江戸川乱歩2

 今日は残りの江戸川乱歩作品、人間椅子と二銭銅貨を読みました。

 人間椅子は傑作だと思います。僕が言うのもおこがましいんですが。自らのつくった椅子の内部に入り込み、あるホテルと潜入する男。その内側の世界は、視覚は遮断され、研ぎ澄まされる聴覚と嗅覚、そして触覚。聞こえてくるのは会話や足音、漂う体臭や香水の匂い、ちょうど太ももあたりに乗っかるは肉感のある臀部。。。生々しかったー。しかも話は、ある女性作家に宛てられた手紙という形式で進行され、結末がまた秀逸ぅ!

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実は、、、作家さん!あなたのその椅子に私は!というオチで終わるのかと思いきや、同じく作家志望の読者から送られてきた創作だったんですねー。いやー。この男の性癖とこのオチとに二重の意味で鳥肌が立ちました。おもしろかったなー。さすが、昔の作品で今もなお読まれている作品は力が違いました。

二銭銅貨もまあまあおもしろかったです。偉そうに感想を言っていきますが(苦笑)これは、三億円事件みたいに給料が泥棒され、結局は犯人は捕まってしまうのですが、その金の行方を巡る物語です。主人公の友人が、ある二銭銅貨をきっかけに推理を展開させていくのですが、

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結局は主人公の、ミスリードを企てたいたずらだったんですね。推理の展開で紹介された暗号の解読方法や、推理それ自体もおもしろく、それなりに楽しめました。若干棘があるかな感想に(笑)

江戸川乱歩の作品を通じて感じたのは、作者の現実的な目線と言いますか、どこまで行っても、無理が通るような話は書かないんだという、そういった思想ですね。それはいささか小説地味てるんじゃないかい?といった感じに。それがあの人間椅子の結末に反映されてるんですよねー。

 人間椅子、、、けっっっっっっさく!!!!!!でっっしたっっ!!


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