キンメダイの目はなぜ金色?
生活の中にある身近な科学に気づくシリーズ。
最近仕事で「光」の科学について考えることが多いのですが、
そんな頭をかかえて休日にスーパーへ行くと珍しく金目鯛が売られていました。
生のものを見ることはあまりなかったのですが、あらめて見ると角度によって目が光っている。
金目鯛という名前もすごく納得がいきます。
確かにこれは太陽の下で釣り人が見たら目が金色に輝いてみえる鯛だからキンメダイなのだと実感します。
観察してみると、目の奥に透明なビー玉のような目玉が見えます。
球体を使って反射しているので「道路標識や反射テープに使われる仕組みと同じ現象がおきているのでは?」と家に帰って子どもと一緒に目を観察することにしました。
体長250mmに対して25mmほどの大きな目。
ぷるぷるの目の中には丸い透明な球体が見えます。
取り出してみると15mm程度の水晶玉のような透明なレンズで光を集光しているのがよくわかります。
目玉の裏側の反射する銀色の面に集光した光が反射されて目が光っているようにみえていたのでした。
金目鯛は水深200?500mの深海に生息しているので
暗い中で餌を探すためにより感度よく"視る"ためにこんな発達をしたのだそうです。
この透明の玉の中にはさらに透明度の高い8mm程度の玉が入っていました。あとで煮魚にしたのですが、この部分は濁りはしたものの透明で、15mmの部分は白く変色していたので、タンパク質の構成から違う素材のようでした。
どうしてそんな目になったのかどんな原理で光をあつめているのかなど、
生活の中にたくさんの科学が隠れていることを再確認したのでした。
平河 翔