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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#30

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。

今週の個人的注目トピックは

  • AIの環境負荷に関しての提言をまとめた総説。医療でのAI活用のためにはサスティナブルなAI運用環境が必須。

  • PHRや医療データの活用によるヘルスケアに関する実証実験・調査のリリースが多数。実装のフェーズが活発に。

  • ロート製薬は目薬・パンシロン・メンソレータムに加えてドゥーテストも有名製品。妊活支援領域にも長年取り組み、今回イスラエルの精子選択システムベンチャーに投資。

です。


・医療AI

エクサウィザーズグループのExaMD ライフログテクノロジーと食事管理AIサービスの共同開発で業務提携 〜生活に寄り添い、予防・早期発見・検知・診断を実現、 医療・ヘルスケア、食品、美容など幅広い業界との連携を検討〜(2024.07.22)

「今回、「食」をテーマとして、スマートフォンなどに蓄積・管理している食事画像データ等からAIを活用して生活習慣の可視化をします。」

エクサウィザーズ プレスリリース(2024.07.22)

ライフログテクノロジー社プレスリリース(2024.07.22)

― 持続可能な医療AI実現のために ― 環境に配慮したシステムの開発・運用に向けて提言|大阪公立大学(2024.07.22)

AIは環境負荷が高い。

「環境問題を軽減するための具体的な方法として、エネルギー効率の高いAIモデルの開発や、グリーンコンピューティングの導入、再生可能エネルギーの活用などについて論じました。さらに、それらを包括し、医療分野におけるAIの持続可能な展開のための方策も提言。」

大阪公立大学(2024.07.22)

論文(総説)は
Climate change and artificial intelligence in healthcare:
Review and recommendations towards a sustainable future

https://doi.org/10.1016/j.diii.2024.06.002

スマホカメラで撮影した眼の結膜から貧血を予測するAIを東大などが開発|Tech+(2024.07.23)

東大小児医学講座×LPIXEL。
「あっかんべー」の画像からヘモグロビン値を予測。

LPIXELのリリース:

論文は
Machine/deep learning-assisted hemoglobin level prediction using palpebral conjunctival images

https://doi.org/10.1111/bjh.19621

岡山大学病院と両備システムズ、 国内初となる胆道がんをAIで診断支援するシステムを開発(2024.07.24)

「人工知能を用いて白色光画像を疑似色素散布画像へと変換することで病変範囲を明瞭化し、胆道がんの内視鏡的範囲診断の精度向上に役立つ技術」を共同開発。

「AIによる疑似色素散布画像は白色光画像および狭帯域光画像と比べて表面構造と病変境界の視認性が有意に優れており、病変の範囲診断に有用であることが示されました」

両備システムズ プレスリリース(2024.07.24)

順天堂大学、エムスリーAI、Us2.ai がAIを用いた心エコー自動解析ソフトウェアの日本展開の協業開始(2024.07.26)

「超音波画像解析ソフトウェア Us2.aiは、AIを用いて心エコー画像解析をし、心房心室の各種計測項目を自動計測の上、国際ガイドラインに基づく心機能評価を行うことができるツール」

順天堂大学 プレスリリース(2024.07.26)

大腸がんの早期発見へ:国内初、大腸向けAI医療機器が保険診療の加算対象となるまで|サイバネットシステム(2024.07.25)

大腸内視鏡診断AI「EndoBRAIN-EYE®」の開発ストーリー。


・手術支援ロボット

ソニーと医療を結びつける先端ロボット技術、「使ってもらえる」を起点に開発 | Forbes JAPAN 公式サイト(2024.07.26)

個人的にはソニーの強みは何よりもここ。超微細なイメージングが微細操作の前提。

「視覚は精密な操作でより重要だと考え、ソニー・オリンパスメディカルソリューションズの4K 3Dビデオ技術を搭載する手術用顕微鏡システムにより捉えた映像を、ソニーセミコンダクタソリューションズが開発した1.3型4K OLEDマイクロディスプレイに表示する視覚支援ソリューションを組み込んだ。」

Forbes JAPAN 公式サイト(2024.07.26)

ダビンチに対抗する中国ベンチャー、手術支援ロボを割安に 海外進出も|36KrJapan(2024.07.25)

中国の手術支援ロボットメーカー「瑞龍外科(Ronovo Surgical)」。
「海山一(Carina)」はHugo RASのようなモジュール型のロボット。


・医療DX

TXP Medical、医療データを活用し希少疾病における診断プロセスや治療実態を明らかにする調査を実施(2024.07.23)

「この調査は、医療データを活用し、関連する薬剤の市場における位置づけや、治療の現状、そして市場規模を明確にすることを目的としています。調査結果は、外資系製薬会社のプロモーション戦略*に活用されます。」

TXP Medical プレスリリース(2024.07.23)

「在宅における心不全ICTモニタリングプロジェクト」が経済産業省「ヘルスケア産業基盤高度化推進事業」に採択 ~ 心不全パンデミックを見据えICTを活用した実証調査を開始 ~|オムロン(2024.07.24)

「本プロジェクトは、ICTを活用して心不全患者の増悪を未然に防ぐことを目的とした実証調査です。オムロンヘルスケアの心電計付き上腕式血圧計や通信機能付き体重計を用いて、心不全患者が家庭で計測したバイタルデータを医療機関と共有し、患者の状態に応じて医療従事者が適宜介入することで増悪防止に寄与するかどうかを確認します。」

オムロン(2024.07.24)

TIS、君津市と協力してPHRの普及を促進 ~スマホで自身の健康・医療情報を管理する「ヘルスケアパスポート」で健康都市づくりを目指す~(2024.07.26)

「マイナポータルでは健康保険を利用した診療・健診・薬剤情報の閲覧が過去3年に限られていますが、「ヘルスケアパスポート」に取り込むことで期間制限なく閲覧可能になります。」

TISインテックグループ プレスリリース(2024.07.26)


・SaMD・DTx

TIS、DTx/SaMDの設計・開発を行うSave Medicalへ出資 ~製薬会社向けに治療用アプリ/診断支援アプリ開発支援を強化し、デジタル技術を用いた医療の発展に貢献~(2024.07.22)

「今回の出資を機に、TISとSave Medicalは、DTxおよびSaMDの企画、開発から臨床試験・申請、販売後までのプロセスのトータル支援を共同で実施します。」

TISインテックグループ プレスリリース(2024.07.22)


・ニューロモデュレーション

「電子薬」がやってくる——医薬品を電気に置き換える革新的技術の現在|MIT Technology Review(2024.07.25)

ニューロモデュレーション治療について。


・認知症

エーザイとエコナビスタ、認知症エコシステムの構築をめざす業務提携契約の締結と協業を開始(2024.07.24)

「エーザイの脳の健康度のデジタルチェックツール「のうKNOW®」や、エコナビスタの睡眠や生活習慣データから健康状態の推移を可視化する「ライフリズムナビ®」および同社が開発し特許を保有する「認知症予測モデル」(特許第7017740号)などを用い、高齢者施設の入居者に対して認知機能の変化に対する気づきを促す実証実験を推進」

エーザイ株式会社 プレスリリース(2024.07.24)


・フェムテック

不妊治療の新たな解決策となる開発ベンチャーに出資、ヘルスケア分野の新事業に挑戦 ~AIとロボティクスを活用した精子選択システムを開発するBAIBYS Fertility Ltd.へ投資~|ロート製薬(2024.07.25)

イスラエルの不妊治療ベンチャーに出資。
ロート製薬はドゥーテストなど妊活関連事業にも長年注力。


・VR・XR・モデル

Stratasys、リアルな人体モデルを造形できる医療分野向け新型3Dプリンタを発売:3Dプリンタニュース - MONOist (2024.07.26)

この記事だと技術的な特徴がよくわからないが医療向けの複数素材の同時混合プリンティングが可能?


・大学・研究

Foldable Pouch Actuator Improves Finger Extension in Soft Rehabilitation Gloves|Chiba University(2024.07.22)

兪文偉先生の研究紹介。
手指リハビリテーション用グローブに搭載する折りたたみ式ソフトアクチュエータ。

論文は
Bidirectional Support for Individual Finger Joints in Soft Rehabilitation Gloves: Integration of Foldable Pouch Actuators with Modular Elastomeric Actuators

https://ieeexplore.ieee.org/document/10511079

手術で救える病院と救えない病院の違いとは? 消化器外科のFTR率に焦点を当てた日本の研究から|Medical Tribune(2024.07.26)

興味深い研究。

「FTR率が良好な病院では、手術件数が多いかどうかや、外科医の実力よりも、多部門の専門職が診療に深く関与していた。この研究は、病院の規模や地域、学会の認定、高度な医療技術だけでは、合併症を起こした患者を救命する十分な条件にはならず、人的資源の有効活用がより重要であるという新しい視点を提供してくれている。」

Medical Tribune(2024.07.26)

一方でここも気になる。

「著者らは、手術死亡率の低さに関連する因子として多変量ロジスティック解析 によって抽出された「コメディカルがカンファレンスに参加していない」を、逆説的であるという理由でその後の解析に含めることを棄却した。確かに「多職種がカンファレンスに参加している病院の方が手術死亡率が高くなる」という結果は、一見矛盾するように感じる。」

Medical Tribune(2024.07.26)

多職種がカンファ無くても日常業務で十分に連携機能しているような病院が理想?

論文は
Requirements for hospitals in Japan to have low operative mortality and failure-to-rescue rates


・スタートアップ・起業

「世界を驚かせたい」 スタートアップW杯 日本代表が決定 応募240社の頂点に|電波新聞デジタル (2024.07.20)

https://dempa-digital.com/article/576497

Digital Entertainment Assetが日本代表(東京)に。

「日本スタートアップ大賞2024」の表彰式を行いました 株式会社カケハシが厚生労働大臣賞を受賞|厚生労働省(2024.07.22)

大賞はSmartHR。
文部科学大臣賞(大学発スタートアップ賞)にがん創薬のChordia Therapeutics。

ディープテック専門VCファンドが257億円調達、年金基金も間接出資|Bloomberg(2024.07.24)

BNVが3号ファンドを257億円でクローズ。ディープテック特化型。

BNVのリリース:

Shockwave Medical Japanとハート・オーガナイゼーション、血管内の石灰化病変に対する血管内砕石術を活用した治療の啓発プログラムを専門医技術支援プラットフォームで協働開始 (2024.07.25)

今年J&Jによる大型買収で話題になったStanford Biodesign発スタートアップのShockwave Medical。

Smart Eye CameraがWHO compendium of innovative health technologies for low-resource settings 2024に掲載|Oui Inc. (2024.07.24)

「WHOが数年に一度発刊している、医療設備が充実していない環境で活躍が期待される新たな革新的な医療技術をまとめ、紹介する要覧」に掲載。

【山口県宇部市】医工獣・産学公連携による医療技術・機器開発の推進プロジェクト本格始動《宇部市が支援》:山陽新聞デジタル|さんデジ(2024.07.26)

山口大学発ベンチャーBiomeca TriTechを設立。

「物理試験に資する生体デジタルモデルの構築やデジタルシミュレーションの実施など、医療機器開発における探索・開発段階のDX化」に取り組む。」

さんデジ(2024.07.26)


・マーケット・企業

黄疸測定技術の強化による新生児医療への貢献を目的にノルウェーのPicterus社と連携を開始|コニカミノルタ(2024.07.23)

「連携の第一歩として臨床データ収集において協力」

コニカミノルタの黄疸計「JM-105」 と Picterus社のスマートフォン黄疸スクリーニングツール「Picterus Jaundice Pro」。
スマホで出来るヘルスケアが多くなっている。

健診センター「NURA(ニューラ)」の新拠点がウランバートルにオープン モンゴル国での健康診断サービス事業をさらに拡大|富士フイルム(2024.07.24)

先日のベトナムに続きモンゴル2拠点目。
検診の普及と早期診断・治療へ。

「モンゴル国では、がんや虚血性心疾患などの生活習慣病が死因の上位を占めています。これらの病気は、早期に発見し、治療や保健指導などの対策を行うことにより死亡率や重症化リスクを抑制できますが、モンゴル国ではがん検診などの健診サービスが日本ほど普及しておらず、早期発見が難しい現状があります。」

富士フイルム(2024.07.24)


・イベント

国産手術支援ロボ「ヒノトリ」など体験会 神戸で28日 - 日本経済新聞(2024.07.23)

神戸ロータリークラブによる「からだの科学体験 びっくりアドベンチャー ~体のしくみと病気を知ろう~」は7/28開催。

【#5】Inclusive Hub ミートアップ「スタートアップでの製品・サービス開発を知ろう」 【オンライン / オフライン開催】 (2024.07.29)

8/5(月)18時〜ハイブリッド開催。

「今までの「Inclusive Hub」でスタートアップの課題として挙がっていた、どうやって製品・サービスを開発するのかという点に焦点を当てて、ミートアップを実施します。」

Inclusive Hub(2024.07.29)


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