見出し画像

人材紹介経由での転職、離職率が高い説

 前回、人材紹介のシステムをご説明しました。医療・介護業界において人材確保の課題は、今現在でも残っています。ゆえに、人材紹介会社を使用する必要が出てきますが、「人材紹介経由での離職率が高い説」が問題視されています。

実際のところはどうなのか?3つのデータからそれぞれ確認してみましょう。

3つの調査結果から見る療法士の離職率


1,厚生労働省:雇用動向調査

画像1

引用:2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概要ー産業別の入職と離職ー

こちらは、昨年の雇用動向調査の結果の中で「産業別の入職と離職」をグラフ化したものです。このデータですと、医療福祉分野においては14.4%の離職率となっています。

こちらは分野別になるので、我々療法士のみに当てはまるものではありません。また、採用方法による分類はされていませんので、以下の調査から人材紹介使用による離職率を確認してみます。

2,福祉医療機構(以下WAM):「病院の人材紹介手数料」に関するアンケート調査

画像2

引用:「病院の人材紹介手数料」に関するアンケート調査-調査結果概要-

こちらのデータは、WAM、全日本病院協会、日本医療法人協会によって行われたWEBアンケート調査で、全国328病院(人材紹介会社利用241病院、未利用87病院)を対象に行われました。

この調査結果では主に、准看護師の離職率が目立つ結果となりましたが、PTOTST別でも調査されています。他職種から見れば、離職率は比較的少ないように見受けられます。

しかし、離職累計人数とすると看護師、医師についで三番目に多い離職人数(PTOTST合算)であることがわかります。

3,厚生労働省:医療・介護分野における職業紹介事業 に関するアンケート調査

画像3

引用:医療・介護分野における職業紹介事業 に関するアンケート調査

こちらの比較は非常に興味深い結果となっています。左が人材紹介会社経由での離職率で、右が人材紹介以外での離職率です。このデータを見る限り、人材紹介会社の離職率の高さが目立ちます。

リハ職6ヶ月以内の離職率を比較しても人材紹介経由では13%、それ以外では2.9%と10%近くの差があります。ここで比べてみたいのは、WAM調査結果との比較です。

WAMなどによる調査では、人材紹介経由での6ヶ月離職率は3.9%(PTOTST平均)と厚生労働省による調査とは若干開きがあります。また、前者の調査では全国328病院(人材紹介会社利用241病院、未利用87病院)を対象にしています。

一方、後者の調査では、求人事業所 3,976事業所(医療分野2,112事業所、介護分野1,894事業所)、就職者 6,118人(医療分野4,224人、介護分野1,894人)、職業紹介事業所 600事業所と求人事業所だけをみても医療分野と介護分野に分かれています。

ということで、介護分野での離職率もみていきましょう。

>>続きはこちらから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?