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【完全版】 論文検索・管理の効率化&便利ツール

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初めに

どもです!岡(@TrainerWao)です!

今回は、かなり質問と要望の多い『論文検索について』の第2弾!!

【論文、情報検索のシステム・ツール編】

をご紹介させて頂きます!!


ちなみに今回の記事に関しては、
前回の記事以降、皆さんの要望が非常に多くて、
実現する事に成功しました^ ^



===※そんな前回の記事はこちら👇===

==(非常に大人気でありがとうございます)===





上記の論文は非常に面白いもので…
【オーダーメイドな介入】とは【膨大な知識に伴うことが前提】
という風に個人的に考えています。







前回の記事を読んで頂いた方は、
『EBM:根拠に基づいた医学』に関して
情報抽出のイロハ、精度を上げる重要性、等々を存分に感じ取って頂いたと思います。

EBMの定義:個々の患者、対象者のケアに対する意思決定において、
良心的に、明確に、分類を持って最新最良の医学知見を採用する事



それらの知識は【SDMを実現、効率化する為の必須のスキル】となります!

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何故なら、【盲目にならない為】に…

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よって、ここでは前回の記事よりも一歩先に進んだ情報として、
それらを有効活用できる様な【システム】や【ツール】
紹介していきたいと思います。

つまり…

PubmedやGoogle Scholar等のデータベースで
解決できない(時間がかかる)問題を解決したい!!


例えば、簡単な所でいうと、
【h-index】【インパクトファクター】みたいな所です。


毎回確認したい気持ちは山々ですが、いちいち面倒です。
時間は有限です。自分の身体も有限です。

※【h-index】とは??
・引用される論文をどれだけ執筆されているかという研究者に対する指標
※他にも【i10-index】というものもあり、10回以上論文引用された回数を示す数値もあります

※【インパクトファクター】とは??
・ジャーナル(学術雑誌)の世界への影響度を評価する指標(数値)
・ジャーナルの影響度を定量的に比較する手段
・ジャーナル掲載された論文(過去2年間)の被引用状況から数値を毎年算出
※他には【アイゲンファクター】というのも存在します


なので…そんな問題達を”サクッ”とシステムで解決していきます。

つまり、ここにあるのは…
【楽と効率のバランスが取れた勉強が好き!】

そんな人達にしか好まれない論文関連
”システム””ツール”等を今回は紹介していきます。


オススメな論文データベースや、管理方法、面白いシステム等々…
本当に色々ありまして、今回はそれらを紹介していきます!!


もちろん、当方が実践している物を中心に紹介していきます!

(※そんな貧乏性な自分は無料ツールを使い倒してます。笑)
(※お金に余裕ある人向けにも有料ツールも併せて紹介していきます。笑)

(…皆さん非常に苦労されている様なので…
この記事がそれらの一助になれば幸いです!)

(”システム”や”ツール”を使って乗り切りましょう!!)


自分も上記先生と同じ思いです。
自分で”全てやる”という気持ちは大事ですが、
それよりも、自分の”時間”の方が大事です。


またまた、
論文検索のデータベースについては、
”Pubmed”と”Google Scholar”が2大巨頭ですが、
その抽出される精度は【玉石混交】です。

✔️論理演算子の検索式
#1 AND #2
:両方(#1と#2)の検索条件を満たす
#1 OR #2:少なくともどちらか(#1と#2)一方の検索条件を満たす
#1 NOT #2:#1の条件を満たすが、#2を含まない

✔️検索タグの検索式
#1[au]
:著者、執筆者の検索
#1[pt]:論文の種類検索
#1[dp]:出版年の検索
#1[ta]:雑誌名を含んだ検索
#1[tiab]:タイトルと抄録の検索
#1[Mesh]or[mh]:類義語、キーワードで検索

✔️一致検索の検索式
"#1"
:単語一致する検索
#1✳︎:前方の#1に一致する検索


上記等は、前回の記事で説明した一部分ですね!^^

わざわざ、こういう面倒くさい事をしないと、
上記データベースの精度は【玉石混交】なので、
必ず上記の様に【検索式】を十分に作成していく必要があります。


※そんな【検索式】等、それ以上に深く説明しているのは前回の記事👇

==(非常に大人気でありがとうございます)===



…ですが、他にも優秀なデータベースが存在します。

そこから検索をかけた方がトップジャーナル等の情報を取りこぼす事なく、
そして、労力なくゲットできる事があります。

もしくは最新知見に対して取り損ねずに、検出できる可能性を上げてくれるデータベースもあります。

全ては【目的次第】なのですが、利用する価値は十分あります。

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(勉強ほどコスパの良い遊びはないですから…
もっと効率良く遊べる方法や、コスパを求めるのは当然ですね!)




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さて、いきなりですが、"速読""精読"の違いはご存知でしょうか??

どちらも論文達と付き合うのに非常に重要なスキルになります。

"速読"=『応用できる問題の発見』
→最新の研究動向や内容を知る為に、素早く吟味する事
 +広くアイディアを得た場合、何かに応用できる可能性が上がる
✔️広く浅く知る事で対応力が向上する
✔️様々なシチュエーションに強くなれる

"精読"=『解決すべき問題の発見』
→1つの情報に対して様々な視点で確かめ、深く吟味する事
 +深く知ることで見えてくる課題やリスク(限界)を感知できる
✔️注意事項やリスクを拾い上げる力が向上する
✔️具体的な状態や応用の仕方を考察できる


例えば、先行研究を読み進めていけば、

・どの分野が?
・どれくらいの進捗で?
・どこまで分かっていて?
・どこからが分かってないか?


総じて、これが"速読""精読"=【流れを理解する】
というスキルになります。


この様に、より良い”質””流れ”を求める活動は2010年ごろから、
世界各地で活発に見られる様になって来ています。


✔️そんな情報知らない…知らなくて良い!!

✔️そんな情報知っている!実践している!!


これで、かなり”情報リテラシー””情報収集”に
差が出てしまう事でしょう…


そうならない為にも、それらを見識やノウハウとして
是非チェックして頂ければと思います!!


それでは、一緒に素晴らしい情報に会いにいきましょう!!


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”1イイネ数”ごとに”1行”ずつ開けていきますので、
どしどしイイネくださいね!!(2023.4/19更新済)



〜〜〜〜購入者の声〜〜〜〜







各種データベース紹介

少しだけ概論と各種のツールを紹介していきます

先程も紹介した様に、2016年に『EBHC pyramid 5.0』という
”ヒエラルキーロジック”が発表されました。

…と言われても…ですよね( ・∇・)笑


そもそも、このヒエラルキー作成前の段階で
2009年に『6Sモデル』という物が考案されました。

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上から…

①:作成や利用が十分に可能なコンピューター(自動化)システム
②:各種ガイドライン
③:精査されたジャーナル(≒有名ジャーナル)
④:システマティックレビューやメタアナリシス
⑤:各種ジャーナル等のアブストラクト(抄録)
⑥:各種研究(RCTやコホート、ケーススタディ等)

この『6Sモデル』に準じて、
広く見てみると下記の様な全体構造になります。



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という事で!少し話を戻すと!

上記の2016年、BMJから発表された『EBHC pyramid 5.0』では、

・検索エンジンの使用順
・エビデンスの確認方法の使用順
 (これは目的にもよりますが…)

『上位に相当するピラミッド部分から使用しましょう!』
と提言されてきた…という経緯です。


※使用順に関する補足
・疾患の有無、要因と結果の関係性を調べたい時
→観察研究(コホート研究や横断研究)
・治療や予防方法を知りたい時
→介入研究(RCT等)
・特定のアプローチ結果を知りたい時
→シングルケース研究
・疾患を調べたい時
→記述的統計(症例報告)

※ちなみに…
システマティックレビュー:論文を基準と目的に従って検索、記述する
メタアナリシス:収集した論文を統合、解析、重み付けするデザイン


そこで、各階層で使うべきデータベースは
『何が推奨されるか?』という話題に発展していきました。


①:作成や利用が十分に可能なコンピューター(自動化)システム(Systems)

✅QuadraMed

⇒1993年から発足された医療統合型システム。研究者向き。


✅Isabel

⇒1999年から発足された診断システム。
(余談ですが、このシステム開発の発端は、
現実の臨床で”誤診”という悲劇があり、
その”誤診”を回避する為に生まれたシステムです。
こういう開発に対する思いが溢れているのは個人的に好きです。笑)



…これは一般人、
…個人利用が無縁の人多数…なので飛ばします。笑



②:各種ガイドライン(Summaries)

✅BMJ Best Practice

⇒世界5大医学雑誌の一つであるBMJ(British Medical Journal)が提供するシステムです。
ログインすれば無料で1000件以上の世界のガイドライン、エビデンス(治療法や基本情報)を見ることができます。
※2005年から有料化したが発行1年後に内容は閲覧可能
(pubmed等から検索すると見れる)



✅National Guideline Clearinghouse

⇒アメリカ医療システムの安全性と品質の向上を目的としたシステム。
各種論文の要約を素早く確認することができます。
右上の検索窓から検索することができます👇

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※大学院の方や有料で探したい!…等の方は
✅Dynamed が非常におすすめです!
理由としては専門スタッフが批判的吟味を行なった論文しか掲載されないので、質の高いものを厳選して読むことができます。



③:精査されたジャーナル(≒有名ジャーナル)
(Synopses of synthesia)

✅ACP Guidelines

⇒アメリカ内科メンバーによるガイドライン。
項目別にまとめられて簡単に確認できる所がおすすめポイント。
ただ、見れない記事もあるので、使い勝手に問題あり





✅CPG Infobase 

カナダの診療ガイドラインで、1200以上のデータから症状や治療方法の検索を行うことができる
真ん中の検索窓から検索することができます👇

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✅NICE Guidance

イギリスの診療ガイドラインで真上の検索窓から検索することができます👇

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✅Database of Abstracts of Reviews of Effects(DARE)

https://www.crd.york.ac.uk/crdweb/

⇒ヨーク大学のスタッフを中心に運営されているデータベース。
質が担保されつつ、検索数やヒット数は非常に多いが、
少し古い(3~4年前)のデータが中心になっているので、時差を感じる時もある。
真ん中の検索窓から検索できます👇

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④:システマティックレビューやメタアナリシス
(Synthesis)

✅Cochrane Library

⇒イギリス主催で世界220か国以上に、メンバー&サポーターが論文情報(レビュー)を記載。
これほど美しい情報データベースが無いと思われる。
非常におすすめ。かつ、愛が止まらない。
右上の検索窓から検索することができます👇

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✅Health and Evidence 

⇒公衆衛生を中心にしたデータベース。
論文情報が重要度で色付け表示されるので、優先事項を視覚的に教えてくれる。
ただ掲載数はかなり少なめ(特に運動器)
真ん中の検索窓から検索することができます👇

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”1イイネ数”ごとに”1行”ずつ開けていきますので、
どしどしイイネくださいね!!(2023.4/23更新済)



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