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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#9

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。

今週の個人的注目トピックは

  • フェムテック系メドテックへの期待
    温活・骨盤底筋トレーニング以外の領域、婦人科診断治療、不妊治療等での革新的な医療機器の登場に期待しています。

  • アジア各国のヘルステック状況
    韓国、中国、フィリピンのニュースがありました。日本のメドテック戦略はOUI Inc.の様な事例を除けば基本的に医療制度の整備された先進国マーケットを対象にしたものが中心と思いますが、アジア各国のメドテック戦略・マーケットへの関心をキープしておくことは重要かと思います。




・医療AI

「医師より優秀」韓国医療業界でAI技術の活発化…チャート整理から診断まで (2024.02.25)

NAVER、kakaoといった大手も参入。医療用LLMや読影支援AI。

「スマホを持つだけ」で始められるタイムスタディ、生産性向上無料パッケージ 〜介護報酬制度での生産性向上委員会の義務化を少しでも助けたい〜 合同会社AUTOCARE (2024.02.25)

業務時間の見える化を支援するAIアプリなど。

画像診断AIに落とし穴、医学的に無関係の領域に注目して診断 (2024.02.29)

人間と違うところを見て同程度の精度の診断が出来てたということは、人間ではわからないレベルの違いがそこにあり、新たなデジタルバイオマーカーをAIが創出した可能性が?!、とはならないのかな。(abstしか読んでない)

論文は


MRI画像から神経膠腫の疑いのある領域を精密に抽出するAI技術を共同開発 |富士フイルム株式会社 (2024.02.28)

富士フイルムと国立がん研究センターの共同開発。
JST CRESTとPRISMの事業とのこと。
大昔、術中ナビ用に後輩がオペ室内で手作業(itkのセグメンテーションモジュールを使って半自動化はしていた)でやってたのを思い出します…

結核をせきの音から判別、AIで検査手軽に ワシントン大 - 日本経済新聞 (2024.02.29)

音声AIは画像AIと並ぶ医療支援に可能性を有する技術と思います。

(プレスリリース)新たなシステム「医療及び介護コミュニケーション支援のためのAI活用基盤構築及び教師データ」を開発|ニフティニュース (2024.02.29)

メディカルツーリズムも視野に入れた多言語対応医療コミュニケーションソリューションでしょうか?ここでもAIを使っているのは興味深いです。

【現代の防人~日本を守る国産AI奮戦記(13)】中高年の自死を防げ! 製薬会社と始めるAIの「鬱病診断支援」(2024.3.3)

FRONTEOと塩野義の業務提携(2.14塩野義プレスリリース)についての記事です。

「おむつにも人工知能を」…韓国企業が乳幼児・高齢者・動物を対象に開発 (2024.03.02)

おむつフィッティングAI、スマートおむつ。
スマートおむつは赤ちゃんだけでなく介護・ペット領域にも。

別の話題ですが、「福祉 ✕ 医療 ✕ ファッション」に取り組まれている平林 景さんのXでは最近様々なカラーデザインのおむつを提案されており、こういった活動もとても重要と感じています。


・SaMD

デジタル治療用アプリSDT-001の国内第3相臨床試験の良好な結果および国内における製造販売承認申請について | 塩野義製薬 (2024.02.26)

小児ADHD患者を対象としたデジタル治療用アプリSDT-001(Akili, Inc.製)の臨床試験結果について。CE取得済だそうです。


・手術支援ロボット

AIロボットが縫合技術を習得、6針縫うことに成功 (2024.02.27)

「ジョンズ・ホプキンス大学のアクセル・クリーガー助教授(今回の研究には参加してない)によれば、このロボットは、特に針を見つけて掴み、アーム間で移動させる能力において、目覚ましい進歩を遂げたという。」

「それは干し草の山から1本の針を見つけるようなものです」と、クリーガー助教授は話す。「非常に困難な作業です。ここまで到達したことに非常に感銘を受けています」。

MIT Technology Review

従来型の針糸と持針器を用いた縫合結紮では、針のハンドリング(把持位置・姿勢のコントロール)がとても重要であり、ここにロボットによる自動化が挑戦していることはとても興味深いです。

ただ、人間の手でなくロボットを使うならば、そもそも持針器の構造や縫合の方法も0から考え直して別の方法を取るのも、将来的な自動縫合ロボットの方向性の一つだと思います。
ステープラーによる自動吻合器は針糸での吻合と全く違う技術ですしね。

【ロボット手術】6つの機種の違いを徹底分析 ダビンチ以外も続々登場 適応を受けている領域一覧も掲載 AERA.dot (2024.02.27)

da Vinci Xi, SP, hinotori, Saroa, Hugo RAS, Senhanceの6機種 + ANSURの7機を紹介しています。
胃がんなどエビデンスレベルで「ロボット」が第1選択となる症例も出てきたようです。

宇山医師も、

「ロボット支援手術はまだ実験的な手術のように思われがちですが、例えば胃がんの手術なら、いまやエビデンスレベルでロボット支援手術が第1選択だと考えています」

 として、ともに手術支援ロボットのさらなる発展に期待を寄せている。

AERA.dot


力覚フィードバックにより誰もが安全で質の高い手術を受けられるこれからの医療を描く「Saroa」 
リバーフィールド株式会社 代表取締役社長 只野耕太郎 氏 に聞く
世界初,力覚を再現した日本発の手術支援ロボット「Saroa」はいかにして生まれたか (2024.03.01)

リバーフィールド只野社長インタビュー。

個人的に力計測に期待しているのは、操作者の手元への触覚提示ではなく操作情報の定量化・データ化の部分です。

さらに,力覚が定量化され共有できることで,若手医師の指導においても,「もう少し弱く」といったあいまいな表現による指導ではなく,「○ニュートン以上出すと臓器が傷つくので,それを超えないように」といった指導が可能になります。

定量化は手術の評価にも有用であり,データを蓄積して分析することで,将来的には,臓器に与えた力の大きさと患者の予後の関係などの臨床的エビデンスを出していくことができればと考えています。

innervision


医療革命の先駆者: AIRS Inc.が切り拓く革新的「骨折手術用AIロボット (2024.02.29)

同門(東大精密BMPE)のジョンさんの会社です。2020年7月に韓国で起業されています。

・デジタル医療

プラスメディは大阪警察病院の患者中心で医療データ利活用を実現するプラットフォームの構築の検証「スマートホスピタル構想の第1弾」に参画 (2024.02.28)

本構想関連では先週はSUNDREDのプレスリリースもありました。

東京大学医学部発のメディカル睡眠テックのACCELStars、東広島市の「睡眠測定」事業に採択され初の中国地方に参入 (2024.02.29)

スリープテックの実証実験。1月から開始。

ファーウェイ、医療分野のインテリジェンスを加速する医療技術デジタル化ソリューションを発表 (2024.02.29)

米中対立の中、この分野でファーウェイがどのくらいのシェアを占めるようになるかに関心があります。
現在ファーウェイのスマートウォッチを使っていますが、次をガーミンにするかまたファーウェイにするか悩みどころです。Appleは電池持ちが。

医療のDXに取り組む大学発スタートアップInnoJin社と資本提携を締結 | ロート製薬 (2024.03.01)

個人的に興味を持っている眼科系のメドテック領域に大手製薬会社も。さらなる盛り上がりに期待しています。

「本提携により、デジタル医療技術を活用した眼の健康サポートを加速するとともに、両社のアイケアに関する知見を掛け合わせ、眼を基点とした人や社会のウェルビーイングの実現を目指してまいります。」

ロート製薬プレスリリース


・フェムテック

男女の更年期症状による国内経済損失は、年間3.1兆円!|木村 恵 - フェムテックや健康経営の社会情勢やビジネスモデル|NewsPicks (2024.02.25)

男性1.2兆、女性1.9兆円!
理解、知識、リテラシーの不足の解消を。

【フェルマータ(株)】自宅で使える妊活サポートIoTデバイス「Kegg(ケグ)」、日本で一般医療機器としての届出を完了 (2024.02.28)

少子高齢化に対するメドテックはどうしてもマーケットの大きい高齢者医療に集中しがちですが、小児・周産期・不妊治療領域の活性が上がらなければ未来は明るくなりません。

「女性の「おりもの」の一部(子宮頸管粘液)の水分量をセンシング技術によって計測し、月経周期を予測・管理するためのIoTデバイス&アプリケーション」

フェルマータ社プレスリリース


産科・新生児領域での取り組みを強化 モバイル胎児モニター「分娩監視装置 iCTG」などを発売 | 島津製作所 (2024.02.29)

メロディ・インターナショナルの分娩監視システムは島津メディカルシステムズから販売。


・研究・大学

「デジタルツインセンター」オープニング記念シンポジウム (2024.02.27)

東京工科大学片柳研究所に「デジタルツインセンター」。

AIと3Dプリンティングで骨修復を進化させる新技術開発 フィリピン SciencePortal ASEAN (2024.02.28)

「3Dプリンティング技術を使って調整可能な形状の骨足場を作り、複雑な骨再生の性能を高める」

「印刷におけるバイオセラミック前駆体材料の効果に影響を与える要因を分析する機械学習モデルを開発」

SciencePortal ASEAN


・企業・スタートアップ

糖尿病患者を支えるフットチェックアプリ『Steplife』。臨床工学士の代表が開発を行う背景と未来 (2024.02.28)

株式会社セカンドハート。
臨床工学技士は現場のニーズを的確に捉えやすく、今後医工連携の主役の一人となる可能性があります。

臨床工学技士のキャリアパスの一つとしてこの様な起業・ビジネスが広がっていくことに期待したいです。

高齢者の背骨をより確実に、より安全に治療したい 脊椎外科医の視点で挑戦する株式会社スパインクロニクルジャパン (2024.02.27)

昨年のMedTech Angelsでライフサイエンス賞を受賞されたスパインクロニクル社です。

「貿易赤字1.8兆円」のメドテック。それでも日本が世界で勝てる理由 | Forbes JAPAN 公式サイト(2024.02.29)

Forbes HEALTHCARE CREATION AWARD受賞企業の紹介と審査委員長中尾さんのインタビュー。

世界で戦える日本発スタートアップとして、新興国に進出するOUI Inc.、IPOでなく大手企業によるM&Aに成功した朝日サージカルロボティクス、FDA承認戦略を同時並行で進めるGlobal Vascular。

テクノロジーの世界的スタートアップ・コンテスト「Extreme Tech Challenge (XTC)」、日本大会の優勝企業が「株式会社INOPASE」に決定! (2024.03.01)


・マーケット

2023年度のヘルスケアカオスマップを公開しました | 株式会社ポテック (2024.02.26)

274社掲載。原則として、設立10年以内の国内ヘルスケア関連企業。2023年の市場の特徴・主な動きも。

スリープテックが…


・行政・規制

広がる治療用アプリの活用  一般向け広告の解禁なるか (2024.02.26)

ヘルスケアアプリ(非医療機器)は広告OK、SaMD(医療機器)は一般向け広告禁止の状況から、一般消費者の適正な製品の選択・使用に必要な情報アクセスを可能にするために。

「チャンスと危機感」から「ヘルスタPT」発足 - 塩崎彰久・厚生労働大臣政務官に聞くスタートアップに対する現場の医師らの意見募集中 | m3 .com (2024.02.28)

「規制の在り方や保険点数」が行政による新たな振興・支援策では最重要でしょうか。資金は民間の投資の活性化を。



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