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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#34

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。

今週の個人的注目トピックは

  • MITがELSEVIERとの雑誌購読契約を打ち切りコスト8割カット。論文出版・購読コストの高騰は世界的問題。

  • 日刊工業新聞社の調査で企業での博士人材活用は研究者需要が7割との結果。大学側はイノベーション人材と謳うが認識・現実のギャップ埋まらず。一方製薬業界では全社で博士活用が進んでおりここにヒントが?

  • 脳の一部を新規の細胞に入れ替える研究が米国で米国医療高等研究計画局で採択。技術的・倫理的・法的にその実現性は…?

です。


・医療AI

バイドゥ AIによる医療イノベーションで医療の“限界”に挑戦|日経クロストレンド (2024.08.20)

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00327/00200/?n_cid=nbpnxr_twbn

日本ではなかなか見られない、もう一つの巨大プラットフォームでの医療AI活用。

・百度健康への医療リソースの統合によるアクセス性の向上
・各種AIエージェントのリリースによる低コスト健康相談
・医療DXサービス「智能加号」による診療の効率化

など。

「隠れ心房細動」AIが発見 フクダ電子が装置 発作ない状態で検知/10秒でリスク4段階 - 日本経済新聞 (2024.08.20)

10月を目処に発売。
心電AIは活性の高い領域。

第3部・医療DX(1) 開業医のAI活用|山形新聞 (2024.08.20)

クリニックで活用される内視鏡AI・レントゲン画像診断支援AI。

「リスク回避のため、診断の一助としてAIの重要性は増していく」

山形新聞 (2024.08.20)

レナサイエンス、糖尿病患者のインスリン投与量を予測する人工知能(AI)の臨床性能試験開始のお知らせ (2024.08.20)

糖尿病治療支援 AI「DM-SAiL」。の臨床試験。

「本 AI は、糖尿病入院患者のインスリン投与量を専門医と同等の精度で予測することので きる AI であり、簡易血糖測定による血糖値から必要なインスリン投与量を予測します。」

レナサイエンス プレスリリース(2024.08.20)


・手術支援ロボット

ローエンサージカル、世界泌尿内視鏡技術学術大会(WCET2024)で手術ロボット「ジャメニックス(Zamenix)」を発表|毎日経済(韓) (2024.08.18)

呼吸動保障機能付き精密レーザ腎臓結石破砕ロボット。

ROEN Zamenix P

国立がん研究センター・希少がんセミナー2024(10)頭頸部がんを乗り切る患者力と最新の経口的ロボット支援手術|がんナビ(日経BP) (2024.08.20)

da Vinci SPによる経口的ロボット支援手術について。
中・下咽頭、声門上喉頭に発生した小さながんが主適応。

マイクロボット・メディカル、新フェーズで遠隔手術を進化させる|Investing.com (2024.08.22)

LIBERTY® Endovascular Robotic SystemのCoreWell Healthとの第2相共同研究(遠隔手術試験)のリリースについて。

microbotのプレスリリースは

https://ir.microbotmedical.com/news-releases/news-release-details/microbot-medical-signs-phase-2-collaboration-agreement-corewell


・SaMD・DTx

エクサウィザーズグループのExaMD、EPNextSと業務提携しデジタルサービスを開発 〜 医薬品開発支援のノウハウを生かし、AIバイオマーカーに対応した SaMD・Non-SaMDの臨床研究や臨床開発を推進 ~ (2024.08.19)

「医薬品開発支援やデジタルヘルスサービスの開発をEPSグループで手掛けるEPNextSと提携することで、消費者に安心して利用いただけるアプリやソフトウェアサービスの開発や社会実装の迅速化を図っていきます」

エクサウィザーズ プレスリリース(2024.08.19)

フューチャー、プログラム医療機器開発の伴走型コンサルティングを開始 〜SaMD開発・薬事承認の効率化により、新たな医療サービスの社会実装を支援〜 (2024.08.21)

「当社には、医療機器製造販売承認を取得したアイトラッキング式認知機能評価アプリケーション(販売名:ミレボ®、承認番号:30500BZX00235000)、眼科疾患診療サポートシステムなど、複数の開発実績があります。それらのノウハウに基づき、医療機器薬事や保険領域だけでなくITやビジネスの幅広い領域でお客様の価値創造に伴走し、新たな医療サービスの社会実装の加速に貢献します。」

フューチャー プレスリリース(2024.08.21)


・手術DX

生成AIと機械学習で手術室を進化、「外科インテリジェンスプラットフォーム」のCaresyntaxが1.8億米ドルを調達|BRIDGE (2024.08.22)

国内でいうとOPExPARKに近い?

「この SaaS 製品は、スタッフの予約から手術のクローズアップビデオによる監視、手術の結果とコストに関する分析の提供まで、技術を通じて手術プロセス全体を接続することで、患者の手術結果を改善することを目指している。」

BRIDGE (2024.08.22)


・医療DX

入退院支援システム「わんコネ」が北里大学メディカルセンターに導入。医療DXによる業務効率化と地域連携強化で新たな診療報酬加算の取得を支援|レバレジーズ (2024.08.21)

医療・福祉施設向け入退院支援SaaSシステム「わんコネ」は、

「患者の病状や希望に合う退院先の検索機能や、チャット機能による受け入れ先施設との電話やFAXでのやり取り削減で、入退院支援業務の効率化を支援」

レバレジーズ (2024.08.21)


・医療VR・XR

ジョリーグッド、病院経営改善DXサービスを提供開始!治療説明をVR体験で提供、患者の不安軽減と病院黒字化を支援 (2024.08.22)

① 患者の満足度向上・病院価値の向上
② 訴訟リスク対策
③ 説明業務の効率改善
に向けた「治療説明VR」を提供開始。


・ウェアラブル

ファーウェイが「血圧計内蔵スマートウォッチ」の最新版Watch D2を発売へ | Forbes JAPAN 公式サイト (2024.08.24)

血圧の測定できるスマートウォッチは国内ではファーウェイとオムロンくらい?
ファーウェイは電池持ちが魅力(GT2を長く使ってます)。


・BCI

脳内の思考を映像化、「話す前に分かる」驚きのテクノロジー|MIT Technology Review (2024.08.22)

Precision Neuroscience社のBCI。
覚醒下手術(脳外科)での機能マッピング(記事内に動画あり)の実用化は意外と早いかもしれない。

現在4,096電極でのマッピングを達成(世界新記録)


・救急

仙台市の新救急搬送情報システムとしてNSER mobileの実証がスタート|TXP Medical (2024.08.19)

「このシステムは、救急搬送困難事案の解消とEBPM(Evidence-based Policy Making:エビデンスに基づく政策立案)の推進を目的として運用されます。」

「「NSER mobile」は、救急現場と搬送先医療機関間のコミュニケーションを円滑にし、救急対応の効率化を図るシステムです。救急車に配備されたタブレットでAIを活用し効率的に収集した患者情報を迅速に搬送先病院に送信し、病院の受け入れ準備を効率化します。従来の電話と紙の帳票によるコミュニケーションをデジタル化することで、救急医療の見える化を実現し、搬送業務や情報共有が大幅に改善されます。」

TXP Medical プレスリリース(2024.08.19)


・遠隔医療

CROSS SYNCは、プログラム医療機器「生体看視アプリケーション iBSEN DX」を活用した 遠隔ICUの普及を目指し、株式会社アルムと​資本​​​​​​及び​業務提携を​​​開始 (2024.08.20)

「アルム社の医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join(ジョイン)」を組み合わせ、国内大学病院や国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター)をはじめとする多数の医療機関に導入されている「Join」の顧客基盤およびアルム社の自治体への営業ノウハウを活用することで、遠隔ICU導入を加速し、医療従事者の負担軽減及び地域医療の質向上に貢献してまいります。」

CROSS SYNC プレスリリース(2024.08.20)


・大学・研究

MITが学術出版社のエルゼビアと契約を打ち切ったことで「支出を8割(約3億円)削減できた」と報告 - GIGAZINE (2024.08.21)

コストカットしても論文へのアクセス性が低下しないなら歓迎すべき流れ。
日本の大学、特に国立は随分前からもう支払うの限界に近い。

「人工皮膚」なしで触感を実現、ロボット全身がタッチスクリーンに|MIT Technology Review (2024.08.26)

ロボットの各関節のトルク変化をもとに触れた場所・力を推定する手法。ロボット表面に描かれた文字も認識できるレベルでの高精度推定。ただしマルチタッチには非対応。

論文は
Intrinsic sense of touch for intuitive physical human-robot interaction

https://www.science.org/doi/10.1126/scirobotics.adn4008

「脳の交換」で死を克服、米政府機関が1億ドルの狂気的アイデアを採用 (2024.08.22)

老化した脳の一部を切除して胚細胞を移植し脳を漸進的に置き換えるという…機能と自己同一性は保たれるか?

7割は研究者需要のみ…博士人材の活用、企業の本音|ニュースイッチ (2024.08.21)

製薬業界にヒント?

「一方、製薬業界は特異で「ファーマコビジランス(医薬品安全性監視)、データサイエンス部門」や「広報や経営戦略部門」「企画部門やライセンス部門」と全社で博士が活躍していた。新薬開発だけでなく、事業開発や安全性監視もグローバルに進められており、普段から海外チームと働くため博士号が評価されやすい。」

ニュースイッチ (2024.08.21)


・スタートアップ・起業

CVC投資が活発 AI関連スタートアップがけん引 - 日本経済新聞 (2024.08.19)

メガラウンドが増える一方でアジア圏やデジタルヘルス企業のCVC出資ラウンドでの調達額は落ち込みが目立つ。

東京医科歯科大学×東京都 協定事業 「創薬・医療データ科学イノベーション人材育成事業」アントレプレナー育成プログラム受講生の募集開始について|東京都 (2024.08.19)

出願〆切9/11。
創薬・デジタルヘルスなどデータサイエンスを活用した新規医療事業開発や起業に興味ある方へ。

ハーバードとMITの専門家が創設、「がん検査」を変えるスタートアップ | Forbes JAPAN 公式サイト (2024.08.20)

ボストンのPredicta Biosciences。

「プレディクタの主力製品であるGenoPredictaは、患者から血液サンプルを採取し、DNAシーケンサーを用いて解析する。そして、多発性骨髄腫の腫瘍に特異的なDNAを探し、この疾患を発症しているかを判断する。この製品は、他の遺伝子マーカーも探し、医師が最適な治療計画を判断する手助けをする。」

「血液サンプルを使ったがん検査(リキッドバイオプシー)は、腫瘍学において長年に渡って究極の目標とされてきた。しかし、その有望性とは裏腹に、米国食品医薬品局(FDA)がこれまで承認したのは固形悪性腫瘍向けの血液検査2件のみで、多発性骨髄腫のような血液がん向けのリキッドバイオプシーは承認されていない。」

Forbes JAPAN 公式サイト (2024.08.20)

作家・池井戸潤も注目して小説化!「心血管パッチ」が世界の子どもを救う | Forbes JAPAN 公式サイト (2024.08.23)

福井経編興業×帝人×大阪医科薬科大学による心血管修復パッチ「シンフォリウム」。

医・工の熱意と技術力はよく聞く話だが、この実績で重要なのは大手の帝人が動いたことと感じる。
日本のバイオベンチャーの成功に大手の参画は必須。


・マーケット・企業

米J&J、医療機器メーカーを最大17億ドルで買収 心臓分野強化|ロイター (2024.08.21)

Shockwave Medicalに続き心房間シャントシステムのV-Waveを買収。

The V-Wave Ventura Interatrial Shunt System

パルスフィールドアブレーション技術を採用した心房細動治療カテーテルカテゴリ群では日本初 「バリパルス® カテーテル」が保険収載へ|ジョンソン・エンド・ジョンソン (2024.08.23)

VARIPULSEによるPFA治療が日本の臨床に。

1月の承認に続き保険収載。



・行政・規制

真相追求!「消えたAI医療ソフト」 「認証制度」の抜け穴、落とし穴|Medical Tribune (2024.08.21)

iSurgery CBIの件。
CBIを認証で通したことに対する疑問は同感だが、認証制度全体が不適切な承認のなすり抜け手法みたいな印象の議論はちょっと極論な気がする。
今まで通り承認でやるべきハイリスク・サラピンはきっちり承認で、そうでもないものは第三者認証で、の基本通りで認証/承認の対象をきちんと見極める、でいいのでは。


・イベント

手術ロボ「思ったよりも動かしやすい」 藤田医科大で親子向け体験イベント|中日新聞 (2024.08.18)

Hugoの体験ができるとは珍しい。
国内ロボット手術のメッカ藤田医科大学病院らしいイベント。

医療機器操作 手術を体験 富士の病院で中学生向け講座|静岡新聞 (2024.08.20)

富士市立中央病院とJ&Jによるブラックジャックセミナー。

秋田県『医療機器の規制とQMS基礎解説セミナー』 ~事例発表とディスカッションで深める知識~ 2024/9/5 (2024.08.22)

新規参入者向けQMS入門講演。
事例発表はフジタ医科器械の前多社長。

北海道情報大学 公開講座「高度医療を支える医療機器」9/28開催![札幌市中央区]|えべナビ! (2024.08.21)

同大学医療情報学部加藤准教授によるロボット支援手術、 カテーテル治療、内視鏡外科手術の解説。

北九州 がん治療の最新ロボット手術を中高生が模型で体験|NHK 福岡 NEWS WEB (2024.08.24)

北九州市立医療センターでの中高生医療体験。

da Vinciの他にも縫合結紮・電気メス体験なども:
中高生が最先端の「ロボット手術」を体験 アームを遠隔で操作 北九州市立医療センター|FBS NEWS NNN

未来の医者を目指す中高生がロボット手術体験|KBC NEWS


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