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マイナンバーカードの顔認証機能付きカードリーダーをさわってみた感想

マイナンバーカード普及のために、厚労省が必死でがんばっている医療機関でのオンライン資格確認導入。

先日、このオンライン資格確認に必要なマイナンバーカードの顔認証機能付きカードリーダーをさわってみたので、その感想です。

ちなみにオンライン資格確認とは?については厚労省HPのコチラで。

■良かったところ

・カードを読み取らせてから結果が返ってくるまでのスピードが思ったより早い!医療機関のネット環境ってクローズドなので、特定の専用回線を通して資格確認を行います。複数の電文を送っても、回線はひとつなんですよね。だから結果が返ってくるまですごく時間がかかるんじゃないかと懸念してましたが、感覚的には特に問題ない感じでした。ただ、マイナンバーカードとは別に診察券を再来受付機に通して受付を行うことを考えると、渋滞は必須かも…。

・顔認証の精度がいい!これはメーカーによるのかもだけど、マスクかけてても、眼鏡かけても認証されてました。ただ、テストは男性でやったので、きちんとメイクした顔でマイナンバーカードの写真撮って、体調最悪のどすっぴんで顔認証したら、それはどうなるかわかりません。。マイナンバーカードはスマホで申請できるので、ちょっと盛った画像で申請したくなるけど、顔認証機能を使うことを想定したら、ノーマル?な顔で申請したほうがいいかも…。

・医療機関側の入力ミス防止につながりそう。これは電子カルテ側の対応によると思うけど、マイナンバーカードを読み取ることにより、返ってきた患者の被保険者情報を、システム側に反映させる機能がついていれば、保険証の記号番号の打ち間違いリスクは大幅に軽減されそうでした。

■イマイチだったところ

・実運用になったときの筐体を置く場所が難しそうだな~と思いました。感覚的に、カードリーダーの場所って、自分の腰~胸ぐらいの高さが楽だと思うんだけど、「顔認証」の機能はもちろん顔の高さに認証用画面が必要なんですよね。その2つの機能がセットになっている筐体って、どれぐらいの高さに置くのが理想なんだろう?医療機関には子供や車いすの人もたくさんいるし、普通に歩けている人でも、実はかがむのが辛い人もいるだろうしね。今後導入する医療機関は、そのあたりを踏まえて筐体を選定したほうがいいんじゃないかと思いました。

・顔認証がOKだった場合、「限度額認定証」の情報を提供するか?って聞いてくるんだけど、これ、だいたいの人は「何を聞かれてるんだろう?」ってなると思うんですよね。几帳面な患者さんだったら、医療機関の人に説明を求めるだろうから、このあたりの人的工数は大変な気がします。どうやって説明するか、あらかじめ院内で決めておくか、簡単な説明用ポスターをカードリーダーの近辺に貼っておくほうがいいかも、と思いました。

・上記と同様に健診情報の提供を承認するか?っていうのも聞いてくるんだけど、これも「何を聞かれているんだろう?」ってなる気がします。そもそもここで書かれている「健診情報」って特定健診の情報だから、一定年齢以上の人の情報しかないし、全員にあるわけでもないのに、カードリーダーに入れる度に年齢に関わらず毎回聞いてくるのどうなんだろう?と思いました。メーカーによるのかもしれませんが。。

下の2つに関しては厚労省が作った仕様がそうなっていただけなのかもしれないので、メーカーは悪くないような気もします。

■限度額認定証の情報提供について

ちなみに「限度額認定証」の情報提供って?というところについて、私の知っている範囲で説明すると、そもそも「限度額認定証」って、特に現役世代の場合は保険者にわざわざもらう必要があったものなのですよね。

入院するって決まりました、とか外来でも高額な治療を受けることになりました、ってなると受付の人から制度説明を受けて、「限度額認定証」を会社や役所でもらってきてくださいね~って言われると思います。

で、今回のマイナンバーカードによるオンライン資格確認で、被保険者情報をデータベースにとりに行く時に、資格の有無や記号番号だけじゃなくて、限度額認定証に記載されている筈の、所得区分を病院に返すことが可能になりました。

じゃ、一律で限度額認定証の情報を返したらいいやん、という気がしますが、そもそも「限度額認定証」を提示するかどうかって、被保険者個人の自由裁量なわけです。あまりそういう事例は聞いたことないけど、それでも患者が「この医療機関には限度額認定証を出さない」とすることは可能なわけです。

その、患者の選択の自由をシステムに乗っけたのが、この質問なんですね。だから、私なら、その医療機関に入院しない限りは、限度額認定証の情報は「提供しない」の一択です。もちろん、提供しても基本的には実害はない筈ですが、なんとなく不要な情報は開示したくないんですよね~。

というわけで、そもそものこの制度の根幹にある「理屈」がわかっていれば、何を選択すべきか判断できますが、それをみんなに理解してもらって、受付の都度選択してもらうっていうのは、なかなか難儀だな~と思いました。

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