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メドレーのHRBP [人材PF本部長✕HRBP]

こんにちは、メドレー広報の近藤です。

メドレーには、もともと全社横断で人事・採用を担うチームがありました。
2022年7月11日からはこの全社人事に加え、本部毎に新たな人事グループが新設されたとのこと。

今回は、人材プラットフォーム(以下、人材PF)本部の本部長である石崎さんと、新設された人材PF人事グループでHRBPとして働く小山さんに、そもそもHRBPってなに?というところから、メドレーのHRBP発足の背景、今後どういったことに取り組んでいきたいと考えているのかなどを聞いてみました!

登場人物

石崎さん:Tシャツの方。メドレー取締役。人材PF事業を管掌。株式会社はてな、グリー株式会社を経て、当時グリーの子会社が運営していた「介護のほんね」の事業譲渡と共にメドレーに。

小山さん:ポロシャツの方。人材PF人事グループのマネジャーとしてHRBPを担う。全社人事となる人事労務マネジャーも兼任。メドレー入社前はシンクタンク系コンサルティング会社で10年ほど人事コンサルをしていた。

ルールの番人から事業のパートナーへ

ー今日はよろしくお願いします!さっそくなんですが、新設された人材PF人事グループは何をする組織なんでしょうか?採用・労務・研修をする組織は人事労務グループとしてありますよね。

小山:
元から存在する人事労務グループでは採用や入退社手続き、全社研修、そして給与計算などの企画・運営をしています。今回、新たに人材PF人事グループができたのですが、何が一番違うかというと、「特定の部署のためだけに人事機能を提供する組織ができた」という点ですね。これにより、部門それぞれの状況を理解したうえで、社員の皆さんのサポートができるようになることを狙っています。

石崎:
もちろん人材PF本部以外にも、医療プラットフォーム(以下、医療PF)本部やコーポレートにもそれぞれ人事グループが新設され、各グループでHRBPの役割を担う人が任命されています。

小山:
それぞれの部門で見つかった課題について各グループが即対応できる体制となっています。もし見つかった課題のなかに各人事グループでは対応しにくいもの、全社員に関わるテーマがあれば、各本部の人事グループが吸い上げた問題意識を、全社人事である人事労務グループが引き継ぎ、解決します。

ーなるほど、かなり小回りの効く組織構造になったんですね。そういえば、「HRBP」って最近たしかに良く聞くワードではあるんですが、どういう意味か改めて教えてもらえませんか?

小山:
Human Resource Business Partnerの略称で、「担当組織の戦略実現のために、事業責任者に対して、組織運営と人材マネジメントに関するサポートをする役割」を持ちます。

石崎:
なんか最近よく聞くようになりましたよね、Google Trends見るとここ1年で伸びてますね。

小山:
伝統的な日本企業では、全社人事があらゆる人員管理・異動を決めるといったケースが多かったのですが、そういうところから進化してHRBPを事業ごとに設置するようになってきました。
これは、ビジネス環境の変化が早まったり、グローバル化によって、中央集権的な組織だけでは対応が難しくなり、クイックに動ける部門人事が必要になったといえると思います。

ー事業環境の変化や組織の成長に伴って求められてきた役割なんですね。メドレーとして必要になったのはなぜですか?

小山:
組織が大きくなり、多様な人が増えてきたことで、全社人事だけでは不都合が出てきたというのが大きな理由です。
メドレーには人材PF事業と医療PF事業という大きく2つの事業があり、そのいずれも大きく成長してきています。会社全体としてもこの2年間で400名くらいから700名くらいまで拡大してきましたね。
小さな所帯であれば、「社員一人ひとりの顔と名前を一致させて、XXさんは今後入社してきて1か月経つな、うまくやっているかな」「最近あの部署は忙しそうだな、労働時間は大丈夫かな」ということも把握しながら組織・人事面でのサポートができましたが、それも難しい状況になっています。

石崎:
僕が入った2015年は35名くらいで、みんなの顔がワンフロアですぐ見れる感じでしたけど増えましたね...。

小山:
わたしは2年前に入社した当時から全社人事として活動をしていましたが、そのなかでの難しさや歯がゆさといったものも感じていました。どうしても全社視点で物事を捉えるなかで、ルールの番人として、必要な手続きをミスなく公平に行おうという意識がすごく強くなっていたのです。
とくに労務や給与ではミスはあってはならないですし、個別事情に応じた例外対応をしてしまっては公平性に欠けることにもつながってしまいますので、それはそれで重要です。ただ、どうしてもあらゆることに対して保守的で慎重になっているという自覚はありました。

例えば特定の組織から、「社会人経験の短い人を採用することが多くて、そういった人たちもスムーズに戦力化できるようなカリキュラムを準備したい」という話を聞いたとしても、人事部としては「特定の部署だけに肩入れした施策を講じることは難しいです。各本部で対応をしてください。」という回答しかできていなかったんです。今回からは人材PF本部専用部署として組織ができたので、特定組織への、良い意味での肩入れがしやすくなったと思っています。

石崎:
やりたくてもやれない、どうしても構造上そうなってしまいますよね。メドレーだからというよりも、会社という組織が大きくなるとそうなってしまう。

小山:
それが今回専門の組織として切り出され、かなり軽快に動きやすく、狭く深く考え抜いて実行できることは大きいです。

メドレーのHRBP

ーHRBPを各本部に立てようと検討がはじまったのはいつ頃なんですか?

石崎:
特定の部署に特化した施策をやりたいというのは前々からありましたね。昨年の秋ごろに全社人事と兼務で、人材PF本部の部門人事としての活動を実験的にやってみてもらいました。オンボーディング支援や業務改善などです。そういう流れもあり、HRBP的な動きが必要だねという機運が高まったのかなと思います。

小山:
各本部の組織・人事領域における課題がたくさんあることを理解できたのは大きな収穫でした。
このトライアルの結果に加え、事業成長の実現には「人事をはじめとしたコーポレート機能の抜本的な強化が必要」という社長の強い意志により、今回の大きな組織変更が実現したのだと理解しています。

ー石崎さんはこのHRBPができることをどのように捉えましたか?

石崎:
ウェルカムでした。というか、たしか僕からも小山さんにこういう役割をやってほしいとお願いしていましたよね。トライアルもその一環です。

小山さんのいうとおり、組織が大きくなってきたことによる課題感に加えて、この2-3年でさまざまな人事・組織的な変革の必要性が出てきたと思っています。

1つは、コロナ禍において働き方や業務コミュニケーションのシフトが否応なく必要になり、事業インパクトを考えながらどうしていくか、をトライアンドエラーしながら進める必要が出てきたことがあります。おそらくどの会社も、自分たちの企業カルチャーを維持しながら、新しい働き方に順応していくかを試行錯誤していると思いますが、そのなかで、HRBPだけではなくHR自体の重要性が、世の中的に高まっていると感じています。

2つめに、昨年に新人事制度を導入したことがありますOur Essentials とジョブサイズという概念を取り入れ、採用や評価もこれに準じたものにしています。実際に評価プロセスを回しながら社内に浸透させていっている途中ですが、制度を作るだけではなく、ちゃんと遂行・改善していこうとすると、各事業やそこで働く人たちの特性を解像度高く理解して、フィードバックサイクルを回していく必要性が高まっているなと感じていました。

3つめ、各本部体制が進み、それぞれが事業の新たな展開や変革を進めている点です。人材PF本部では、昨年メディパス社をM&Aしてアカデミーという新しいサービスが加わったり、長期的なグローバル展開も見据えています(参考:メドレーの人材プラットフォーム事業「ジョブメドレー」の現在と今後について大幅刷新! 全てをTypeScriptで書き変えたジョブメドレーアカデミーのプロダクトチームに聞いてみた)。
医療PF本部でもグループ会社が増えています。本部ごとに新たな事業・サービス展開を進めていくなかで、それぞれの事業特性にあった組織づくりが必要になっています。

ー確かに、これだけプラットフォームごとに組織構成や、事業・サービスの展開が違うと、全社一律での組織づくりは難しそうですね。

4つめは、採用活動の重要性が高まっていることです。僕自身も自分の時間の多くを採用活動に割いています。現在の採用・面接だけではなく、来年・再来年、その先の長期的な事業成長を見据えて、どのようなポジションを用意しておくべきか、どのようなスキル・経験・特性をもった方に来ていただくべきか、ということを考える時間が増えてます。いっぽうで、エンジニア・デザイナー・PMの採用競争が激化してますし、メドレーとしては、そういうプロダクト開発人材だけでなく、IT技術/カルチャーに明るく、DX を推進できるビジネス系人材の採用を今まで以上に加速させています。

最後に、ちょっと別の観点ですが、長く働く方が増えていることもあります。メドレーは2009年創業ですが、10年以上勤めている方も少しずつ増えてきたり、産休育休から復帰している社員も増えてきました(育休からの復帰率は100%です)。ライフステージが変わっていくなかでも、長く働いてくれている社員にとって、より柔軟にサポートできるようにしていきたいと感じています。

こういった背景から、より各本部と近い距離で、事業の成長とそれに全力を注いでいる社員のニーズを直に察知し、人事課題を解決していくパートナー組織の必要性を感じていたのです。

ーなるほど、重要で大きな変化になるんですね。そういえば、お二人はこれからタッグを組んでいくことになると思うのですが、一緒にお仕事されるのは初めてでしたか?

石崎:
メドレーでは昨年に基幹人事制度の刷新をしていて、そのプロジェクトメンバーが各取締役と人事労務グループだったので、小山さんも一緒にやっていましたね。

小山:
どんな印象でした?

石崎:
ちゃんとしてるな〜って。良い意味でも悪い意味でもちゃんとした人だと思いましたよ。

小山:
悪い意味はちょっと詳しく聞きたいんですが(笑)。ただ心当たりはあるんですよね、堅そうだなって時々いわれるので…。

石崎:
だからやっぱり今日の服装はアロハシャツでもよかったんじゃないですかね。

撮影の服装はアロハかな?と石崎から提案がありましたが、いたってシンプルな服装でした

小山:
僕の石崎さんのファーストインプレッションはもう少し前で、石崎さんが作成したスプレッドシートを見たときですね。スプレッドシートって性格が出るんですよ。石崎さんのは、表上の縦罫線なし、グリッド線なしで統一されていたのでこだわりある人だなと直感しました。それから石崎さんに出す資料はこの流派に合わせるようにしています。

石崎:
ほらちゃんとしてる(笑)

ーキャラでてますね(笑)各人事グループやHRBPの必要性はわかったのですが、具体的にはどんなメンバー構成でやっていくのでしょうか。

小山:
人材PF人事グループにはHRBPとしてあらゆる組織人事関連に携わるメンバーが私ともう1名の計2名。加えて主に採用を担うメンバーが6名います。組織成長の著しい人材PF本部においては採用の重要性が高いためにこうしたメンバー構成になっています。
ただ、採用は重要である一方で、それだけが組織のミッションではなくて、そこで働く人達のオンボーディング支援、スキルアップ支援、ライフイベント発生時の支援など、長期的に活躍できる環境づくり・職場づくりといった活動もどんどん進めていく予定であり、こうした幅広な人事領域に総合的に取り組む意欲のあるメンバーにも参画してもらいたいと思っています。
新しくできた組織ということもあり、その取り扱う組織・人事領域というのも制限がなく、とてもチャレンジングな環境だと思います。

ーこういう組織はもともと採用担当や研修担当をやってきた人にとっても、キャリアを広げる機会がたくさんありそうですよね、おもしろそう。

小山:
そうですね、とても魅力的な環境だと思います。とくに採用出身の人は、ほかの人事畑を歩んできた人よりも事業や職種を理解しようとする姿勢が強いんですよね。人事グループはそういう志向性がある人のほうがフィットすると思っていて、採用経験者が人事パーソンとしてのキャリアを広げていくうえでとても良い環境だと思います。

ー幅広い人事領域を取り扱うHRBPと主に採用を担うメンバーを同じ組織にするのは何か狙いがあるのですか?

小山:
はい、採用側が持つ目標採用数には、その年に退職してしまったことによる欠員数も含まれています。そうなると、部門人事としては採用数だけを伸ばしても駄目で、離職を止める方にも舵を切るなど、組織のためにトータルで見て必要な動きを志向するようになります。これが当社のHRBP組織の特徴かと思います。

石崎:
さらに、「そもそも採用しなくても良いのでは?」ということから一緒に考えていけるといいなと思ってます。組織や配置の見直しで解消できないか、みたいな話ができていけばいいなと。

ー各本部の社員にとっても、人事グループのメンバーにとってもポジティブな変化になりそうですね。具体的にはどんなアプローチで貢献していきたいですか?

小山:
全社人事ではなく部門人事としての立場を生かして人材PF本部に貢献していきたいと思い、3つの活動コンセプトをつくりました。

1つは「スピード&実行」ですね。
人材PF本部専門部署ということで、全社人事とは違って対象となる範囲は狭くなり、その分、今までよりも深く・スピード感を持って進めやすくなったと思います。このメリットを最大限活かしつつ、早期に人材PF本部の皆さんに貢献したいと思っています。
さっそく一部の管理職向けに「経営スキルを学ぶ特別プログラム」を受けてもらうことを決めて進めています。

2つ目は「オーナーシップ&巻き込み」です。
部門人事は、全社人事でもなく各部門で直接マネジメントをするわけでもないという、ある意味では中途半端な立ち位置であるため、「自分の仕事を減らそうと思えば減らせて、広げようと思えばどこまでも広げられる立場」にいるといえます。そうしたなかで、本部のことを誰よりも考える立場として、あらゆる課題に対して頭を突っ込んで、ボールが落ちそうなことにもオーナーシップを持って取り組んで行こうと思っています。

とはいえ、体制は十分ではないため、様々な部門の力も借りながら施策推進をしていきたいと思っています。幸い、それぞれの部門長は、部門人事ができたことをとてもポジティブにとらえてくれており、また人材PF本部という組織もメドレー最大の組織でもあり様々なスペシャリティを持った方がいるため、皆さんの協力を仰ぐことで様々な取り組みを推進できると思っています。

3つ目は「効果検証」です。
メドレー共通の行動基準としてOur Essentialsというものがあり、そのなかに「ドキュメントドリブン」があります。そこでは、あらゆる取り組みをドキュメントに残すことで、組織や個人の将来に向けた生産性を最大化しようという考え方があります。この考え方に私自身も共感していますし、1つめの「スピード&実行」をする代わりに、このドキュメントドリブンの考えに基づいて事後検証をしっかりとしていきたいと思っています。
人事施策というのは事前にその影響すべてを読み切れるものばかりではなく、実行しながら軌道修正していくものも多いと思います。成果志向を失わずにより良い貢献をしていくためには、こうした効果検証の姿勢は重要になると思っています。
さらに、こうした言語化をしていけば、良い効果が出る施策が生まれたときには医療PF本部やコーポレートの部門人事と連携しながら横展開をすることも可能ですし、場合によっては全社人事にまで共有して「全社共通制度」として導入することも可能になります。

小山:
これからHRBPとしてやりたいことはいっぱいあります。組織の予算策定や人員数の適性化のような、組織構造に関わるような貢献もしていきたいと思っています。社員が感じる負の側面を解消することも重要ですが、HRBPとしてはビジネスそのものへの貢献も求められるため、私自身、人材PF事業の情報に深く触れていく必要性を感じています。

石崎:
働く社員の満足度やパフォーマンス最大化のために、さまざまな要望を聞いてサポートする一方で、HRBPとしては、どうやって事業成長のために、今より社員の皆さんにストレッチしてもらうとかも考える必要があるので、様々なバランスが求められていきますね。

先週よりも今週、今週よりも来週に期待が持てる組織に

ー事業の成長と個人の成長の双方を進めていく体制が整っていくことは、社員としてもうれしいことですよね。石崎さんは今後この組織にどんなことを期待していきたいですか?

石崎:
HRBPは事業成長をともに目指し、そのための人事・組織的な変革を遂行する組織であると捉えています。さまざまな事業や多様な人がいるなかで、1回で完璧な制度が浸透し、すべてが良い方向に変わるなんてことはありえません。
全社の全体最適な制度や、これまでのメドレーが大切にしている組織カルチャーという根幹はおさえたうえで、枝の部分はビジネスの現実やプロダクトにあわせて、はやく柔軟に改善していく、流動的に微調整していくことが必要です。
毎週なにかが変わっている、先週より今週がちょっと良くなっていて、来週もなにかあるかもしれないという期待が持てる組織になっていくといいなと思っています。

ーたしかに、ちょっとしたことでも変化を感じたり、今回はだめでも次はこうなってくれるかもしれないっていう期待が、わたしもがんばろうってのに繋がりますよね

小山:
今までの全社人事は確実な業務遂行を重視して保守的な部分もあったかもしれませんが、部門人事にはみんなに実感できるような成果が求められてきます。きちんと成果を出していくことが重要です。
私だけではなく、部門人事のメンバーも視点をあげて、それぞれの担当業務がどのような事業貢献・組織貢献につながっているかを考えてもらう必要がありますね。

石崎:
ぜひ、そのためにも人材PF本部の皆さんともどんどん交流を深めてほしいですね。

小山:
そうなんです...。個人的な話なんですが、いままで2年間も入社オリエンテーションを担当していて、半分以上の社員は私のオリエンテーションを受けているので、「人事関連や組織運営上で困ったことがあったら、みんな私に相談してくれるだろうな」と思っていたのですが、「Slackのアイコンの顔写真が怖かったので、話しかけづらかったです」とか「話をしようとすると緊張します」という話を、社員が参加する納会で人材PF本部の社員の方から聞いたんですよね。これからHRBPとしての役割を担ううえで「これはいかんな」と思っています。
上長との間だけでは解決できないような問題について、相談やディスカッションの相手となれるような関係を築きたいですね。

石崎さん:
Slackのアイコンは今日撮影したやつに変えましょう(笑)これからよろしくお願いします!!!
(※このあとすぐに変えました by:小山)

メドレーのHRBPのインタビューはいかがだったでしょうか?いち社員として、事業・社員に寄り添ってくれる存在ができたということがとても嬉しいです!また、これまでの全社人事とはまた違う関わり方で事業を支えていくということで、取り組みの幅も広がりそうでおもしろそうだと感じました。メドレーでは、HRBPとして一緒に事業の成長を目指す仲間を募集しています!興味がある方はぜひお声かけください!
ポジション詳細はこちら:https://www.medley.jp/jobs/HRBP.html

編集後記(近藤)

※本記事内の写真は感染対策に配慮しながら撮影しています。



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