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ぐるんとびーの防災術:団地があれば避難所はいらない?!


健介さん(ぐるんとびー代表 菅原健介)は、全国ボランティアナースの会『キャンナス』のコーディネーターとして、東日本大震災における被災地支援を経験。以降も、熊本、広島、千葉、長野と相次ぐ自然災害によって被災した地にいち早く訪れ、支援を行ってきた。

そんな健介さんがぐるんとびーにおいても大切にしてきたのは、「平時からの備え、平時からのつながり」。

平時から顔の見えるつながりがあれば、いざという時に強い。

平時から備えていてこそ、非常時に力を発揮する。

避難所の困難な環境をよく知るからこそ、避難所に行かなくてもよい地域づくりを謡い、「団地が避難所として機能すれば、そもそも避難所はいらない」と語る健介さん。

10月に発生した台風19号に見る、ぐるんとびー流防災術の一部始終を大公開!

■そもそもぐるんとびーを団地の一角に開設した理由

・地盤が固い。

・保健医療センターが目の前にある。

・堅牢なUR団地である

これらの立地条件から、災害拠点になることも視野に入れて、事業所を開設!

■事前防災のススメ

1、災害が起きてから対応するのではなく、“事前防災”していればなんとかなる!

2、台風19号が藤沢に及ぼす被害の可能性としては、停電、断水。(建物の倒壊はほとんどないだろう。)

必要なのは、停電・断水および食料対策(+α)

・飲料水:UR団地内にある自宅だけで100ℓの備蓄。事業所にも常時50ℓ。台風に備えて新たに買い足したもの、同じ団地内のスタッフ宅も含めて300ℓを準備。

・生活用水:事業所始め、団地内にあるスタッフの家、利用者の家、併せて浴槽15個分に貯水。

3000ℓの生活用水を確保。

・電気:平時から災害用のライトを多数準備。

また普段から、蝋燭を使う習慣も。

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食料:ひたすらご飯を炊いておにぎりに。

7階の事務所、6階の小規模多機能と菅原自宅、併せて40合!前日の夜から5合のお米を4回。

小規模多機能を統括するケアマネ石川さんも自宅にて20合を炊いて参戦。(おかずも事前に準備。スタッフの中には、冷蔵庫にあるものをすべて揚げたという強者も)

念のため、カセットコンロもボンベだけで3個入り7セットを備蓄。

防災+α

事業所の窓ガラスにガムテープを貼って、ガラス飛散防止。
トイレ:
・ビニールをかぶせて、尿取りパットや新聞紙を詰めて、そこで排泄できるよう整備。さらに、排泄後に袋ごと捨てるための箱を設置。

・普段から大量の尿取りパット、ゴミ袋45リットル(1000枚)を備蓄。

・ラップポン(簡易トイレ)も被災時には便利。団地に住んでいる利用者さんは平時からラップポンを使用。利用者さん宅、ぐるんとびーで4台程度設置。

・段ボールベッド20セット常備。

■ご利用者さんへの対応

・スタッフのシフトを調整し、家族のいる利用者は家にいてもらい、独居の方はぐるんとびーにお泊まり。

訪問看護の利用者には、台風の日にショートステイの利用を促し、ステイ先が見つからない場合はぐるんとびーに泊まってもらうようにした。

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当日は、アパートや築100年の家に住んでいて不安のあるスタッフを始め、川の近くに住むスタッフが子連れ・犬連れでぐるんとびーに泊まりに来たり、団地の一人暮らしの人がやってきたり。

逆に同じ団地に住む利用者さんがスタッフに「うちに来てもいいよ」と声をかけてくれたり。

「考えられるだけの準備」をしたら、後はいつも通りに過ごす、以上に、なにやら愉し気でもある…。

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ぐるんとびーらしい光景が見られた台風の日。

団地住民からも「ぐるんとびーがあるから安心」「家族も安心と言っている」という声が聞こえてきた。

備えすぎ、なんてことはない。事前防災で憂いを吹き飛ばす。

これでもかと災害に備えるぐるんとびーには、東日本大震災を経験しているスタッフ4名に加え、災害支援の経験があるスタッフが6名ほどいることも大きい。

災害がもたらす影響を痛感するからこそ、事前防災にスタッフ一丸となって対応できる。とはいえ、被災した経験、あるいは災害支援の経験の有無で、どうしても意識の差が生じるため、スタッフには積極的に被災地支援への参加を促す。

今回の台風による被害が大きかった長野県長野市にキャンナスの活動で初めて被災地支援に入った看護師の鎌田さんは、「被災地支援を通じて、ぐるんとびーの事前防災も決してやりすぎではなく、ここまでした方がよいのだということを身をもって体験できた。ここまでするからこそ、安心して過ごせる」と語る。

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平時からご近所さんとの顔が見えるつながりを団地で作ることができれば、被災した場合に避難所へわざわざ行かずとも、団地自体を避難所に転用できると考える健介さん。

「ぐるんとびー関連の部屋が団地内に10部屋、1500㎡程度のスペースがあり、介護が必要な人50名程度はぐるんとびーで受け入れられます。

また、介護を必要としない人は、団地の230世帯に対して自治会がマッチングしていけば、100~200人は受け入れられる。

被災した場合にも、地域に福祉のマインドを持って連動する団地やマンションがあれば、避難所はいらないはずです。」

ぐるんとびー設立の根底には、健介さん自身の東日本大震災での被災地支援体験がある。

被災した時にも避難所を必要としない、平時からの地域づくりは、ぐるんとびーが大切にする柱の一つだ。

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山梨県在住。医療福祉ライター。6歳と9歳の2児の母。人生の最終章、認知症などを主なテーマとし、取材活動を行う。ここでは、仕事のこと、日々のことなどをつらつらと書いていきたいと思います。https://www.medicaproject.com/

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