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本当の「共創」とは?~第1回放送~

ラジオ番組「ケロケロ見聞録」の初回が4月4日に放送されました。
noteは番組の備忘録として、議論のまとめをしていきます。
読むラジオとしてお楽しみください。

ケロっとおさらい今月の見聞録

今月のテーマは「共創」。パーソナリティはとーこ、アシスタントはさきでお送りしました。共創学部生、鬼塚浩明さん、森華子さんをゲストに迎え、共創学部と社会の共創の違い、そして将来必要な人材について議論します。

共創の看板を掲げながら学ぶ、共創学部生だからこその、社会への鋭い意見が交わされました。

聴きどころ満載の本編もぜひお楽しみください。

トーク①(共創学部の「共創」とは?)

現代の社会課題は様々な分野が複雑に絡み合っており、1つの専門分野だけでは解決できずません。「共創」には種類があるそうですが、パーソナリティとゲストが考える「共創」は以下のようなものでした。

・ステークホルダーの強みを生かして化学反応を起こすこと(さき)
・ステークホルダー同士が平等な関係を築いていること(ゲスト:森)
・ただ仲良く協力ではなく、健全な批判ができること(ゲスト:鬼塚)
・単なる異文化融合でとどまらない状態(とーこ)

利害関係者ともいわれるステークホルダーが、それぞれの強みを生かしながら新しいイノベーションを起こすことが「共創」という認識でした。しかし共に何かを創り出すには、ただ互いに協力するのではなく、皆が平等に意見できる環境で、批判も含めて議論できる状況が必要。ただ協働するのではなく、共に創る関係性が必要なのですね。

共創学部には決まったカリキュラムがなく、個人の興味に沿って自分専用のカリキュラムを組みます。生徒は「〇〇を学んだから、☐☐をする」のではなく、「☐☐をしたいから、〇〇を学ぶ」という思いを持って日々学習しているそうです。

まちづくり、教育、食、公衆衛生、環境、経済、国家、政治、農業、情報、システムなどなど、様々な分野を専門にする学生同士で議論することで化学反応を起こしているのが、九州大学共創学部ということです。

トーク②(社会の「共創」とは?)

ゲストの森さんから社会の「共創」への厳しい意見がすぐに出ました。

「ぶっちゃけ本当に共創できてるの?」
「社会で流行ったから、企業のブランディングのために後付けしただけじゃないの?」

おぉ。核心をついてますね。私自身も、社会に「共創」という言葉だけが先走った印象があったので、同様の疑問を抱いていました。みなさんは「本当の共創とは何か」考えたことはありますか?

議論はこう続きます。

「バックグラウンドや専門分野が異なる人同士が交わることが共創だ。」
「巻き込む人も考える必要がある。」
「議論の場を創ること、環境を設計すること自体も共創。」
「今の社会では仲良く協力で収まっている。」

つまり、今の社会は「共創」に一歩届いていないということです。しかし、流行りにのったといえ「共創」を視野に入れて活動する組織が増えることは、共創の考え方を社会に広めるきっかけになると私は思います。今は認知の段階ではないでしょうか。

トーク③(なぜ「共創」するのか?)

勉強だけで人を評価する風潮から、人の中身を見る方向に変化しつつあります。
共創学部では「一般入試」にとどまらず「推薦入試」「AO入試」「国際型入試」で入学者を選抜しており「知識を問う入試から、能力を見極める入試への転換」を行っています。

SNSでいつでも人と繋がれる社会になったことで、仲介役だった企業や組織が、役割を再度考え直し、存在意義を変えるきっかけができました。Forクライアント(顧客の為に)ではなく、Withクライアント(顧客と共に)という「共創」を重視した変化が実際に起きています。

海外ではサンフランシスコなどで実際に「共創」を意識し、実行している企業もあるそうで、世界的にもその概念は次第に取り入れられ始めています。

このラジオ番組「ケロケロ見聞録」自体も共創の一部だという話も挙がりました。リスナーと我々大学生がSNSを通して繋がる、繋がったのちに議論の場を生み出す。そして一緒に番組を作り上げていく。共創学部生ならではの番組ですね。

「共創」していかなければ、複雑な現代の問題、例えば新型コロナウイルス、地球温暖化、経済問題、人種問題、情報技術の発展に対応できない社会になりました。おそらくすべての人が初めて体験する社会の変化だと思います。そんな中で必要とされる人材をさらに議論しました。

今後必要な人材

「自分の軸+他分野の知識」。これが今後必要とされる共創人材です。

「なぜ共創するのか」でも述べましたが、複雑な社会問題に対応するためには、様々な分野のステークホルダーの協力が必要です。イメージしやすい例として、「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」をあげます。

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新型コロナウイルスという社会問題に対して、国会、内閣だけでなく、公衆衛生の専門家、ときには経済の専門家を交えて会議を行います。様々なステークホルダーが協力して、新型コロナウイルスの終息を目指しています。

では専門家会議時に必要なファシリテーターはどのような人でしょうか。
全体を見ることができ、他分野同士の塩梅を見極めることのできる能力を持った人ではないでしょうか。

「他分野を知らないと間に入ることができない」とパーソナリティのとーこは語りました。

自分の専門分野を持ちつつも他分野の知識を持った、いわゆるT(ティー)型人材やπ(パイ)型人材。議論で挙がった共創人材のイメージ像はこれらに当たると考えています。課題を解決するための場をコーディネートしたうえで、ステークホルダーの強みを最大に生かし、解決に導くことのできる人材が今後さらに必要となりますね。

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T型、π型人材のイメージ図

まとめ

初回放送の学生議論をざっくりとまとめてみました。
いかがでしたでしょうか。

一言で「共創」といっても、それぞれで捉え方が異なりました。徐々に共創を取り入れ得る場面が増えることで、次第に概念が固まっていくのかもしれませんが、言葉だけの「共創」にならないよう、本来の意味を一度考えてみてほしいです。

ラジオでは、学生が将来となりたい共創人材への道のりが述べられています。また「将来はやりそうなもの」を募集したお便りを紹介し、学生同士が意見を交わしています。こちらのお便りでは現代から想像すると予測できないオモシロイ内容が詰まっていましたので、ぜひご視聴ください。

今後ラジオ番組「ケロケロ見聞録」が社会課題に対して「共創」していくうえで、押さえておきたい考え方を議論しました。身近に聞くようになった「共創」。自分なりに言葉自体を振り返るきっかけになればと思います。

SNS展開

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Podcastでは番組で取り上げられなかったお便りも紹介します。
ぜひご覧ください🐸

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