終了させるという、相反する2つの貴重な経験をすることとなりました。

起業の失敗は私自身の能力の至らなさによるものですが、同時にビジネスモデルや展開する事業カテゴリの重要性を身をもって学んだことも事実です。その後私は再び企業に所属する選択をするのですが、ビジネスモデルや事業領域は企業選びにおいてとても重視することとなります。

なぜメドレーなのか

私は、会社員6年、起業家4年というキャリアの11年目で、再び会社員に戻ることを決めました。想いを持ってヘルスケア領域で起業していたこともあり、同じく社会意義の強いヘルスケア領域で事業を展開する企業を探していました。

その上で注目したのが、人口動態という確実性の高い予測であり、この「必ずやってくる変化」に対してチャレンジできる環境に身を置こうと考えていました。また、『Pairs』も『Unlace』もtoCサービスの経験だったため、toBの領域を経験したいとも考えていました。

それらを踏まえ、入社を決めた会社がメドレーになります。
以下がその際の決定軸になります。

①社会意義性が高いヘルスケアの市場に対するサービスを展開している
②人口動態から予測できる労働力の減少に対してサービスを展開している
③既存事業での利益から、新しい機能・サービスを積極的に投資している
④既存事業のアセットを③に生かすことができ、規模の大きいことを垂直に立ち上げることができる

また、オファー面談で現在の上司で上級執行役員でもある石崎さんからのフィードバック内容が、転職を決めた要因として大きかったです。よくある「即戦力として来てください。あなたの力が必要です」というものではなく、自分の未熟な点に対しても指摘をいただき、「その上でまだまだ成長できるポテンシャルがある」という評価をいただきました。

起業の経験を経て「成長してもう一度経営にチャレンジしたい」と思っていたので、成長という観点でフィードバックをいただいたのはとても嬉しかった記憶があります。

エントランスにて

入社してつまづいた話

スタートアップ起業家からプライム市場上場の1,000人超の会社で働くことになり、戸惑いは正直ありました。カルチャーの違いについて入社前のオファー面談でも懸念としてフィードバックされていたのですが、それがそのまま的中してしまいました。

特にコミュニケーションスタイルや仕事の進め方にギャップを感じていました。私としては、入社直後から推進力を持って進めていきたい一方で、メドレーでは入社後の1ヶ月間はキャッチアップのためのタスクが多いです。もちろん必要な期間だと理解していたものの、自身が担当するプロジェクトや領域を持たない状態で時間が過ぎていくような気がして、「このままで大丈夫か?」と感じていました。

ただ、メドレーでは会社のカルチャーがしっかり浸透してるので、自分に求められているコンピテンシーを理解することで、これらのギャップが解消された気がします。今までの仕事の進め方や一緒に働いてきた人の性格、求められている振る舞いや行動、結果を出すまでの時間軸や求められている成果の大きさ…こういったことが違うだけなのだと理解できたことで、仕事を進めやすくなりました。

現在は新規事業の責任者として、影響範囲の広い意思決定をするために、時間をかけてキャッチアップをして良かったなと実感していますし、そういった狙いでのキャッチアップ期間だったのだなと思います。

事業責任者としての魅力

キャッチアップ期間を経て、現在は新規事業の責任者を担当しています。具体的な内容は現時点では非公開ですが、『ジョブメドレー』の既存事業のアセットを活用した事業を作っています。

メドレーは顧客事業所数の最大化及びARPUの改善を基本戦略としているため、個人のミッションとしても新規事業を通して世の中にある課題を解決し、ビジネスとして成立させるという部分と、既存事業側にもシナジーを生み出すというものになります。

顧客事業所数の最大化及びARPUは継続的に増加している
出典:2024年12月期 第2四半期決算説明資料

この「既存アセットを生かした事業作り」にこそ魅力を感じていて、複数の既存事業と新規事業とのシナジーを作るということは、想像以上に事業の課題の範囲が大きく、チャレンジできることも多いです。そこが難しくもあり面白いと感じています。

例えば、ドメインモデリングひとつ取っても、既存の『ジョブメドレー』本体に流動性を生み出すことに大きく影響するため、かなりの議論や検討を重ねて進めてきました。影響する範囲や効果が広いため、1つ1つの仕事にとても頭を悩ませています。だからこそ、そこが最高に面白いんです。前職で経験してきた業務でも、難易度や影響の大きさが異なるのは、メドレーだからこそできる経験だと思っています。

また、既存アセットがあることで、流入をどう確保するかの空中戦ばかりを考えなくて済むので、地に足をつけて「お客様に良い価値をつくるためには」と考えることに時間を使えている気がします。私のようにプロダクト作りが好きな人間から見ると、マーケ勝負ではなく、プロダクト開発の経験やスキルのレバレッジをきかせられることも魅力の一つです。

『ジョブメドレー』は売上が200億円超の事業なので、組織としても整っているのかと思いましたが、改善できるところがたくさんある、ポテンシャルが高い事業だと思います。もちろん改善は容易なことではないのですが、まだまだ積み上げていけるロードマップを描けるフェーズだと思っています。

また、成長中の企業ではよくあることだとは思うのですが、役員陣が複数のポジションを兼任している部署も多いです。視点を変えると、重要な意思決定などを代わりに担えるようになるポジションが空いているということなので、キャリアを積むチャンスだとも思っています。

私自身は新規事業の責任者候補として入社をしましたが、新規事業にとどまらず、既存事業側も含めて意思決定できるようなポジションは、自身の経験のためにも挑戦していきたいと思っています。

起業家から企業内リーダーに

起業の失敗は、正直自分の人生で一番辛い経験でした。人に迷惑をかけたこと、そして何も残せなかったことがずっと頭の中にあり、そこから逃げようとしていることに気づき自己嫌悪、というループにハマってました。とはいえ、生きるために仕事をしなくてはならず、会社員に戻りました。

キャリアの11年目でまた会社員に戻るということは、起業家時代の私は予想していませんでしたが、今はそれなりに居心地よく過ごせています。

社会人になって土日・深夜もずっと働いてきた自分にとって、夜と土日に十分な時間があることに違和感はありつつも、ハードな仕事にチャレンジしながら、プライベートにも時間を使える日々も楽しいなとも思っています。

起業後のキャリアに対して、私自身すごく不安ではありましたが、起業家として得た経験・スキルを評価し、リスペクトを持って迎え入れてくれ、チャレンジもさせてくれる会社に出会えたことは私にとって本当に良かったです。

起業の失敗からは立ち直ってはいますが、やはり失敗を取り戻したい気持ちはあるので、これからメドレーの新規事業で結果を残していきたいと思います。

メドレーでは、まだまだチャレンジできることも多く、難易度の高い課題をクリアにしていくような取り組みが必要なフェーズです。メドレーという会社・私が担当している新規事業・私個人のどの部分でも構いませんので、少しでも興味を持った方は、いつでも連絡ください!

こちらでは、メドレーの事業・サービスについて紹介した記事をまとめています。興味を持った方は覗いてみてください。